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小説: 世界樹の魔法使い

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前に書いていたファンタジー小説。自信はないけどチマチマ更新。
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2014年8月の記事一覧

世界樹の魔法使い 1章:天刺す尖塔と不良教師⑦

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 随分と短く散切りにされた髪と、つり上がった細い目。口には上だけ紐のついたマスクのようなものを下げていて、呼吸の度に少しなびいている。その全てが乗る顔は余分なものが見当たらないぐらいすっきりとしていて細く、それに合わせたように引き締まった筋肉は、無駄のない鋭い凶器のようだ。それでも、本人の優しさがにじむように、瞳は輝いている。
 少し若く見えるが、これでも四十に乗っか

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世界樹の魔法使い 1章:天刺す尖塔と不良教師 ⑥

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 夜の天刺す尖塔は静まりかえっていた。
 といっても、半年も続く夜の空は代わり映えを見せない。ずっと暗澹とした帳の上に星と月を輝かせ、雲間から降り注ぐほのかな光で、天刺す尖塔と聖天都市を照らしている。唯一違うのは星の位置や種類ぐらいなものだった。
 その静けさは、中心に聳える特別教育部も例外ではない。教員が最上階の下にある自室に戻り、生徒も寮へと戻った今では、

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世界樹の魔法使い 1章:天刺す尖塔と不良教師⑤

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 医務室の窓から見えるのは、延々と続いている夜空だ。
 ジョイナーは授業が終わってチュイと八重子とバルバロを運んできた時間を加算すると、今の時間は夕方ぐらいだと思った。
 そして、リズィはもっと自分に悪罵の限りをぶつけたかっただろうと思いながら、彼は天井を仰ぎ見た。
 ジョイナーが今回のような問題を起こしたのは一度や二度ではない。生徒に向かい合う気がないことと

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世界樹の魔法使い 1章:天刺す尖塔と不良教師 ④

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 石畳の階段をコツコツと鳴らし、ケガをした生徒を運ぶ尖塔の教職員たち。
 一番先ではリズィが八重子を担ぎ、その後ろではケンブリーがチュイを負ぶっている。そして一番後ろでは、ジョイナーが巨大なバルバロを背負って歩いてた。
 力化魔法を使った補助がないと、この生徒は彼でも運べたものではない。
 誰も見ていないのに、ジョイナーは機嫌をうかがうような笑みを浮かべた。
「いやぁ

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世界樹の魔法使い 1章:天刺す尖塔と不良教師③

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 ジョイナーは負傷したフレイソルを治癒すると、早々に教室を出た。
 内心ではスッキリとしていたが、フレイソルの真っ当な意見を、師という肩書きでねじ曲げたことを思うと、彼の気持ちにも陰りが生まれる。
 師が白と言えば、黒であっても白。そんな魔法使いの厳格な階級社会に、ジョイナーは、心の中がグズグズと腐っていくような気がした。
(俺だって、本当はこんなことしたくな

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世界樹の魔法使い 1章:天刺す尖塔と不良教師②

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「不服、不服、実に不服! もはや我慢ならんぞ! ヴァン・リーオの家名において命ずる! サン・テンペスト・ジョイナー、即刻この尖塔を去れ! 貴様は気高き天刺す尖塔の教諭に値しない。世界樹に属する魔法使いとして、この対応は、不誠実極まりないではないか!」
 フレイソルの声が教室の中で反響し、同調する生徒の声で騒々しさが増していく。
複数の言葉が一斉にジョイナーを責めるよう

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