なゆかとサトラピ
ここ最近2冊のコミックエッセイを読んだ。
コミックエッセイというのはおかしいかな。
でも間違ってはないかなあ、とも思う。
ひとつは、峰なゆかの『AV女優ちゃん』。
それまでの人生からデビューから業界のいろいろを描いたエッセイ漫画。
もうひとつは、フランスのイラストレーターで漫画家マルジャン・サトラピの『ペルセポリス』。
イランで生まれ、イラン革命そしてイラン・イラク戦争を体験し、大人になってゆく自伝的グラフィックノベル。
生まれた国も、育った時代や環境も違う2人が描いた作品は、どちらも自分の半生を描いた作品でした。
自分が経験してきたこと、
自分の目と足と体でみてきたこと、
そこにある現実を、常に「え?」「なんで?」「どうなん?」って思いながら、
ひたすらツッコんだりしながら、考える。
でも正解を出さない、出し切らない。
淡々と描く。
善とか悪とか、
よいと思うもの思われることとかよくないと思うもの思われることとか。
だから、これらの作品となったのだなあ、と思いました。
だから伝わるものやこと、
考えさせられ、考えねばと思わされることを、とてもとても思いました。
正確には、数か月前にサトラピを読み、今月なゆかを読んだのだけれど。
ページをめくる手をとめた、とまったところがありました。
〝社会的弱者はさらなる弱者と認識した人間を見つけては叩く。
自分より弱いと思える人間なんて滅多にお目にかからないのでここぞとばかりに嬉々として〟
〝さらなる弱者はさらなる弱者と認識した人間を見つけては叩く。
自分より弱いと思える人間なんて滅多にお目にかからないのでわざわざ会いに行ってまで〟
(峰なゆか『AV女優ちゃん』1巻・12.弱い者たちの夕暮れ)
笑いを交えて描いているけれど、これ、あまりにあまりなエピソードのシーンの話の中で。
弱者は弱者を見つけたり。
自分(たち)とは違うとか、
違うと一方的な見方や知ろうともしないまま決めつけたりとか。
叩いたりや、見下したりや、笑ったり。排除しようとしたり。
そうして己(たち)の自意識を保ったり、そうしてそれが理想の世界だと思ったり、したり。
ちいさな集団であっても、それが大きくなった「国」であっても。
自由であるとは。自由であるとは?
伝えるとは。伝えるとは?
国も違う、職業も違う2冊ですが、ふと、並べたくなりました。
全然違うし、全然違うのだけれど、
そんな簡単なことや話でない、なさすぎるのだけれど、なんか、なんだか、そんな気持ちになり、ここに置きたくなりました。
◆
以下は、ちょろっとですがいつもの自己紹介 。
と、苦手なりにもSNSあれこれ紹介、連載などなどの紹介!!も。
よろしければお付き合い下さい🍑✨
ご縁がつながったりしたらとても嬉しい。
大阪の物書き、中村桃子と申します。
構成作家/ライター/コラム・エッセイ/大衆芸能(旅芝居(大衆演劇)やストリップ)や大衆文化を追っています。
普段はラジオ番組の構成や資料やCM書きや、各種文章やキャッチコピーやら雑文業やらやってます。
現在、lifeworkたる原稿企画2本を進め中です。
舞台、演劇、古典芸能好き、からの、下町・大衆文化好き。酒場好き。いや、劇場が好き。人間に興味が尽きません。
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と、あたらしい連載「Home」。
皆の大事な場所についての話。
以下は、過去のものから、お気に入りを2つ。
旅芝居・大衆演劇関係では、各種ライティング業。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
あ、小道具の文とかも(笑)やってました。
担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
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(貴重映像ばかりです。私は今回のアップにはかかわってないけど)
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