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Vol.9/増えていくメモ

気管支鏡検査のために入院する母を病院まで送った後、軽い空虚感を片側に覚えつつ、少し遠回りをして帰ることに。いつも乗る路線ではなく、別の路線を使って、夫から頼まれていたGパンを買いにユニクロに向かった。

電車の中は、すでに朝のラッシュも終わって空席が目立つ。いろいろな年代の人が、ぽつんぽつんと間を空けて座っている。そんな人たちを眺めながら、ぼんやりと思う。

「この人たちにもきっと、表には出せないいろいろ悩みがあるんだろうな」

まれに「私には何も悩みがありません」という人がいるが、実際のところ、生きてきて一度も悩んだことがないなんて人はいないのではないかと思う。単に、その時点では答えの出ない問いや考えに頭の中をいっぱいにしていないだけで。

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3,157字
胸の奥に今もまだ残る母への確執。その母の肺がん発覚。治療内容を含めて、それからのことを赤裸々に。

肺がんになった母の闘病記兼忘備録

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