世界樹の魔法使い 3章:三年前と元研究員⑤
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永遠とも思える夜が続き、時間の感覚を麻痺させていく。医務室にいる誰もが正確な時間を知らなかったが、尖塔の炎は静かに時間を語っている。それは、赤い火が三本灯った午前三時。深く沈みきった夜が、目覚める準備を始めるぐらいの頃合いだ。 ジョイナーが自身の事を話す覚悟を決めてから、医務室の中は緊張に包まれていた。
誰も口を開かず、ジョイナーが話し始めるのを待ち続け、静かな時に流れるキーンとした音が耳の中で小さく鳴っていた。
チュイは呪いでボ