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詩作品まとめ

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#夏

【短歌】瞬きのようなもの。

【短歌】瞬きのようなもの。

拝啓、みずうみへ。

大切なみんなのためにぼくは目とことばを注ぐ 春のみずうみ

桜から伸びる両手を頸にかけ ぼくもぼくとてすこしずつ散る

どのように切ってもいいよと君が言い ちょきりとずれた夏の遠景

おしまいを抱えていつか花束になってしまえる 空が高いね

ないよりも、あるほうが怖い。わたしたち、だから生きてて夏に似合うね。

感情はどうやらぼくを支配したい、頭蓋を脱いで、いま空が高い。

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【詩】翡翠の少女

【詩】翡翠の少女

翡翠の少女が
長髪を涼ませる
その 川下に
一輪の花が 咲いた

私がそれを
摘み取り
彼女に見せる と
血色のよい
すべらかな舌は
一枚 また一枚
ていねい に
花弁をちぎっては
喉の奥へ しまい込む

刹那
心臓へ
頬の血潮 が
燃え移るのを
知覚 した

どくどく 

止まない
せせらぎは
驟雨の ようで
私は
血生臭い
世界の裏側 を
ざらついた感触
と ともに
垣間見た

花弁を
失く

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【詩】夏の透影

【詩】夏の透影

 

時折
人はじぶんの影を見つめている
そういうとき
人は海のにおいをまとい
どこか遠くまで行ってしまいそうな気配に
わたしはとても怖くなる

瞳のうちにうろんな火を燃やし
星を墓標として汽車に乗った少年たちがいた
あの子たちの哀切はどこから訪ね来るのか
わたしたちを通り過ぎてなお
ホームには潮騒が響いて
その風を通すのは
胸にあいた硝子窓
どうしようもなく光が透ってゆくので
わたしたちの感傷は

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