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雑記

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書き残したいことを書き残したいように、雑記的な。
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#詩

普通さえなくなれば

普通であれば、僕は保障される。

普通さえなくなれば、私はもっと自由になれる。

普通が僕を癒してきた。だから僕は普通に安堵する。

普通が私を苦しめてきた。だから私は普通に挑戦する。

普通への挑戦者があわられた。彼女は普通に苦しめられたと嘆いた。

普通であることで幸福な人と出会った。彼は普通に救われてきたと告白した。

僕は普通を更新したくなかった。僕を癒してくれた普通を手放したくなかった。

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人は忘れる生き物だ

人は忘れる生き物だ

人は忘れる生き物だ。

あったことをなかったことにして、なかったことをあったことにして。素敵に飾る生き物である。

あれは素敵な恋だったのか。そもそも恋だったのか。知り合っていたのかいないのか。

夢か現かわからぬままに今日も歩いているのだろう。

夏が来るぞおおおお

夏が来るぞおおおお

みなさん、夏が、きます。

夏!!夏だ!!カモン!
夏が来るぞおおおお!!

夏ってこんな感じの季節です。
夏は「くるぞ」って感じです。

秋はどんな感じでしょうね、秋は、「きたね」って感じじゃないかなぁとか思っています。

冬は「くるね」って感じなんじゃないでしょうか。しっとりと、そして穏やかに。冬は、終わりのための身支度といったイメージがなんとも抜けません。

春も「くるね」って感じがします。

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碧空

碧空

彼は夢見がちな人だった。

宇宙飛行士に憧れていて、彼と話すといつもその話ばかりだった。

「俺はさ、この地平線の彼方までずーっと飛んでいきたいんだ」
そうやって彼が言った時、

「どこででもいいから君のそばにいたい」
そう口から出かかって
「そっか」と言い直した。

昧爽

昧爽

空が白んできた。

山の上だからだろうか、少し肌寒い。

あと少し…あと少し…と懸命に登ってきた。どこまで続くかも、なぜここにいるのかすら知らされぬ山道を。

ここにたどり着くまでどれほどの時が経ったのだろう。とても長かったような気もするし、あっという間だったような気もする。

あー帰りたい。

そう本音がこぼれた時、地平線の向こう側から全身を暖かさが包んでいた。

とても、暖かかった。

昧爽の

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夢

私は私だけのトキを歩んでいる。

一度きりの人生の中で、多様なトキを何度も何度も生きている。

それは目を閉じるたびに訪れ、目を開けるたびに去っていく。

ここは本当の世界なのか?と問いながら。

生

私は今生きている。

地に足をつけ、天を仰ぎながら、大きく息を吸いこんだ。

星降る夜に、目を見開いて。

私は今生きている。

詩作に興味はなかったのだけど

詩作に興味はなかったのだけど

昨日、小林秀雄『学生の対話』を読んでいて、和歌が出てきた。

敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花

という歌が出てきて、「ああ、なるほど」とストンと落ちた感覚がある。この「ああ、なるほど」という感覚はどうにも表現しがたいのだけど、このようにしかどうにも言いあわらせないのである。

今までも百人一首の解説を読んだり、一通り古文の授業も受けてきたわけだから、詩を感じる機会がなかったわけではないが、

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