読書記録79 2024年5月の本まとめ

古典を読みたい!の宣言通り、今月はかなり古典、の入門編を読んだ月です。
まだまだ原著には辿り着けないので、6月こそ挑戦。

1.『私たちの想像力は資本主義を超えるか』(2023)大澤真幸

フラヌール書店でつい買った。一瞬売りに出そうと思ったが、読み切ってよかった。
『おそ松くん』『おそ松さん』から、ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が紐解かれ、「ベルーフ」の概念について学べる。
『君の名は。』から、恋愛の描かれ方や都市と地方の考え方、共同体の概念が読み取れる。ぼーっとみているアニメや、流行っているからとなんとなくみた映画から、こんな面白い分析ができるなんてとても驚いたし、こうやって古典を引用して現代の作品に当てはめられたら楽しいだろうと思った。一回で理解しきるのは難しかったので、また読みたい。

2.『古典力』(2012)齋藤孝

古典に挑戦したいと思って、図書館で見つけた本。古典の読み方やおすすめの本50冊+50冊が紹介されており、古典の入り口に立つにはちょうど良かった。ここからの道のりは長そうだが、せっかく大学院生活で時間があるので何冊かは読みたいと思う。古典を読むための十カ条は役に立ちそう。

3.『編集者の読書論』(2023)駒井稔

副題が「面白い本の見つけ方、教えます」で思わず読んでしまった。世界の編集者が書いた本や作家の読書論を次から次へと紹介し、さながらラジオのような本。色々な名作や、あまり名の知られていない編集者の本を一気に知ることができて、読書の幅が広がりそう。前述した『古典力』と合わせて、読みたい本がわんさか出てきた。大作家(例えばトルストイやドストエフスキー)の長編に挑戦する前に、短編や中編小説を読むといいというアドバイスは腑に落ちたので実践してみたい。

4.『本をどう読むのか』(2019)岸見一郎

タイトル通り本をどう読んできたのかのエッセイ的な本。あまり感想なし。

5.『100分de名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』2023年10月』(2023)山本芳久

『ニコマコス倫理学』はCOTENの深井さんがYoutubeで紹介していてずっと気になっていた。原著を読むと挫折しそうだったので、まずは100分で名著から。全10巻の『ニコマコス倫理学』を4回で説明していて、どの回もとても興味深い内容だった。ぜひ原著に挑戦してみようと思った。アリストテレスの哲学は腑に落ちやすいというか理解しやすいし、最高の幸福と定義されている「観照」の状態が私の思う幸福の状態と近いので共感しやすい。心の余裕を持って充実した日々を送りたい。

6.『アリストテレスの人生相談』(2015)小林正弥

5の本と同時並行で読んだことで、より理解が深まった。こちらの本も原著の展開通りに解説+人生相談形式でアリストテレスの考えを紹介してくれているので、とても読みやすい。「人は善き生き方をすることによって幸福になる」のだそうだ。サークルの先輩で座右の銘が「善く生きる」だった人がいて、今となってようやく少し理解できるような気がする。

7.『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』(2023)幡野広志

読んでよかった。一眼レフを高校生の時に購入し、ハマったり飽きたりを繰り返していたのだが、この本を読んでカメラ生活を再開しようと思った。SDカードの容量がもったいないからといってJPEGで撮影していたことをかなり悔やむ。というのも、本書の中ではRAW撮影一択で話が進んでいくので、この前遊びに行った時RAWで撮影してみた。あとで現像するから、構図だけ決めて撮影すればいいのでとても楽しい。今までホワイトバランスやISO感度をいじって何枚も撮影していたのが、一発でOKになる。家に帰って現像ソフト(今は無料の)で現像すると、この作業も楽しい。トリミングや色調の違いでこうも印象が変わるのか!と実感。今までのカメラはなんだったんだーというくらいの気持ちになった。技術面だけでなく、被写体との距離感や心構えについても書かれているのでとてもおすすめの本。

8.『NHK「100分de名著」ブックス 孔子 論語』(2012)佐久協

国語の授業で暗唱して、リズムが良くていいなと思っていた論語。アリストテレスの本を読んでいて、論語との比較がよく出てくるためこちらも挑戦したいと思っている。並んでいる順番が適当で、解説が膨大という情報をゲットしたので、原著で初めから順番に読むことはやめてパラパラと眺めようと思った。アリストテレスが幸福を追求したのに対し、論語では幸福の概念がそれほど重視されないらしい。孔子の人生があまり幸福とは言えないものだったからなのだろうか?

9.『NHK「100分de名著」ブックス 世阿弥 風姿花伝』(2015)土屋恵一郎

オードリー若林とナンチャンの共通言語、それは能。ナンチャンにひたすら能を習うことを勧められ、断り続けるというトークをよくしていた。若林が風姿花伝を読んで、芸能について考えたというトークもラジオでしていて、興味を持っていた。この解説本を読むと、風姿花伝は芸能の世界だけでなく、会社や大学でも通じる内容だとわかる。原著も読みやすいそうなので、来月挑戦しようと思う。

入門編で読んだ古典はどれも面白そうで、原著を読むのがワクワク!

かしこ

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