アル中闘病記

こんにちは。大阪在住30代の女です。 アルコール依存性になった経験、闘病を綴れたらと思っています。

アル中闘病記

こんにちは。大阪在住30代の女です。 アルコール依存性になった経験、闘病を綴れたらと思っています。

最近の記事

アルコール依存症の女 酒と男

待ち合わせ場所の新世界に現れた彼は実年齢より老けて見えた。柔道をやっていたらしく、いかにも体育会系な話し方だった。 書く順序を間違えたが、彼と会う前から私は既に酒を飲んでいた。 一度帰宅し、彼が大阪に向かっている間近所のラーメン屋で瓶ビールを2本ほど開けたのだ。 私は極度の人見知りなので、初対面に関わらず誰かと会うときはあまりシラフでいたくなかった。 まず入ったお店はホルモン屋だった。 この時点で潰れる覚悟はできているので、初っ端から飛ばす。ビールにマッコリ。 その後

    • アルコール依存症の女 番外編:今でも夢にみます

      以前こちらでも書かせてもらいましたが、私の父は生前2回飲酒運転で検挙されています。 いずれも対人や物損事故を起こしたわけではなく、警察の検問によって発見されました。 私の正直な気持ちは 「誰かを殺す前に死んでくれてよかった」。 容疑者として名前が全国に知れ渡ると、家族はまともな人生を歩めなかったでしょう。 そして、今でも父の飲酒運転は夢の中に出てきます。 飲酒後、高速道路を時速120kmで飛ばす。 朝缶ビールを飲んでから出勤。 いつ事故を起こすか、警察に捕まるか。 ハッと

      • アルコール依存症の女 悪魔の声

        職場復帰は11月中旬だったと思う。 久々の出勤に少し緊張したが、みなさん良くも悪くも無関心でいてくれたし、何人かの方は声をかけてくれた。 焦らずゆっくりやっていこう。 この頃、失恋もしていた。 見た目も中身も私のタイプの人だった。 交際していたわけではないが肉体関係はあり 率直にいうと彼の体が忘れられなかった。 仕事復帰、断酒、とストレスの溜まる環境下で求めたのは男だった。 マッチングアプリに登録し、京都の年下の男性とやり取りが始まった。 彼は京都在住だが、大阪のディー

        • アルコール依存症の女 心休めず

          救急車に一度は乗り込んだものの、受け入れ先の病院が見つからないという理由で私は自宅に帰された。 横になり、めまいや吐き気、悪寒が去ってくれることだけをただひたすら願った。 その後のことはあまり覚えていないのだが、 時間が経つにつれ順調に回復していった。 再飲酒もしなかった。 もうあと数日で職場復帰する予定だ。 この復職期間中にしっかり心も体も休めたのかというと答えはノー。 むしろ、姉と喧嘩をしたり酒の飲み過ぎで救急搬送されたりとかえって不健康になったのではないか。 不安

          アルコール依存症の女 119

          阪神優勝の翌朝、コンビニへ行きスポーツ新聞と酒を買った。父親に似過ぎてしまったことを恨んだ。優勝の余韻に浸りながら飲む。 自宅のテーブルは空きカンだらけで、この数日間まともなものを食べていない。酒の飲み過ぎで胃にスペースがなく食べ物を受け付けなかった。 することもないので飲み続けた。 そのうちに気分が悪くなり、吐き気が治らなくなった。実際に吐く。起き上がるとめまいがする。そのめまいに酔ってまた吐く。終わりのないループ。無駄に「助けてー」と叫ぶ。 異様な発汗、悪寒。もう救助を

          アルコール依存症の女 119

          アルコール依存症の女 阪神が日本一

          姉を遂に怒らせてしまった。 そのことで動揺し加速するように酒量は増えた。私が飲むのは専ら「ストロング系」と呼ばれるアルコール度数高めの缶チューハイだ。 味なんてどうでもいい。感覚を麻痺させて現実を忘れられるならどんな酒でもよかった。 また最近よく手にするのは韓国の焼酎「チャミスル」だ。チャミスルはフルーツフレーバーで炭酸も入っていないので飲みやすい。度数も14%と非常に高く、1本で相当酔える。 ちょうどこの頃、阪神タイガースが日本一になるかどうか瀬戸際の時期でその状況も肴に

          アルコール依存症の女 阪神が日本一

          アルコール依存症の女 サンドバッグじゃない

          私がこの世で一番嫌われたくない人物は恐らく姉だろう。姉に嫌われると全てが終わってしまうような、そんな絶望感に見舞われた。 私の酒癖の悪さは過去にも散々書いたが、家族に対しては手当たり次第噛みつくというチンピラさながらの常套手段に出る。 「M(姉)は苦労したことがない」だの「Mと私の仕事は重みがちがう」だのこの日もメッセージで罵った。賢い姉はいつも「うん、そうだね」と軽く流すが今日に限って限界がきたのか 「私はあんたのサンドバッグじゃないねん!私だって感情を持った人間やね

          アルコール依存症の女 サンドバッグじゃない

          アルコール依存症の女 お酒やめたら連絡ください

          暫く会社に行かなくてよい。かと言って心身的に病んでいる身分としてはどこか旅行へ行くわけにもいかないし、 何より気分が落ち込んでいてそれどころではない。 この1ヶ月の休職が決まったとき、私はなぜか泣きながら家に向かっていた。地下鉄でも涙は止まらなかった。 悔しかったのだ。 一人の人間として仕事を全うできない姿が情けなかったし、その間に同期には差を付けられるだろう。 休み初日。スーパーに買いに行ったのは缶チューハイである。ロング缶を3本カゴに入れたときの高揚感。ベッドに寝転び

