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風花 朋(Kazahana Tomo)
2022年3月21日 14:23
別にそんな壮絶な虐待をされていたわけではない。ただ強制的に勉強させられて、したくないと駄々をこねると怒鳴り散らすから、その恐怖から言うことを聞いて勉強するしかなかった。それ以外にも、日常生活のなかで父の思い通りに動かないことがあると、怒鳴られ、時に平手打ちをくらった。10代後半の姉たちはもっと殴られ、蹴られたりしていたそうだ。あまりの殺意に包丁を向けたこともあると話していた。そんなことが日
2022年3月14日 17:14
「お父さん」ときどきふと思い出しては、その言葉を声に出して言ってみる。すると私の発したその「お父さん」という言葉は、ふわふわと当て所なく宙を彷徨い、終いにはスーッとどこかへ消え去ってしまうのだった。いつもこうだ。何が言いたいかというと、私のなかで「お父さん」という言葉は、実感を伴わない、とてもふわふわとした中身のない言葉なのである、ということだ。「お父さん」と実際に会ったのは小学
2022年2月13日 14:34
私を傷つけたのは、なにも父だけというわけではない。両親が別居することも、そして引っ越す先も、すべてが決まってあとで言われるだけ。のちに正式に離婚したことも、その後数年経ってから知らされた。当時私はまだ小学生だったから、仕方のないことだとは思う。しかし小学生だからこそ、きちんとした説明がほしかった。引っ越すことによって友人と離れてしまう不安。誰も知ってる人のいない中学校へ進学しなくてはならな
2021年8月29日 13:38
父について語ることは容易ではない。あまりに思うことがありすぎる。普段の生活のなかで父のことを思い出すことはほぼないが、ふとした瞬間に思い出したときの、あの苦々しいような重苦しいような、そんな気持ちはたぶん一生消えないのだろう。私が9歳のとき両親は別居。10歳のとき離婚。父と最後に面と向かって会ったのは12歳。その後、19歳のときに一度電話で話すも、そこからは一切連絡を取ることもなく、私が2