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#157 恐れることなかれ『サブコンシャス・リー』

#リー・コニッツ は玄人好みのジャズマンと昔から言われていて、それは今も変わりはないと思うけれど。

それを、初心者の頃に意気揚々と聞いていたのだから無知というのは怖い。

でも、よく聞いていたのは『アット・ストーリーヴィル』であって、この『サブコンシャス・リー』は、ジャケットはかっこいいものの、あまり「聴きこむ」ほどは聞いてなかった。

ジャケットはめちゃくちゃかっこいいんだけれど、音質が少し嫌だった。録音年代が古いのに「やけに鮮明」で、「やけにリヴァーブがきれい」なので。そこで「ツクリモノ感」を感じてしまったのだ。

これはマスタリング( #OJC (Original Jazz Classics) のリマスタリング)の問題かもしれないとは思ったけれど、別の盤を買って試してみるほど暇ではなかったし、他に聞きたいものがあったから。

同じ理由で、同じプレステッジの『スタン・ゲッツ・カルテット』も愛聴できずにいた。

最近先入観なく聞きなおして、ぶっ飛んだ。すごいなぁと。もっと聞けばよかった。

「ツクリモノ感」も、今聞くと「古びない再構築」を感じるし、「鮮明さ」も、神韻縹渺(しんいんひょうびょう)たる表現のように聞こえる。速い曲ばかり注目しがちだが、バラードにおける、切り詰めた音色の絶妙な表現は、モダンジャズにおける至宝に数えられるだろう。

そして、「マシュマロ」などの早い楽曲における、迷いのない切れ味鋭い素晴らしいアドリブ。この後、リー・コニッツは「間」を意識する演奏を志してゆくように思うけれど、このころは、生理に合った「間」で演奏しているので、さらに彼のアドリブのすごさが、ストレートに伝わってくる。ウォーン・マーシュとの一糸乱れぬアンサンブルも聞き所である。

ある意味、 #チャーリー・パーカー のように頂点に最短距離で駆け上がってしまったリー・コニッツ。この演奏をテーマとして、彼は死ぬまで変奏曲を奏でていたのだというのは、別に批判には当たらないだろう。それくらいの演奏だということ。

恐れず聞いてみるべし。

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