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HSPの人にこそ知って欲しいアドラー心理学

こんにちは、モンブランひとみです。

みなさんはHSPという言葉を知っていますか?

HSP(Highly Sensitive Person)とは、感覚や感受性が敏感な人のことを指します。
最近は「繊細さん」などとも呼ばれ、耳にすることも増えました。

HSPの特性を持つ人は全人口の15~20%程いると言われており、「自分はHSPだ」と感じている人も多いと思います。

今日はそんなHSPの人が生きやすくなる
「アドラー心理学」の言葉をご紹介します。

・人間関係で疲れている
・いつも人からの評価が気になってしまう
・自分らしく生きられていない感じがして苦しい

そんな人のヒントになれば幸いです。

1.HSPってなあに?

HSPはHighly Sensitive Person(ハイセンシティブパーソン)の略で、感覚や感受性が敏感な人のことを指します。
エレイン・アローン氏が提唱・研究している概念です。

【HSPの人の特徴って?】

 ・感覚刺激に敏感である
 ・ちょっとした変化に気付きやすい
 ・他人の気分に左右されやすい
 ・神経がすり減りやすい
 ・空想に耽りやすい
 ・同時にたくさんのことを進行できない

などの特徴があります。
私自身も特性がありますし、「自分はHSPの特性がある」と話す友人もたくさんいます。

HSPの人は繊細さゆえに、小さな変化にも気が付きます。
物の配置や、ちょっとした色の変化などであってもです。

それはほとんど無意識で、呼吸をするのと同じ感覚。
常にたくさんの情報を取り込んで処理しているため、知らないうちに脳が疲れていたりします

そんなHSPの特性の中で特に問題になりやすいのは
「周囲の人の機嫌に自分の気分が左右されやすいこと」
ではないでしょうか。

HSPの人は他人の「機嫌の良し悪し」も敏感に察知します。

そのため「自分はどう思われているんだろう」ということに意識が向きがちです。


「あの人今日は機嫌が悪いな。もしかして私が何か失敗したのかな…」と感じてしまうことも。

そういう時って必要以上にビクビクしてしまい、普段ならやらないようなミスをしてより空気を悪くしてしまうんですよね。

正直、とても疲れます。

2.アドラー心理学とは?

そんな風に人の機嫌に左右されて疲れてしまいがちな人へ。

今回はアドラー心理学の「課題の分離」という考え方をお伝えします。

アドラー心理学とは、精神科医であるアルフレッド・アドラーが提唱した心理学です。

ベストセラーになった『嫌われる勇気』(著:岸見一郎・古賀史健/ダイヤモンド社/2013年)でより広く知られるようになった理論です。

今回は『嫌われる勇気』の中からHSPの人が楽になれる言葉・考え方をご紹介します。

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3.すべての悩みは対人関係の悩みである

アドラーは、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言い切っています。

そして他者から承認を求めることを否定しています。

他者から承認される必要などありません。むしろ、承認を求めてはいけない。


なぜなら承認欲求を満たすことを目的にすると、自分らしく生きられないからです。

「ほめてくれる人がいなければ、適切な行動をしない」
「罰する人がいなければ、不適切な行動もとる」


アドラーはこのような賞罰教育を批判しています。

私たちは子供の頃から受けてきた賞罰教育の影響で、行動の判断を他者からの承認や評価にゆだねてしまいがちです。

他者からの承認を求め、他者からの評価ばかり気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになります。
あなたは他者の期待を満たすために生きているのではないし、わたしも他者の期待を満たすために生きているのではない。他者の期待など、満たす必要はないのです。

この言葉に、少なからず衝撃を受ける人もいるのではないでしょうか。

ただ突然他者の期待を満たすことを辞めるように言われても、何を基準に考えれば良いのかわからなくなってしまいます。

4.課題の分離

そこでアドラーは「課題の分離」という考え方を提唱しています。

課題の分離とは、「選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰なのか」という視点で、自分の課題と他人の課題を区別することです。

