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東京ヤクルトスワローズ観戦エッセイ

ヤクルトが勝った日も、負けた日も、打った日も、打たれた日も、ノーノーの日も、(ほぼ)毎試合、観戦エッセイをアップします。勝った日は喜びを倍にし、負けた日は悲しみを半分…いや8割……
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2023年7月の記事一覧

【7/28,29横浜戦●◯】日常と、非日常の間で

息子が一人で宮古島にやってきた。去年も、塾の夏期講習があったので一人でやってきたのだけれど、そのときは空港まで夫に送ってもらい、ついでに搭乗口まで送ってもらったので、まあ問題なくやってくることができた。 が、今回は、夫も仕事で家におらず、しかも息子は朝から部活で、部活後に一人で準備してシャトルバスに乗り羽田まで行き、一人でチェックインと保安検査を済ませ、そして一人で飛行機に乗ってやってきた。空港まで迎えに行くと、スーツケースを転がした息子はもはや「がんばって一人で飛行機に乗

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【7/27広島戦●】「苦手意識」は、なんだかずっとあるけれど

私はいまだに、カープ戦となると身構えてしまう。苦手意識が、ぜんぜん抜けていないのだ。去年と一昨年は、たぶん大きく勝ち越していたと思う。でもそうだというのに、その前までのあのぜんっっっっぜん勝てなかった毎日の印象が強すぎて、今でも「カープには勝てない」と、思ってしまう。で、去年も一昨年もそう思い続けた結果、今年また、本当に勝てない年がやってきた。そういったわけで私の中ではずっと、「勝てない相手」なのである。 こういう意識みたいなものは、なんだか不思議だなあ、とは、思う。こんな

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【7/26広島戦◯】明日は晴れますように、と。

にしうら!!!と、友達からLINEが来ていた。私は宮古島中をあちこち歩いていて、まったくスマホを見ておらず大事なニュースにもまったく気づいていなかった。そう、私はいつだって、大事なことに後から気づくのである。 特別な選手だった、と、思う。私にとって、私たち家族にとって。たいしやなおみちは、なんだか、とても特別な選手だったのだ。 松山でどろんこになる姿を見ていたからかもしれない。そのあと、あの時必死でがんばっていた走塁が、実際の試合で生かされるところを見たからかもしれない。

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【7/25広島戦●】AIじゃないんだから!と、むすめは言う。

息子は学校の宿泊研修、夫は仕事、むすめと私はまたもや二人で宮古島へやってきた。もうここ数年、というか10年以上、夏は宮古島で一週間ほどこもって仕事をする。そして、その間、なぜだかだいたいヤクルトは負ける。 昨日は19時頃に宮古島へつき、ホテルに直行し(宮古島というのはそんなに大きな島ではないので、空港に着いて30分後にはもうホテルでチェックインしている、というところが良いところだと思う。)荷物を置いて近所の居酒屋へむすめとでかけた。 そのときには、間違いなく、3-1でヤク

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【7/13中日戦●14巨人戦◯】「嫉妬」がよくわからない、けれども。

「これはママの人間的欠陥ではないかとわりかし本気で思ってるんやけど、『嫉妬』というものがいまいち分かってないのよ、たぶんほとんど人に抱いたことがない」という話をすると、息子がめちゃくちゃ食い気味に「わかる・・・・・・・・・!!!!!!!僕も・・・・・・!!!!」と、言ってきた。 ちなみにこの人は部活で熱中症に見事にやられ、なんと2日ほど発熱している。知ってましたか、熱中症って2,3日、熱が続くんこともよくあるんだって。病院連れてって、インフルかコロナかと思ってどきどきしてた

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【7/12中日戦◯】その1本が、打った本人とそして見た誰かの明日の生きる力になりますように

「高津監督は、あとは並木に選球眼を磨いてほしいと言っていましたが」と実況が言うのを聞いて、「選球眼を磨くというのは、これ、難しいんですよね」と、解説の井端さんが言った。「もちろん大事なんですけれど、そう言われることで、特に若手は思い切りの良さが失われたりする」と、言った瞬間、並木くんはセカンドゴロに倒れた。なるほど、こういうことなのか。と、私は思う。 「…と、こんなふうに色々言っていますけれども、こういうのは全部経験ですからね。彼はまだ、大卒の24歳でしたっけ?これからこう

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【7/9阪神戦●,11中日戦●】できないことを知って、そのつらさを知って、思慮深くなる。