          アルコール依存症の女 お酒やめたら連絡ください

          アルコール依存症の女 落とし穴

          私が勤めている会社は7、8月に繁忙期を迎える。研修生の私は必死に仕事に就いていくのに精一杯で、帰宅すれば疲れ切ってビール飲みたいなんて気持ちはわかなかった。 毎日必死だった。 必死だったから酒のことも忘れられた。 ただ必死になりすぎて、心と身体のバランスを崩してしまった。泣きながら先輩に相談したこともあった。 するとその先輩は「少し休もう。1ヶ月ぐらい休暇もらおう」と提案してくれた。 上司からの許可を得て私は10月半ばから1ヶ月ほど休ませてもらえることになった。 そこに大

          アルコール依存症の女 落とし穴

          アルコール依存症の女 再断酒

          Aからメッセージが届いた。 「体のためにも絶対断酒が必要やと思う。 断酒しなかったらSちゃん(Aの娘)には今後一切会わせない。」 文面から見ても相当怒っているのが伝わる。 親友からのメッセージは悲しくもあり嬉しかった。私のこと叱ってくれてありがとう。 彼女の言葉が相当響いたのか、 それから私はきっぱりまたお酒をやめた。 しばらく静かな時間が過ぎるのだが。

          アルコール依存症の女 再断酒

          アルコール依存症の女 精神の病は治る

          高速バスに乗り、窓越しに友人AとAの娘に手を振る。Aの娘は私と一緒に遊べることを楽しみにしてくれていた。ごめんね、の言葉も出てこないぐらい憔悴していた。 大阪駅まで母に迎えに来てもらう予定にしていた。この状態、姿ではとても一人で帰れる勇気はなかった。 母が現れた瞬間私は泣き出した。 「どうしたの〜」母は冷静だった。 タクシーで帰る途中、キタやミナミの高層マンションや高層ビルを眺めていた。 一人だけ時間が止まったようだった。 帰宅後、母に「お父さんと同じ病気やねん」と打ち明

          アルコール依存症の女 精神の病は治る

          アルコール依存症の女 番外編④:近況

          こんにちは。 お出かけしやすい気候になりましたね。 私は1週間前、スリップしました。 今年何度目のスリップでしょうか。 今回は自分史上最悪の一番酷いスリップでした。 細かい描写は避けますが、家中で嘔吐しました。お気に入りのワンピースも吐しゃ物で汚れマリメッコのクッションカバーも悲惨な姿に。 そしてついに救急車で運ばれる事態へ。 しかし、ただ酒飲んで体調悪くなった三十路の女は大変厄介だったそうで看護師さんからの早く帰れオーラがすごかったです。 当たり前よね。笑 家に帰り

          アルコール依存症の女 番外編④:近況

          アルコール依存症の女 せっかく来たのに

          Aと再会後は飲めなかったが、よく考えると前日しこたま飲み、今朝も道中酒をくらっていたのだ。 A宅の布団に入り横になるも前日からの飲み過ぎで気分が悪い。 明日は観光して美味しいもの食べようと誘ってくれているが…。 翌日、目を覚ますと倦怠感を感じ借りた体温計で熱を測ると37.5あった。 「ごめん、発熱してるから今日遊べない。帰りのバスまで寝かせて」 私の言葉に友人は心配しつつも苛立っていたのは明らかだった。 A宅で寝ていると、外から鳥のさえずりが聞こえ心地のいい風が入ってきた

          アルコール依存症の女 せっかく来たのに

          アルコール依存症の女 飲むなら帰れ

          「酔ってるやろ?」 某駅で子供と一緒に私を待っていた友人は、私の様子を見てすぐに酒の臭いを嗅ぎ取った。 ※以降、友人はAと表記します 学生の頃からの友人で一時疎遠になっていた期間もあったが、何でも話せる唯一無二の親友だった。 酔っていることを認めるとAは呆れて「今日来ないかと思った」と言った。 たしかに何時に着く旨のメッセージなど一切送らず、朝方まで飲んでいたのだ。Aがそう思うのも無理はない。 駅近くのラーメン屋に入り昼食を取ることになった。 そこは食券式のお店で迷わ

          アルコール依存症の女 飲むなら帰れ

          アルコール依存症の女 酒を手に電車へ

          Oさんとの短すぎる食事の鬱憤を唯一の男友達Nくんに聞いてもらい、やけ酒を喰らった。 昨日Oさんに会うために着て行ったワンピース姿で朝を迎えた。 今日は学生時代の友人に会うため、京都北部まで行かなければならなかった。  11時に某駅待ち合わせ。 ということは、今すぐに家を出ないと間に合わない。一泊泊まらせてもらう予定だったが、着替えなどの準備も全くしていない。 シャワーを浴びる時間はおろか、服を着替え直すひまもない。 …寝巻きは借りればいい。歯ブラシはコンビニで買えばいい。

          アルコール依存症の女 酒を手に電車へ

          再開します

          最後に書いたnoteの日付が3月16日なので、 4ヶ月半ほど書いていなかったのか〜。   その間にフォロワーさんが80人まで増えていて驚きました。 素人の下手な文章を読んで下さる方がいらっしゃるのは、とても嬉しいです。 ありがとうございます。 4ヶ月半の間、2回スリップしました。 2回とも、順調に断酒できている矢先のことでした。 1回目のきっかけは、以前好きだった人と連絡を取り、改めて振られたことです。  2回目は、友人と海へ行き解放感から、というものです。 2つ