「他人の課題に踏み込んではいけない」し、
「自分の課題に他人を踏み込ませてもいけない」のです。

例えば…

不機嫌な上司がいます。
上司の機嫌の悪さにビクビクしてしまうあなた。
ついその場の空気を変えなくてはと焦ってしまう。

この例えの中では、
上司が不機嫌なのは相手の課題で、それをなんとしようとすることは相手の課題に踏み込むことです。

相手の課題に踏み込んでしまうと今度は矛先があなたに向いてしまい、より事態が悪化します。

なぜそんなことが起きてしまうのか。

実は「上司が不機嫌な気がして怖い」というのはあなたの主観で見えた世界で、それはあなたが自分の中で解決すべき自分の課題です。

それなのに上司を変えようとしため、

 ①上司の課題に踏み込んだうえ
 ②自分の課題に相手を踏み込ませた

ことになるのです。


怒っている人は、怒りたくて怒っている人です。
勝手に好きでやっている。

それをあなたはどうすることもできない。

上司がどれだけ理不尽な怒りをぶつけてこうようと、それは「わたし」の課題ではない。
理不尽なる感情は、上司自身が始末するべき課題である。
すり寄る必要もないし、自分をまげてまで頭を下げる必要はない。
わたしのなすべきことは、自分の人生に嘘をつくことなく、自分の課題に立ち向かうことなのだ。

自分の課題と他人の課題を線引きできるようになると、心が楽になります。

でも誰だって人から嫌われたくなんてありません。
本文にもこのようにあります。

他者から嫌われたくないと思うこと。これは人間にとって、きわめて自然な欲望であり、衝動です。

その一方で「自由とは、他者から嫌われることである」とも説いています。

あなたが誰かに嫌われているということ。それはあなたが自由を行使し、自由に生きている証であり、自らの方針に従って生きていることのしるしなのです。

不必要に嫌われないよう最善を尽くすことは「あなたの課題」ですが、
その結果をどう受け止めるかは「相手の課題」です。

あなたのことをどう思うかは相手にしか決められない
んです。

それならば。

自分の課題とだけ向き合って、自由に生きてみる。

そんな風に「嫌われる勇気」を持って自分の人生の課題と向き合える頃には、対人関係の悩みも少なくなっています。

5.見返りを求めない

もうひとつ大切なこと。
対人関係でモヤモヤする場面は無意識の「見返り」が影響していることも多いです。

「自分はこんなに与えたのだから、あなたもこれだけ返してくれ、という気持ち」が見返りです。


アドラーは「見返り」を求めることは課題の分離からかけ離れた発想だと言っています。

誰かに何かをしてあげることは「自分の課題」ですが、
それにどんなリアクションをするかは「相手の課題」です。

課題の分離が意識できると、対人関係でのモヤモヤや怒りもなくなります。

6.最後に

アドラー心理学は一般常識からかけ離れた部分もあり、本当の意味で理解できるようになるまで時間がかかると言われています。

しかし自分と他人をしっかり線引きすることは、自分が生きやすくなるだけでなく、相手を尊重することにもなります。

人との関りで疲れてしまう人は、一度『嫌われる勇気』を読んでみてはいかがでしょうか?

最後にひとつ。HSPは医学的診断ではありません。

提唱者のエレイン・アーロン氏も「HSPは病気ではなく生まれ持った特性である」としています。

最近ではHSPの名を使った怪しげなビジネスも存在し、そのために賛否両論ある概念になりつつあります。

今回は「自分の特性や特徴を知ることは生きやすさにつながる」という思いからHSPの概念を取り上げました。


 自分を知りたいと思うこと。
 自分の理解を深めていくこと。
 自分の取り扱いを学ぶこと。

それは「生きやすさ」に繋がります。

自分を知ると自然と、「他の人のことも知りたい」と感じるようになります。
他者に寄り添うきっかけになるんです。

自分を理解し、他者を理解しようと思う。
今回の記事がそんな循環の入り口になれたら嬉しいです。


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