小松のりひと

海外在住時に祖国と故郷についての無知を自覚させられ、社寺巡りを始めました。日本の信仰思…

小松のりひと

海外在住時に祖国と故郷についての無知を自覚させられ、社寺巡りを始めました。日本の信仰思想を自然崇拝の原点に立ち帰って見つめ直し、歴史や現代の事象の神話的解釈も試みていきます。また、これらの旅での不思議な体験談も交えていく予定です。

最近の記事

米大統領選の結果と日米両首脳の関係を占う

1.今回の米大統領選でも現実味のあった不正の中断  日本時間で昨夜、ドナルド・トランプ第45代大統領が2024年米大統領選で勝利しました。  日本のマスコミ報道ではなく、米国の一次情報やそれを紹介、解説するネット上の記事や動画、SNS投稿を中心に今回の大統領選に注目してきた人々は、トランプ氏圧勝を当然だと見てきたと思います。  もし巨大な投票・集計の不正操作でもなければ…  前回の大統領選での数多くの不正行為を疑い、指摘する情報に触れてきた人々には、実質的にこの点だ

    • 2024年米大統領選投開票日の流れを占う

      1.社会科学と占いの予測能力  かつてロシア科学アカデミーのある研究所に附設されている大学院に通っていた頃、モスクワ在住の日本人研究者らと定期的に勉強会を開いていました。  そんなある日、社会科学は未来を正確に予測できるか否か、またそういう方法論があるか否かという疑問が話題になりました。  当時の私は学位論文の審査を受ける資格を取る国家試験の必須科目の哲学を勉強していました。  ロシアでは学位論文の審査を受けるには、語学(外国人留学生はロシア語)、専門、哲学の三科

      • 直前の記事の訂正

         直前の記事「脱カルトのための衆議院選挙」のほとんど最後の部分: 「明日10月28日は六十干支の最初の甲子の日でもありますが、今年の元日も甲子でした。」は、 「明日10月27日は六十干支の最初の甲子の日でもありますが、今年の元日も甲子でした。」の誤りでした(太字部分)。  何とか26日のうちに投稿しようとして、最後の方はつい慌ててミスをしてしまいました。  失礼しました。

        • 脱カルトのための衆議院選挙

          1.政界のカルトシステム 「カルト教団」の本質が教祖やカリスマ指導者への「個人カルト(崇拝の意)」にある本質が隠され、むしろ「怪異で異様なもの」と日本で誤解された「オカルト」な教団というイメージが強調されるようになったカラクリは、伝統的な神社や仏寺を衰退させ、結界と伝統信仰を破壊する危険性を孕んでおり、このカラクリを把握しておくことは日本がカルト問題を克服する上で非常に重要なポイントですので、前回整理した部分を以下に再度挙げておきます: 「カルト」の本義=「崇拝」/「

        米大統領選の結果と日米両首脳の関係を占う

          カルトからの脱却とオカルトの復権

          1.「カルト教団」乱立の影響 「カルト」や「カルト教団」という言葉を聞いて、現代日本に住む私たちの脳裏にまず浮かぶのは、一般社会からは隠れた閉鎖的環境の中で非科学的な教義やそれを唱導する教祖やカリスマ指導者を盲信し、非常識に高額な開運グッズなどをありがたがり、「背教者」や「裏切り者」には集団で口撃だけでなく、暴行、傷害、殺害にまで及ぶ反社会的側面を有する怪異で異様な集団のようにイメージしがちです。  そのイメージは外れていないと思いますが、それを「カルト」と一言で片付

          カルトからの脱却とオカルトの復権

          カルトのカラクリと脱カルトへの方途

          1.「カルト」と「オカルト」の混同  前回は現代社会のカルト的状況と自由民主党総裁選について述べましたが、そこで最も強調したかったのは、「カルト」が「崇拝」を意味するラテン語に由来することです。  しかし、現代日本では「カルト」とは例えば、非常識で迷信的な教義を盲信し、反社会的行為に及ぶ集団のような意味合いで受け止められがちです。  これは、確証のない非科学的現象の実在性やその意味づけに関する言説を信じることのように理解されがちな「オカルト」という言葉が、「カルト(

          カルトのカラクリと脱カルトへの方途

          「カルト」の意味と自民党総裁選

          「カルト」の意味の誤解と誤用  近年再びカルト宗教が引き起こすさまざまな問題が話題となってきました。  その直接的なきっかけは、安倍晋三元首相暗殺事件の「容疑者」とされた人物の家族が、一般的にカルト宗教とされる宗教団体に入信していたことで多額の経済的損失や深い精神的被害を受けていた、などという情報が報道機関やネット上で溢れかえったことです。  安倍元首相暗殺事件の経緯や「犯人」については私なりにいろいろ思うところはありますが、今回はそれがテーマではなく、そもそも「カル

          「カルト」の意味と自民党総裁選

          皇嗣妃殿下御誕生日の虹と和白の大神神社

           去る9月13日(金)14時から福岡市東区千早の公共施設「なみきスクエア」で、福岡東歴史の会主催で「和白の大神神社と福岡の『みもろやま』」と題した講演をさせていただきました。  福岡市東区に御鎮座の二つの和白の大神神社については「龍神考」などnoteでも何度か取り上げてきましたが、今回の講演はこれまでの論考に多少補足する内容となりました。  当日話しきれなかった内容やその後新たに気づいた点もありますので、聴講してくださった方々のためにも、また私自身の備忘録という意味も込め

