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痛み無くご飯が食べれることって喜ばしい!

私は小学6年生から約3年間もの間、矯正治療をしていた。前歯が特に出っ歯だった歯は今ではもう面影もない。ぐちゃぐちゃに並んだ歯も今では整えられて並んでいる。今だからこそ「良かった」と思えるけれど、当時はそれはもう大変で歯が原因で泣きたくなるような日も多かった。でもだからこそ、今でも歯を大事にしようとしっかり歯磨きをしているのかもしれない。

父と母、どちらが言い出したのか分からない。ただ、私にとっては突然、矯正歯科に連れていかれ、すぐに矯正治療がはじまった。歯の写真を撮ったと思ったらすぐに針金が口の中に巡らせられた。全ての歯に取り外し不可能な器具が付けられた。ただ説明を聞くしか無かった私は、とりあえずは真剣に話を聞いた。そして次の日から猛烈な痛みがくるなんてまだ知る由もなかった。

器具を設置した次の日、朝起きてから歯に違和感を覚えた。なんだか痛い。それは朝ごはんを食べて明確になった。「痛い、痛すぎる」とてもご飯なんて食べられなかった。あれだけ好きな食事の時間も徐々に地獄の時間になった。噛めないのだ。歯が浮いているのに締め付けられるような痛みに、豆腐でさえ噛むのが痛かった。

ちょうど夏にはじめ、器具をつけてから1週間の間に夏祭りもあった。でも痛くてそれどころでない。あんなに楽しくなかった夏祭りはない。

食べるのが痛くて、痛いがために食べたくなくて、泣きながらご飯を食べた。それでも痛くても、訳も分からず聴いていた歯磨きの方法だけはしっかり守った。

矯正治療をしていた当時、私は4本の歯ブラシを使って歯磨きをしていた。矯正器具を気にせずに磨ける凹型のハブラシ。歯と器具の境目を狙って磨く凸型歯ブラシ。噛み合わせや裏側を磨くための普通の歯ブラシ。そして一点を狙った突起のような歯ブラシ。1回あたり5分もの時間をかけて、1日2回、毎日歯を磨いた。

痛みは1週間、慣れてくると3日、最終的には1日まで減った。それでも痛い日は歯医者に行く月1ある。痛みにこらえながらもご飯を食べ、5分かけて歯を磨く。

加えて私は歯並びを治すために合計4本の歯を抜いた。チクッと麻酔を打ち、気がついたら大人の歯な抜かれ「これが抜いた歯だよ〜」と見せられる。これを4回行った。麻酔も打つと、打った箇所が気になって口の中を噛み、血だらけになったこともあった。

とにかく痛みと違和感とめんどくさい歯磨きとの戦いだった。さらには中学生で吹奏楽部だった私は、吹くのも大変だった。少し噛むようにして構えるサックスは、構えるだけで痛いのだ。大好きな部活でさえ、月一で苦しんだ。

そうしてようやく、今の綺麗に並ぶ歯を手に入れた。そのあとも時々自分の歯型の装置を装着して動かないようにしている。とにかく手間がかかってめんどくさい。

最初は矯正治療にかかるお金に驚愕して、真面目に取り組んでいたも、だんだんと揃ってくる歯を実感して、出っ歯が内側に入り、顔つきが変わったことで、大変だったけれど進めてくれた親にそれはそれは感謝した。

そうやって苦労して、めんどくさいを乗り越えて手にしたのが私の今の歯と歯並びだ。矯正治療期間は食べ物が装置に引っかかることが多いため、虫歯も増えると聞いていたが、今日この日まで虫歯ゼロできている。

歯が痛すぎて食べることさえままならなかった日があったからこそ、自分の歯並びや顔つきが変わるのを見てきたからこそ、歯の大切は痛いほど分かる。矯正をしなかったり、虫歯がなかったり少ない人には共感しがたい感覚だと思うが、歯になにもトラブル無く、痛みなく、美味しくご飯を食べられることは人生の喜びとまで言っても言い過ぎではないと思う。それほど歯の健康は心や身体に影響してくる。

こんなことを言っても、やっぱり共感はなかなか得られないので、私は私の歯を大切に今日も真面目に歯磨きをする。たかが歯磨き、されど歯磨きなのだ。

一生この歯で美味しいご飯を食べるために、歯磨きをしよう。

#いい歯のために

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葵月みず
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