音楽の思い出(mono)

時代に埋もれたCDを救済する私です

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最近の記事

#180 パット・メセニー「The Moon Is A Harsh Mistress」

#パット・メセニー と #チャーリー・ヘイデン による『ミズーリの空高く』は、俺の音楽の聴いてきたCDの中でベストワンであって、前にも書いた。 これに似た音楽がもっと聴きたいと思った俺は、とうとう、不道徳な海賊版に手が伸びてしまった。 前のコラムにも書いたが、「The Moon Is A Harsh Mistress」が死ぬほど好きなのだ。この演奏と心中してもいいと考えている。 その別バージョンが聞ける。 出来は、もちろん、オリジナルのほうがいいが、同じメンバーで同じ

    • #179 スティービー・ワンダー『キー・オブ・ライフ』

      #スティービー・ワンダー の、特に『インナービジョンズ』、『フルフィリングネス・ファースト・フィナーレ』、そしてこの『キー・オブ・ライフ』を聞いた後に、それでも音楽を作ってゆこうと思う作曲家がいるとしたら、相当感性の乏しい作曲家だろう。 これを聞いた後、いったい我々に何が残されているんだろう、と感じるのが普通だ。 それくらい、スティービー・ワンダーの全盛期の仕事は天才としか言いようがない。 『キー・オブ・ライフ』は、全2作と違って、外部のミュージシャンを多用した(前2作

      • #178 シベリウス:交響曲第5番

        #シベリウス は、北国 #フィンランド の作曲家で、その作風は、本当に冷涼なフィンランドの自然を彷彿してやまない。もちろん、それはある程度「自覚的」になされているものなのだろうけどね。 特に、この交響曲第5番は、本当に素晴らしい。春を待つ北国の大地のうごめきや、そこに住む虫や、凍った湖で遊ぶ渡り鳥や鳴き声が聞こえてくるようだ。そして、最後は春の訪れの歓喜が示される。たっぷり間をとった、和音の大合奏は、とてもユニーク。シューマンの交響曲2番の第一楽章の終わりと似ているが、音楽

        • #177 マーラー:交響曲第1番「巨人」

          #マーラー ブームというのがあった。マーラー自身「私の時代が来る」と生前言っていたけれど、確かに来た。 けれど、最近下火なんじゃないかと思う。最近、マーラーを熱く語る人がいなくなったような気がするし、CDもあまり出てないんじゃないかと思う。もちろん、自分もそこまでクラシック熱がなくなったせいもあって、アンテナが鈍くなった部分もあるのかもしれないし、人間が大人になったのか、そういうのが気にならなくなっただけかもしれないし。 ただ、そういう暑苦しいマーラーファンを懐かしく思っ

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        記事

          #176 アルベニス「イベリア」

          最近、アルベニスの「 #イベリア 」にめちゃくちゃはまっている。毎日聞いている。とても素敵。 #アルベニス はスペインの近代の作曲家。1860年に生まれて48歳で亡くなっている。 ピアノがめちゃくちゃうまかっただろうことは曲を聞いてわかる。『イベリア』は、彼の最高傑作と言われていて、古今のピアノ曲でも難曲中の難曲と言われ称される「ラバピエス」を含む、なんてことは最近知ったこと。 「イベリア」はどこもかしこも「水」のきらめきを感じる。透き通った音で当時の活気あるスペインが

          #176 アルベニス「イベリア」

          #175 追悼 デヴィッド・サンボーン

          少し前だけれど、2024年5月12日に、 #デヴィッド・サンボーン がなくなった。78歳。まだ若いと思う。 この一報を聞いたとき、僕は、喪失感、というよりも、とても悲しかった。泣きたいくらいだ。友達のような親しみやすさを感じるミュージシャンだった。 それは、彼のサウンドが、「ジャズ」という枠を飛び出して、「青春の1ページのサントラ」にまでなっていたからだと思う。 うん、まあそれもあるし、まだ新作が普通に出るような気すらするくらい衰えを感じなかったからだ。 悲しい。本当

          #175 追悼 デヴィッド・サンボーン

          #174 The Indigo「Melody」その2

          この作品を聞いて、いろいろ考えることがあったので、まさかの続編を書いてみる。 前のエントリーはこれ。 これの作品は、よくよく聞くと、全体的に同じ曲調やサウンドが続く。よく言えば統一感があり、悪く言えばワンパターン。 プロデュースはと見ると、メンバー自身によるもの。そうだろうなと思う。 自分もグループでCDを作ったことがあった。でもあまり売れなかった。自分のいいというものをとことん追求して作った。きっと、 #The_Indigo もそうだったのだろう。 レーベルが、パ

          #174 The Indigo「Melody」その2

          #173 The Indigo「Melody」

          #キャン★ドゥ で買い物をしていたら、ちょっと素敵な歌が流れてきた。伴奏はシンプルで、エレピの音が心地よい。 キャン★ドゥって、歌謡曲をシンセアレンジにしたのをBGMで流している印象があるので、歌声が聞こえてきて意外だったのかもしれない。 どうしよう、なやんだけれど、ちょっと遅れてスマホをとりだし、グーグルを立ち上げて、その音楽を聞かせる。そうすると、曲を教えてくれるのだ。 昔はといってもつい最近まで「SOUND HOUND」だったっけ、そんなアプリを使っていた。いまじ

