Vol.3/終わりの始まり
レントゲンとCT撮影を終えて30分ほど経った頃。ようやっと診察室から名前を呼ばれた。母の後ろについて、私も診察室に入る。三畳ほどの空間に机とベッドが押し込まれたようなこじんまりとした室内。机の前には、小柄な男性医師が座っていた。
「よろしくお願いします」
母と私が椅子に腰を下ろしたのを見計らってから、先生が口を開いた。机の上に並んだ3台のモニターの2つには、それぞれレントゲンとCT画像が映し出されている。先生がマウスのスクロールボタンをくるくる回すたびに、輪切りになった母