          皇嗣妃殿下御誕生日の虹と和白の大神神社

          海原の虹霓に続く瑞祥

          吉凶の分かれる虹  現代では一般に「吉兆」とされる虹が、実は凶兆の可能性もあると知ったことを前回の記事では触れました。  それはウィキペディアの「虹」の記事の、中世の貴族は虹が確認された時は陰陽道の天文博士にその吉凶を占わせた旨の記述にも明らかですが、虹と龍、市、墓の密接不可分と言ってよい関係に注目すると、このような「虹」の多義性は中世のみならず、古代、果ては縄文時代にまで遡ることができる点にも気付かされました。  龍女トヨタマヒメ(神武天皇の祖母)が市の傍と思われる

          海原の虹霓に続く瑞祥

          「虹」の多義性

          虹の意味  先月17日の相島(福岡県新宮町)の観音遷座際(通称「ドンドンカン」)を拝観するための渡島中に海原を這うような虹を目にしたことについて、今年は神宮寺の中澤慶輝住職の急逝により従来の賑やかな形では行なわれなかったものの、島民の方々が直接体験した観音様の不思議なご利益の話を耳にしたり、私自身も不思議な体験をしたりで、この虹の出現は何を意味していたのだろうか?と自問することになった旨を前回は述べました。  そこで「虹」について改めて調べてみると、以前「龍神考」で論考

          「虹」の多義性

          海原を這う虹龍

          神仏との感応を示すシンクロニシティ  社寺への参詣や神事・法要の前後や最中に急に風が吹く、にわか雨が降る、虹や彩雲、尾を長く曳く雲が現れる等々の自然現象を、神仏との感応による奇瑞とする考え方は、神職が修祓(しゅばつ)で大麻(おおぬさ)を振って風を起こし、塩湯(えんとう)を榊の葉で振りかける所作、仏教では仏菩薩との結縁・修行の節目の儀式が頭頂に霊水を潅ぐ行為に由来する「灌頂(かんじょう)」と呼ばれること、重要なお祭りに五色の反物が奉納され、五色の幔幕が張られたりすることな

          海原を這う虹龍

          博多のにわか雨と「水平虹」

          「奇跡」は信仰思想の暗号  奇跡は信仰において重要不可欠な要素です。  ごく稀な現象や出来事、またはまったく非現実的と思われることも聖典、経典、社寺の由緒・縁起や関係人物にまつわる伝説などの形で伝えられてきています。  お釈迦様は、母親の右脇からご誕生後、すぐに七歩歩いて「天上天下唯我独尊」という意味の言葉を発せられたことに始まり、その人生において数々の奇跡を現出されます。  イエス・キリストは母親が処女のまま懐胎してご誕生になり、磔刑の最期を迎えた三日後に「復活

          博多のにわか雨と「水平虹」

          +11

          平家所縁の地から約66km先に見えた沖ノ島と「出雲」に思う(2024年5月18日撮影写真11枚)

          ¥300

          平家所縁の地から約66km先に見えた沖ノ島と「出雲」に思う(2024年5月18日撮影写真11枚)

          ¥300
          +10

          日本の國體と相反する「常世」

          天孫降臨前の国作りをされた大国主命 大国主命は天孫降臨前の統治者 「龍神考(29) ー「田」が示す天孫降臨前史ー」など一連の記事で、大国主命が天孫降臨以前のわが国の統治者を暗示する神格であることに言及しました。  そこで、天照大御神のご子孫への国譲りの条件として建立された出雲大社の本殿が「田」の字形に仕切られていることの背景に、「田」の字は狩猟・農耕用地の区画に由来し、また狩猟や農耕の意味があることから、それは国土の区画をする存在やそれを行使できる権力者の存在を暗示する

          日本の國體と相反する「常世」

          「龍神考」第一部の締めくくり

           本稿をご覧いただき、またこれまでの「龍神考」やそれ以前の博多の鬼門などを取り上げた一連の記事をお読みくださり、誠にありがとうございます。  特に「スキ」の評価をくださった方々には、拙稿の中にも何がしか有益なものや参考になるものがあったのかも知れないと思うと、評価をいただいたことへの感謝の念と嬉しさもひとしおです。  しかし昨日4月21日投稿の「龍神考(33) ー龍神の直行と蛇行ー」をもって、今年1月から続けてきた「龍神考」を第一部として締めくくることにしました。  前

          「龍神考」第一部の締めくくり

          龍神考(33) ー龍神の直行と蛇行ー

          「遠の朝廷」の表鬼門の立花山と裏鬼門の飯盛山  日本神話において国土や神々をお生みになった伊邪那岐命と伊邪那美命の二神が鎮まると信仰された「二神山(ふたがみやま)」(今の立花山)には、国生みを始める際にお使いになった「天瓊矛(あまのぬほこ)」も一緒に存在するはずだと仮定した上で、黒田日出男著『龍の棲む日本』(岩波新書、2003年)で紹介されている日本=「独鈷」(インドの武器に由来する仏教の法具)とする国土観を参考に、前回までに以下の点に気付かされました。 1)伊邪那岐命と

          龍神考(33) ー龍神の直行と蛇行ー