【読書】「やさしくわかる認知行動療法」福井至、貝谷久宜監修【⑦代表的な9種類の認知行動療法】
今回の読書感想は
「やさしくわかる認知行動療法」
福井至、貝谷久宜監修
【⑦代表的な9種類の認知行動療法】
認知行動療法には
さまざまな技法があります
自分でも
手軽に取り入れられる3つの
リラクゼーション法は
以下の記事をご参照ください
代表的な9種類の
認知行動療法のうち
専門的な知識が必要な
6つの認知行動療法を
ご紹介します
エクスポージャー法
学習理論における
「慣れ」の原理の応用法
苦手とする行動や場面に
繰り返しさらされることで
不安感や恐怖感が徐々に弱まっていく
苦手とする刺激に
あえて自分をさらす
エクスポージャーは
20~30分以上おこなわないと
不安が低減しないことが
明らかになっている
より長時間の
持続エクスポージャー法が
PTSDの治療で活用されている
ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)
「感情や思考は
自分の頭の中の産物にすぎない」
と理解できると
つらい感情や思考の悪循環から
抜け出せる
気分や思考は
無理に変えようとせず
あるがままに
受け入れるのが特徴
思考はあくまで
頭のなかで生み出された言葉
にすぎない
これを理解できると
気分がつらくなる思考を
客観視して受け入れることができる
思考を客観視するために
何らかの思考が浮かんだとき
「~と私は思った」
と付け加える
SST(ソーシャル・スキルス・トレーニング)
ソーシャル・スキルとは
人づき合いのしかたを含めた
社会的スキル
ほかの人の行動などを見本としながら
ソーシャル・スキルを高める方法
職場や学校などの
社会的場面に
うまく適応できるように
さまざまな社会的スキルを学ぶ
他者の行動の良い部分を
見てマネする
「モデリング法」
「効力予測」
やればできるという自分への期待
「結果予測」
将来の良い結果に対する期待
この2つが高いほど
社会的スキルの習得は成功しやすい
アサーション・トレーニング
「自分のいいたいことがはっきり言えない」
「きつい言い方をしてしまう」
自己主張に関する問題点を改善して
スキルを高めるトレーニング方法
対人場面での
上手な自己主張のしかたを学ぶ方法
SSTの一種
対人行動は3種類
「親愛的行動」
「主張行動」
「対立的行動」
親愛的行動、対立的行動が多いと
ストレスやトラブルの原因になる
相手におもねる親愛的行動が多いと
主張の強い相手のいいなりになりやすい
相手の操作的態度への対処法が必要
無視、批判、挑発に対して
対処法を考えておく
EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)
眼球を動かしていたら
嫌なことをわすれられたという
研究者の偶然の体験から考案された
EMDRの進め方
1 成育歴の聴取
恐怖、苦痛、身体感覚など
2 評価
否定、肯定、不快、身体感覚など
3 脱感作
トラウマ、否定的認知を意識して
セラピストの指の動きに合わせて
眼球を動かす
4 認知の植え付け
恐怖感の変化を確認して
適応的認知を定着させる
5 ボディスキャン
不快な身体感覚に意識を向けて
眼球運動をおこない
不快感を軽減していく
トラウマとなっている
嫌なできごとを思い出しながら
眼球を動かすことで
不適切な気分を軽減する治療法
自己流でおこなうと
症状悪化の恐れがあるため
必ず専門家のもとでおこなう必要がある
ストレス免疫訓練
行動療法を含めた
さまざまな技法を組み合わせ
発展させた治療法
病気の症状のない人にも
役立つ心理療法
として注目されている
ストレス免疫訓練の進め方
1 ストレスの概念把握
ストレスと
認知、行動、気分の関係を理解する
ストレス原因
→自滅的な思考
→パフォーマンス低下
→思考/情緒の悪化
2 技能獲得とリハーサル
リラクゼーション法
筋弛緩法
自己教示訓練など
さまざまな技法を学ぶ
3 適応とフォロースルー
身につけたさまざまな技法を
現実場面で試したり
ロールプレイやモデリングなど
シミュレーションをおこなう
ストレス免疫訓練とは
その名の通り
ストレスに免疫をつける訓練
ストレスなできごとへの
対処法を身につけることで
つらい気分が起こりにくくなる
・ストレスをどうとらえるか
・ストレスの対処法を準備
・ストレス場面で対処法を実践
まとめ
6つの認知行動療法を
ご紹介しました
・ストレスとどのように向き合うか
・ストレスへの対処法
この2つがポイントだと思いました
特に
ACTの
「無理にコントロールしない」
「受け入れる」
は面白いと感じます
感情や思考を客観視して
静かにただ眺める
普段からイメージトレーニングが
必要ですが
できるようになるといいですね
マインドフルネス
瞑想
に近い感じなのかなとも思いました
自分のストレス対処法として
さまざまな技法
さまざまなストレス解消法を
持っておくことも
重要だと改めて感じました
次回は
気分障害の治療法を
まとめていきたいと思います