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#199 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番

#ベートーヴェン のピアノ協奏曲は、第5番「皇帝」が一番有名だけど、僕は第4番の方が断然好きだっ

だった、というのは、最近「皇帝」もいいなぁと思うようになってきたから。第4番は完璧な感じがするんだけど、完璧すぎて、少し聞き飽きるところがあるかもしれない。「皇帝」はなんか未熟な感じがして、それが逆に良い感じもある。

第4番の良さを教えてくれたのが、ドイツの名ピアニスト #バックハウス と、これまた名指揮者 #クナッパーツブッシュ による演奏のDVD。

違法なのかもしれないが、YouTubeで全部見れちゃう。

オケはウィーンフィルだし、もう、宝物と言っていい映像だろう。演奏も素晴らしいもの。内容美しか感じさせないバックハウスの演奏、そしてウィーンフィルの信頼を勝ち得ているクナッパーツブッシュの指揮。クラシック音楽の演奏の頂点がここにあるといっても過言ではない。

冒頭のクナッパーツブッシュだけによる、レオノーレ序曲第3番も、ド級の名演。録音だけ聞くと「遅い」と感じる彼の演奏も、映像とあわせてみるとまったく説得的でありふざけてたわけではないとわかる。

バックハウスに戻ると、バックハウスは、鍵盤を押さえる際に、抑えた指先を前後に揺らしている。ヴィブラートをかけているのだろう。「そんなばかな」と思うだろうが、ご自身の目で確かめてほしいが、そういった「様式や伝統を守ること」で自律的に芸が語り掛けることもあるだろう。

漢字の書き順とか、茶の作法など、「なんで非効率的なことをしているのか?」と素人は思うだろうが、そう思うこと自体が素人なのであり、芸の深淵に触れたものは、伝統作法に回帰してゆくのが必然。作法は芸の最適解なのである。

最近の演奏というのは、そういう意味で芸の深淵からの語り掛けに乏しい。


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