毎日あまりの暑くさにあっちからこっちからヘルプがかかる。というか、まあ子どもたちなんですけど、今日は部活帰りの息子から「なんとか駅まで帰ってきたけど熱中症っぽいから途中まで迎えにきてほしい」と連絡がきた。 迎えにきてなんて言われたの生まれて初めてではと思うんですが、なんせ生まれて初めてのヘルプなんで、びっくりしてとにかく近くまで迎えに行った。運転できないので徒歩だけれども。 すると息子がベンチに座って涼んでいた。「部活は休み休みやっててそのときは大丈夫だったんだけど、帰り

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【7/8阪神戦◯】寝室の大スクリーンと、野球。

寝室にpopIn Aladdinというスクリーンを設置していて、アマゾン・プライムやNetflixが観られるのだけれども、スカパーが観られない。どうがんばっても観られない。と、いうわけで、わざわざ、久々のDAZNを契約し(たっかいのに!!!)、このスクリーンで見ることに成功した。 まあおかげで、今日の試合をねこと一緒に大画面で見ることになった。これはなかなか楽しい体験ではあった。ただし、寝室のまあまあ良いスピーカーに接続された球場の音というのは、もはや必要以上にドラマチック

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【7/6横浜戦●】気迫のかっこよさも、しぶいかっこよさも。

あーーーーーーーごはん作りたくない!!!!と、言いながら、いやでも昨日も買ってきたお弁当だったしな…と、のろのろとキッチンに立つ。一度立ってしまえばもはや自動運転のように体は動くもので、鮭を焼き、スナップエンドウときのこのお味噌汁を作り、いい加減調理しないとやばそうなもやしをゆで、ピーマンを焼き、ご飯を炊き、それなりにちゃんと(いやまあ朝ごはんみたいではあるけれども)ごはんを作った。えらい。とんでもなく、えらい。 私がこうやってがんばった日なのであとはなんとかヤクルトさんに

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【7/5横浜戦◯】1万1回目だめで、へとへとになっても。

1万回だめで、へとへとになっても、1万1回目は何か、変わるかもしれない。 と、ドリカムが歌っていた。大学生の頃、ゼミのみんなとカラオケへ行くたび、最後はこの歌をみんなで熱唱した。そしてゼミ仲間だった夫との結婚式の退場の曲も、そういえばこれにした。1万回だめで、へとへとになっても、1万1回目は変わるかもしれない。いい歌詞だ。 1万回だめなことが続くと、誰だってもう1万1回目のことなんて考えられない。でもそこでまだあと1回やった人だけが、1万1回目にたどり着けるのだ。たぶん。

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【7/2広島戦◯,7/4横浜戦◯】ママ友の送別会と、ヤクルトと。

7/2広島戦◯ 大好きな大好きなママ友が、オーストラリアに帰国することになった。子どもたちが両方とも同い年で、特に下は女の子同士だったので、保育園の頃からお泊まり会にお呼ばれしたりと、それはそれはむすめの大好きなお友達だった。日曜日は送別会で、お昼から久々にみんなで集まり、わいわいと飲んだ。 オーストラリア出身のその友達は、日本語もおどろくほど堪能で、私との会話もLINEも一切不自由がない。この漢字って難しいかな?これって関西弁の言い回しだから分かりづらいかな?とか一瞬考

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【7/2広島戦◯】神宮というのは、良いものだ。

バックネット裏2階席の最上段というのが私は好きで、よく座る。ここはバックネット裏とはいえ高いところから見下ろすことになるので、球場全体はよく見えるけれども、選手一人ひとりの表情までが見えるわけではない。表情であれば、まちがいなく、テレビの画面越しの方がよくわかる。でもそれでも、静かにじっと見ていると、その小さな動きから、選手たちの心の動きみたいなものがじわじわと伝わってくる、そんな気がするのだ。 今日てっぱちは、ここまで何があってもとにかくなにがなんでも4番を打ちつづけたむ

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【6/30広島戦●】「数打ちゃ当たる」ではない、小さな誇りを抱いて

どこかで歯車がかみあわなくなったのか、もしくは元々かみあわなくなっていたのをだましだましだましやってきたところにっちもさっちも行かなくなってきたのか。考えても仕方ないけれども、なかなか波に乗れず今日もまたずるずると失点していくところを見ると、つい頭を抱えてはあれこれ考えてしまう。そう、考えても仕方ないのだけれど。 つい一週間前に完封をみせてくれたサイスニードがあっというまに打ち込まれる。諸行無常諸法無我。すべてのものは移り変わり、ああこの世はこんなにも厳しい。 それにした

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