- 運営しているクリエイター
#筆記具
その6:万年筆の試し書き
近年の鉄ペンは金ペンに劣らぬ書き味になっているという話をネットで目にしたので、パイロットのコンバーターを買いに百貨店の万年筆売場へ赴いた際、鉄ペンの万年筆の試し書きもさせてもらった。
これには個体差もあるだろうから私見があくまでになるが、これまで鉄ペンを愛用したことがない私にはやはり硬さが気になってしまい、ちょっと厳しいと感じて購入を控えた。ただ今回はそれが話題じゃない。
ある程度の本数の万年筆を
その8:名探偵と万年筆
昨年の七月上旬、何気に目にした万年筆好きな方のSNSの投稿に驚いた。
昨年のモンブラン社の作家シリーズが、英国の作家コナン・ドイルのモデルと言うじゃないか。
ドイルについては言うまでもない。19世紀末に霧の街ロンドンを駆け抜けた名探偵シャーロック・ホームズを創作した小説家だ。
件の万年筆は、キャップのクリップにホームズの拡大鏡があしらわれ、もはやドイルモデルなのかホームズモデルなのかと苦笑したが、
その4:ペンは剣より強し
「万年筆は男の武器である」と説くのは、池波正太郎の『男の作法』(新潮文庫)だ。
万年筆を男が外へ持ち出す場合、それは刀のような武器であり、若者でも高級なものを持ったほうが立派に見えるし、気持ちとしてもキリッとすると言うのが理由。
日本の武術には、江戸時代初期に夢想権之助勝吉という武芸者が編み出した神道夢想流から始まる杖術というものがある。
日常で使う杖で戦う武術であるが、では同じく日常で用いられる
その9:付喪神と万年筆
かの『御伽草子』に出てくる「付喪神」は、長い歳月を経ることで物に宿る精霊や妖(あやかし)のこと。付喪神は「九十九神(つくもがみ)」と書かれることもあり、「積み重ねた長い時間」という99年や「多種多様な物」という99種の意味合いから、物に付喪神が宿るまでの歳月はおよそ100年とされる。そのため付喪神を忌み嫌う人々は、年の瀬の煤払いの際にこぞって古い道具を捨ててきた。
とは言え、付喪神は人を襲う荒ぶる