          #173 The Indigo「Melody」

          #172 マイトガイ 小林旭

          #小林旭 がけがをしたという。 でも、本日のコンサートに向けて頑張っているらしい。無事開かれるのだろうか。 私は参戦できないけれど、5年前くらいのコンサートに参戦した。そのこともnoteに書いた。 その時は、驚くほどまだまだ身軽で元気だった。YouTubeでの最近のコンサートの動画を見たけれど、終焉後は車いすに乗っていた。それでもステージに立ち続ける姿は、感動を誘う。 まさに、マイトガイ。マイトガイとは「ダイナマイト=ガイ」の略なのだろう。そして、その名前の由来となっ

          #172 マイトガイ 小林旭

          #171 涙のシェリー・フェブレー

          60年代のアメリカンポップスって簡単に人は言うけれど、その典型の歌手っていったい何?と問われると、何とも言えないのではないか。 自分は、 #ロネッツ ですか?とすっとぼけた答えしか出てこなそうだ。 しかし、最近 #シェリー・フェブレー という歌手を知って、あぁ、これこそ60年代ポップスの典型かもしれないな、と思うようになりました。 60年代ポップスとは何か。それは ・歌手が素人っぽく ・作家陣は豪華で ・ビートが多岐にわたり ・50年代のイージーリスニングの編曲を引きず

          #171 涙のシェリー・フェブレー

          #170 SEPIA'N ROSES「君がいたHoly Night」

          母は教師だった。 中学生になって、音楽に興味を持ち出した息子(私)のことを、母が学校で言ったのだろう。学生が「これを息子に聞かせなさい」と貸してくれたのが、この #セピアン・ローゼス というバンド?の「君がいたHoly Night」と、  #チャゲアス の『GUYS』だった。まったくもっておせっかいな人はいるもの。 チャゲアスはもう好きだったので、『GUYS』はもちろん聞いたのだけれど、このまったく知らない「セピアン・ローゼス」というこの曲も、結構好きになってしまった。作

          #170 SEPIA'N ROSES「君がいたHoly Night」

          #169 エルヴィス・プレスリー「マイ・ウェイ」

           先日、 #西田敏行 さんの記事を書いたときに、 #エルヴィス・プレスリー のことを書いたら、頭から、エルヴィスの歌声が離れなくなってしまったので、エルヴィスの思い出を、と。 エルヴィスの名前は、どこで知ったのだろう、たぶん、 #ジョン・レノン が影響を受けた人、ということで知ったのだと思う。 同時期に、たぶんラジオかどこかで「マイ・ウェイ」という曲が流れてきて、そのメロディがすごく気に入った。けれど歌手名がわからなかった。父に「マイ・ウェイ」を歌っているのはだれか?と尋

          #169 エルヴィス・プレスリー「マイ・ウェイ」

          #168 西田敏行「ロンリー・ティーンエイジ・アイドル」

          #西田敏行 さんが亡くなった。 西田敏行いえば、映画「釣りバカ日誌」の浜ちゃんだけれど、あんまりあの映画は好きじゃない(寅さんの裏でやっていたので、みたけれどね)。 西田敏行は歌も歌っていて、代表曲は、なんといっても「もしもピアノが弾けたなら」だけれど、あの歌も好きじゃない、というか、あまり知らない。 僕の好きな西田敏行の歌は「いかすぜこの恋」と「ロンリー・ティーンエイジ・アイドル」。どちらも、 #大瀧詠一 が作詞作曲した、貴重な作品。 「いかすぜこの恋」は、 #エル

          #168 西田敏行「ロンリー・ティーンエイジ・アイドル」

          #167 天才の所業『ニーナ・シモン at ロニー・スコット』

          あなたは天才か? たぶん、違うと答える人が多いだろう。 でも、一部「俺は天才だ」と答える人がいるかもしれない。 その人には「じゃあ、これを見ても、あなたは天才といえるか?」と聞く。 「うん、それでも俺は天才みたいだ」と答えるなら、その人はきっと天才に出会っても天才と見抜けない程度の才能だと思う。 #ニーナ・シモン のことは以前も書いた。そして、私は天才と言った。 『ニーナとピアノ』ムは、天才の最高の輝きを最高の形で記録した奇跡の一枚だと、いまだに信じてやまない。

          #167 天才の所業『ニーナ・シモン at ロニー・スコット』

          #166 強かった日本 ZOO「gorgeous」

          #ZOO というグループが好きだった。ちょうど僕が中学生のころ。 #EXILE が ZOOの代表曲の一つ「Choo Choo Train」をカバーして、にわかにその名がまた浮かび上がったけれど、まぁ、また沈もうとしている。 僕は、「gorgeous」という曲が好きだった。ZOOはダンスもするが、僕はもっぱら、音楽が好きだった。 久しぶりに「gorgeous」をYouTubeで聞いてみた。 上はPV、下は音楽番組のTV中継のもの。下のTV中継のものは、僕も録画して、何度

          #166 強かった日本 ZOO「gorgeous」

          #165 ショルンスハイムのハイドン・ピアノソナタ集

          無職の時があった。 社会からのしがらみから離れて(でも実際には全然離れていなくて)、ふわふわとしていた。自分で規律を作らないとどこかへ行ってしまいそうだったので、毎日走ったりしていた。 この、CDボックスに出会ったのもそんな時代。 このボックスを隅から隅へと丁寧に全部聞くことで、何かが達成できると思った。そして、社会的なゴミになった自分も、どこか許してもらえるような気がした。聞いた感想をブログに書きつづっていた。 結局、何も変わらなかったのだけれど。 でも、 #ハイ

          #165 ショルンスハイムのハイドン・ピアノソナタ集