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弱おじの本棚

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2024年5月の記事一覧

言葉に乗っかる生き様がかっこいい。 〜「シャーロックホームズの凱旋」を読みました〜

言葉に乗っかる生き様がかっこいい。 〜「シャーロックホームズの凱旋」を読みました〜

森見登美彦さんの「シャーロックホームズの凱旋」を読んだ。

本書の大きなテーマは「スランプ」
実際、作者の森見さんはスランプに苦しんでいて、本作が久しぶりの作品であるとのこと。

そのスランプを乗り越えた先に生まれた本作は、まさに凱旋と呼ぶのに相応しく素晴らしい。

物語の途中で世界がグルンと回転する感覚。
言葉だけでこの世界観を表現するのって、良い意味で人間離れしている。

主人公に自分を投影す

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「ハヤブサ消防団」を読みました。

「ハヤブサ消防団」を読みました。

池井戸潤さんの「ハヤブサ消防団」を読んだ。
テレビドラマでもやっていたけど、そっちは観ていない。
あえて小説で読む。
そんな自分が嫌いではない。

久しぶりの池井戸さん作品。
やっぱり面白い。流石すぎる。
読んでいて飽きがこないし、信頼してページを捲ることができる。一抹の不安さえ与えてくれない。そんじょそこらの一番人気の馬よりも信頼度が高い。

ざっくり感想を述べると、全然思ってたストーリーと違っ

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僕の世界観が少し広がった。 〜「尾崎世界観対談集」を読んで〜

僕の世界観が少し広がった。 〜「尾崎世界観対談集」を読んで〜

尾崎世界観さんの対談集、「身のある話と、歯に詰まるワタシ」を読んだ。

他人と会話を交わすことで、自らの考えが少しずつ変わっていく。
それはとても面白いことだなと思った。
影響を与え、与えられながら生きていく。それが人間であり人生。

言葉にすることの力も感じさせてくれた。
尾崎さんは小説も書かれている。
日頃感じる生きづらさや葛藤、悲しみや怒りを歌詞や文学へと昇華し、誰かの人生に影響を与えている

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外山薫さんという作家との出会い 〜「君の背中に見た夢は」を読んで〜

外山薫さんという作家との出会い 〜「君の背中に見た夢は」を読んで〜

外山薫さんの「君の背中に見た夢は」を読んだ。
小学受験をテーマにした物語で、家族の葛藤や一つの目標に向かって共に歩む素晴らしさ、周囲との比較、様々な感情を味わうことができた。色々あるが、前向きな終結を迎えている点もすごく心地よい。

読後、作家の外山薫さんについて調べてみた。
どうやら専業の作家さんではなく、会社員と二足のわらじを履かれているとのこと。

素晴らしい人生だなと思った。
本書の物語に

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そっか。人生ってゲームやん。〜「ロングゲーム」を読んで感じた3つのこと〜

そっか。人生ってゲームやん。〜「ロングゲーム」を読んで感じた3つのこと〜

ドリー・クラークさんの「ロングゲーム」を読んだ。メンタリストDAIGOが推薦していて知った本。

結論。読んでよかった。
人生について深く考えるきっかけをくれたし、今自分が満ち足りないのはなぜかを少し理解できた気がする。これから人生という長い長いゲームをプレイしていくのが、楽しみになった。

①人生とはゲームだ。楽しむためにある。

正直、この本の大サビはタイトルに既に書かれている。

人生とはゲ

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仕事と人生と幸せと。 〜「未明の砦」を読んで〜

仕事と人生と幸せと。 〜「未明の砦」を読んで〜

太田愛さんの「未明の砦」を読んだ。

工場の派遣労働者たちのリアル、そしてクソみたいな現状を変えようとする若者たちの姿に、色々と感じるものがあった。

♦︎しんどい人見ると、自分の人生がマシに思えて少し心が軽くなる。

クソみたいな感想ですみません。
でも、実際に抱いてしまった感情なのです。

工事労働者のしんどい実態がリアルに描かれていて、すごく大変だなと思いました。

そして、今の自分は割と恵

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