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弱おじの本棚

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2024年9月の記事一覧

「心に効く美容」〜自分を高める行動は、自分に対する何よりの愛情表現だ〜

「心に効く美容」〜自分を高める行動は、自分に対する何よりの愛情表現だ〜

MEGUMIさんの「心に効く美容」を読んだ。

強い女性というイメージを著者に対して持っていたが、実は繊細で気遣いの人で、弱さを抱えているからこそ並大抵じゃない努力をされているんだと知り、とても共感と尊敬の気持ちを抱いた。

美容のように自分をより良くするための行動は、普段頑張っている自分への何よりの愛情表現だと思う。
私も日々のトレーニングや食事管理を意識して、自分自身を良い状態にしてあげたい。

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生きづらい理由は生きやすい場所にいないから。「め生える」を読んで考えたこと。

生きづらい理由は生きやすい場所にいないから。「め生える」を読んで考えたこと。

高瀬隼子さんの「め生える」を読んだ。

皆がハゲてしまうという斬新な世界設定のフィクションだけれども、「生きやすさ」とか「マイノリティ」とかについて深く考えさせてくれた。

僕はハゲていないのだけれども髪があることが普通とされているこの世界では、ハゲている人はやっぱり辛い。
スキンヘッドにしたり、ハゲをネタにしてみたりして、どうにか折り合いをつけて生きている。

世界が反転したらどうだろう。
ハゲ

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人間の内面を描いた時点でそれはもうSF。「盤上の夜」を読みました。

人間の内面を描いた時点でそれはもうSF。「盤上の夜」を読みました。

宮内悠介さんの「盤上の夜」を読んだ。

将棋や囲碁などのボードゲームを題材にした短編集。
それぞれのゲームを通して、人間の内面であったり人生というものについて深く描かれていてとても面白い。

本書はSF大賞も取られているとのこと。
え、SF?これってSFなの?と感じたが、SFという言葉を調べてみると「空想的な小説」という意味があるらしい。

リアルな世界をもとに、人間の心という空想的な世界を描いた

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自分探しという最上のエンタメ。「シソンヌじろうの自分探し」を読みました。

自分探しという最上のエンタメ。「シソンヌじろうの自分探し」を読みました。

シソンヌじろうさんの「シソンヌじろうの自分探し」を読んだ。

故郷の青森県弘前市での思い出を遡り、自身のルーツを考えていくエッセイ集。
故郷への感謝とか、懐かしい記憶が蘇ってなんだかエモくなれました。

今いる自分を作ってくれたのは、関わってきた土地、人のおかげである。
そこに対する感謝は忘れずにいたい。
たとえ綺麗な思い出だけじゃないにしろ。

これからも、様々な場所へ行き、様々な人と会うのだろ

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登山とは人生であり、人生とは登山であり。「残照の頂」を読んで。

登山とは人生であり、人生とは登山であり。「残照の頂」を読んで。

湊かなえさんの「残照の頂」を読んだ。

登山と人生。
よく対比される二つ。

様々な思いを抱えながら、山を登る人々。
みんな色々ある。
そう思えるだけで、力強く、明日へと踏み出す力をもらえる。

登山の季節がやってくる。
一歩一歩、無心で歩みを進めていく。
山に登らずとも、皆が山を登っているのかもしれない。

登っていく自分を労っていこう。
他人を見下すのではなく、共に人生という山に挑む仲間として

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依存をしないために自立をしなきゃ。「盲目的な恋と友情」を読んで感じた人生の難しさ。

依存をしないために自立をしなきゃ。「盲目的な恋と友情」を読んで感じた人生の難しさ。

辻村深月さんの「盲目的な恋と友情」を読んだ。

他者への依存をテーマにした作品で、怖いな、と同時に、わかるな、と感じた。

人は弱い生き物だ。
自分に足りない部分を、何かで埋めなくては生きていけない。

だから酒を飲む。
ギャンブルにハマる。
タバコを吸い、時にはいけない薬なんかにも手を出す。
いわば、依存だ。

人への依存は、その最たるものかもしれない。
満たされない。認められたい。この世界に自

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