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子育てしやすい国を目指すのが真の保守

日本の中高年の中には蛇蝎のごとく子供を嫌っている人が一定数存在する。だからコロナの時に「老人を守るために子供はマスクしろ」が支配的になり、下校中マスクしない子を殴りつける老人もいた。「子供の呼吸が感染源」などと公言する都道府県知事もいたりしたが、もちろんそれ以前からも子育てママや妊婦、子供に対する嫌がらせは根深くある。

新幹線や飛行機で赤ちゃんがうるさいとか、ベビーカーで電車のるなとか、ベビーカーが邪魔だとわざと蹴ってきたりとか、泣いてる赤ちゃんや妊婦に舌打ちしたりとか。子供の声がうるさいとクレームつけて公園や保育園を閉鎖に追い込んだりとか、「子連れ様」などと揶揄したりとか。挙げれば色々きりがないが、とにかくこの国の社会にとって「ママと子供」は歓迎されざる存在になってる面がある。

そんな状態の中で「子どもは欲しくない」という若い人が増えるのは当たり前の話だし、こういうクレーマーの執拗なイチャモンと現行の結婚制度が少子化の元凶でもある。「ママと子供」を邪魔者にしておいて、少子化を語り国を憂う資格などありはしない。昔は大家族や三世代同居が多くて共同体も機能していたから、社会全体で子供を育てている感が強かったわけだが、今はそれを一人のママが背負わなければならなくなっている。昔よりママの負担は大きいわけだが、それを全く理解する気もない者が多いから日本の少子化はますます止まらない。

それに加え明治以来の家父長制の残滓である男尊女卑が社会に根深く残っているものだから、クレーマーたちは生命を生み育む女性に対する敬意をハナから何も持っていない。他人の子でもいずれはその子らが成長して社会を牽引し、その社会の中で自分が老人として介護される側になるかもしれないとは想像すらできない。尚、江戸時代までは男尊女卑でなく、今でいう「イクメン」が普通だったので、近年「イクメン」と言われるのは実は新奇な風潮ではなく、むしろ日本の真の伝統に適った存在と言える。

男尊女卑を排し真の伝統に回帰し、日本が子育てしやすい国を目指さないのなら人口維持のために移民をがんがん入れるしかなくなり、そうなれば今ですら凄いのにますます社会が不安定化し、排外主義も跋扈することになる。子育てママたちは国の未来を創ってもいるのであり、どんな権力者や資産家よりも彼女らこそが日本に貢献してる尊い存在であることに、この国の男たちはもっともっと気づけなければいけない。

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