パンズラビリンス(2006年)【魔法の国に戻るには、無垢な映画感想が必要です「あ、それってなんとかなりそう」ほんとに?】
ダークファンタジー映画筆頭。
自分的にはいちばんのお気に入り映画のひとつです。
以前にもちょっと紹介したことある。
この映画は、
完全なるオープンエンド。
視聴者によって、グッドエンドかバッドエンドかに分かれる。
大体の人は、バッドエンドに感じるみたい。
私がオススメした人もだいたい、
「うーん、あれはちょっと」
みたいな言い方をされるんで。
ただ私はバッドエンドという風には観えなかった。
バッドとかグッドとか超越している、
メリーバッドエンドとでも言おうか。
そういうの、私はスキなんです。
そう、価値観を揺るがしてくるから。
この世界で生きていく苦しさを吹き飛ばすためには、
価値観がコペルニクス的回転をしないといけない。
(コペルニクス的転回ね)
要するに自分は不幸だと思っているとき、
え。不幸なんて概念、まだ存在すると思ってるの?
みたいなことを言ってあげる方が、
圧倒的に手っ取り早いのだ。
(もちろんつらい感情が現在進行形だとこの手は使えないんだが)
なので、視聴者によって終わり方が異なって観える。
というのは、私にとってはそれだけで美味しい作品なんです。
すこしだけ紹介。
****
スペイン内戦が終わったころ。
欧州では代わりに激しい戦争が始まっていましたが、
スペインはとりあえず平和になりました。
ただフランコ派の軍人たちが独裁する住みづらい社会です。
主人公の少女は母が再婚します。
お相手はフランコ体制派の軍人。
怖いお父さんです。もうね。いやでいやでしょうがない。
継子ですから、まったくやさしくありません。
お母さんがこれから産む男の子のほうに、新しい父の愛情はすべて向かってしまいます。
そんな少女が逃げ込めるのは幻想の世界・・・
ではなく、日常に侵入してきたホラーファンタジーの世界。
妖精みたいなのが現れて、
あなたは魔法の国の王女だが、
迷子になったので、人間として転生し、人間界に生きるようになった。
あるミッションをこなせば、魔法の国に戻ることができる。
この世界にはない、居場所を求めて、
少女はダークファンタジーの世界に降り立つ。
といっても、行っては帰り、行っては帰る、日帰り異世界旅行だ。
子どもだからね。
謎の化け物のいる場所からあるものを盗み出さなければならなかったり、
この化け物の弱点は、目玉を掌に取りつけないと動けないところ。
なので、まず侵入したら目玉を隠すところから始まる。
まず化け物は目玉を探すことに夢中になるので、
その間に逃げることができる。
それから妊娠中のお母さんの苦痛を取り除くマンドラゴラとか。
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ネタバレはしません。
あ、でもここまでの紹介で、なんとなく察しがついてしまうかもしれない。
どうでしょうか?
価値観をぶっ壊されてみたく、なりませんでしたか?
意外性のある展開は、文句なしに驚かされると思います。
展開に驚きたい方にはオススメ。
ただ人によっては「うーんちょっと」ってなるかも。
↑ ギレルモデルトロ監督と言えばこちらも有名。
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