何もかも憂鬱な夜に(著:中村文則)【読書紹介しよう「もう、ダメだよ。結婚するっていったでしょ」一緒に読書感想文を書こう「人の話を聞かないんだから」】
著者の中村先生はなんていったらいいのかな。
陰謀論の人とでも言えばいいのか。
別の著書「教団X」では、
自民政権が支持率に困ると、
北朝鮮に連絡してミサイルを撃ってもらう。
とかいう妄想を登場人物に語らせ、
しかもそれがひとりじゃないんだぜ、
別々の立場から複数の人間に繰り返させるという痛さ。
敵同士が同じ手垢のついた陰謀論を信じているという世界観。
いたたたたたっ
これが自滅百裂拳だというぶっ飛びぶりが、
評価を大きく下げてしまったという由縁なので、
(自民政権にそんなことできるんだったら、依頼するまでもなく支持率が下がるわけないじゃん。プーチン政権の支持率を見たまえよ)
今は見向きもされてないのかもしれないですが。
(まあ、こういうのは、これはこれで読みたいという人もいる。ぐへへ)
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しかし私は「作者」と「作品」は違う人格だと考えています。
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ようやくタイトル作品に戻ってまいりますが、
こちらはちゃんと文学の枠に収まっている作品ですね。
主人公は孤児院出身の刑務官で、
ついつい殺人犯にも同情してしまいます。
優しいっていうのじゃなくて、なんかこう、自分の中にも割り切れないものがあるから。
どうせ自分なんて誰も必要としていないさ。
消えた方がみんな喜ぶ。
そういう捨て鉢な気持ちをつなぎとめてくれる人がいた人と、いなかった人の違い。
そういうのを説得力のある物語で、
物語化してくれる(このトートロジーを見よ)
しっとりとしていて素晴らしい。
やっぱり「作者」が変でも、
「作品」は切り捨てない方が良い。
まあしいて言えば男性作家だからか、
自分のエロ欲を肯定しがちに書いてしまうという点だが、
これは男なので仕方ない。
男というのは元来、性のためだけに生まれてくる存在であり、
それ以外は頭脳も筋力も優しさもイクメンもイケメンも、
オプションだけでついてくる存在である。
人間の男のように、オプションが自我を持っていて、
オレガーとして語りだすというのは、
ある意味リアルSFである。怖い。
女性のことを「産む機械」とかいう悪口があるが、
それをいったら男性は「消耗品」である。
女性は減価償却ができる資産として計上されるが、
男性は消費税が掛けられる存在なのである。
「俺はさあ」はい金。
「ちょっとトイレに」はい金。
「な、なんで声かけてくれなかったのさ」金。
「木曜どうでしょう?」金。
そりゃあ自民批判にもなるわさ。
エロ欲の肯定はかのごとく、仕方ないのだ。
おっと、話が脱線しすぎたが、
壁の向こう側の作家の本を読んでみるのも、
時にはアリなんじゃないかなと思う。
どうせ人類には本当の意味での相互コミュニュケーションなんて出来っこないわけだし。
一方的に相手のことを読むしかないんじゃない?
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