蚊取り線香/日本の夏は蚊との戦い
「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ198枚目
日本で蚊との戦いが始まったのは縄文・弥生時代と言います。
その頃に大陸から稲作が伝わり、水田が広がっていったからです。蚊は動かない水を好むためです。
さて、日本人が手にした最初の戦いの武器は楯でした。
「蚊帳」
蚊帳は奈良時代に中国から伝わったとされます。
蚊から人を守ってくれるこの蚊帳は、戦後しばらくの間は多くの日本の家庭にあり、夏の風物詩でしたね。
「早く蚊帳をつって!」と母親に催促したものです。
「蚊遣火(かやりび)」
平安時代から大正までは、松やよもぎの葉、カヤの木などを燻した煙で蚊を追い払った(殺せはしない)と言います。しかし、これは中々煙たく、目を開けていられないほどだったとか(笑)。
「金鳥蚊」
明治23年、ついに日本人は蚊に対する盾だけでなく鉾を手にします。
除虫菊を線香に練り込んだ画期的な商品「蚊取り線香」の登場!
開発したのは、上山英一郎という人物。
調べてみると、この世界初の蚊取り線香は最初は仏壇式の棒状で、除虫時間が数十分と短いのをさらに考案し、5年後には渦巻き式に。
これは、上山氏の奥様の発案とのこと👏👏👏👏
「電気式蚊取り」
エアコンを効かせ締め切った屋内での使用に対応し大ヒット。
これは香りも優しい蚊取りで、生活様式の変化に見事に対応した商品。
ちょっとコードが鬱陶しかったですね(笑)
現在ではコードの無い液体蚊取りが主流ですが、上山が開発した金鳥蚊取り線香は電気のない屋外で使え、また郷愁を誘うこともあり、今でもファンは多いと言います。ちなみに、コンビニにだって置いてあります!
皆さんは何をお使いですか?
ちなみに、僕もアースの液体式ですが、懐かしくて一夏に一度は蚊取り線香を炊きます。
夏の夜、蚊取り線香の匂い・・・
蚊帳をつった思い出・・・
懐かしい夏の暮らしですね。
*上の絵は、蛍売り。
おじさんが売りに来た蛍を蚊帳の中に放して夏の夜を楽しんだものです。
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