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泳げサーモン お前は自由:ノルウェーで養殖サーモンが大脱走


英紙ガーディアンによると、北欧ノルウェー沿岸で養殖サーモン約2万7千匹が逃げ出し、逃げたサーモンを捕獲した漁師には世界最大級の水産会社が懸賞金を出す事態となっています。養殖種が在来種と交雑することで、生態系に深刻な影響が出るのではと危惧されています。

サーモン捕獲作戦

問題を起こしたモウイ社は、世界に流通するサーモンの約20%を養殖している世界最大級の水産会社です。およそ10万5千匹を巨大な生け簀で養殖していましたが、荒天の影響で生け簀の外枠が損傷。確認したところ、約4分の1のサーモンが見当たらなかったそうです。担当省庁に報告したモウイ社は逃げ出したサーモンを捕まえるよう指示を受け、地元の漁師たちに捕獲を依頼。1匹捕獲するごとに500ノルウェー・クローネ、日本円にして約7000円の報奨金を支払うと発表しました。

サーモンの見分け方

漁業にも魚の生態にも詳しくない筆者は、養殖サーモンと天然サーモンを見分けられません。熟練の猟師ならば、見分けられるのでしょうか。まさか、「おい!お前どこのサーモンや?!どっから来た?!」と聞くわけでもないと思います。それとも、養殖をしていたモウイ社の担当者なら、一目見ただけでそれと分かるのでしょうか。「花子、三郎、よく帰って来てくれた。お前たち、さぞや心細かっただろう。もう安心だ。そういえば次郎丸の姿が見えないが、お前たち一緒じゃないのか?え?アザラシに!?そんなまさか...。」というドラマが繰り広げられるとも思えません。見た目で分かりづらいなら、食べてみるのでしょうか。「この脂の乗り具合、天然ですな。残念ながらハズレです。」と、1匹捕まえるごとに美食家が検分するのでしょうか。

サーモンリスク

しかし、事態はそう能天気なものでもないようです。養殖サーモンと天然サーモンが産卵場所を奪い合った結果、天然サーモンにサケジラミという寄生虫が移り、感染症が広がるリスクがあるそうです。また、養殖サーモンが天然サーモンと交配し、遺伝子を変えてしまう可能性も懸念されています。こうした交配から生まれた子孫は環境に適応できず、自然界での生存率が低いことが科学的に証明されているそうです。どちらの場合も、生態系に大きな悪影響を及ぼすことになります。
それにしても、天然サーモンが平和に暮らしていた環境に異なる種が入り込んだ結果、元から住んでいた在来種が割を食ってしまうのはなかなか考えさせられます。埼玉県の川口市では、クルド人たちが起こす問題が深刻化した結果、ついに日本人の人口減少数が外国人の人口増加数を上回ってしまいました。つまり、クルド人を主とする外国人の人口が増え続ける一方で、治安や生活環境の悪化などを理由に転出する日本人が増えてしまったということになります。

サーモン御殿も夢じゃない

ノルウェーの豊かな自然が育む生態系を守れるかどうか、すべては地元の漁師たちの腕にかかっています。2万7千匹すべてを捕まえると、日本円で約1億9千万円になります。我こそはと思う方は、挑戦してみるのもいいのではないでしょうか。ここは日本が誇る魚類最終兵器、さかなクンさんの出番かもしれません。

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