Know (著:野崎まど)【この読書紹介は、も、もしかして!?「そうだ。君は、察しが良い」】
野崎まど先生の本格ライトノベルSFですが、
(アムリタシリーズではないですよ)
ラノベ枠でもありません。
ついにハヤカワから出ています。
脳に直結するインプラント端末「電子葉」が当たり前のように普及して、
あらゆる人間が機器なしにネットワーク空間に接続できる時代。
もはや辞書を調べるとかいう概念は存在しなくなりました。
すべての国民は複数の情報閲覧クラスに分けられ、
当たり前の情報化社会の中を生きていく。
そんな中、クラス5に昇りつめたエリート官僚の主人公。
その上はもうクラス6しかない。
つまり首相大臣クラスだ。
位人臣を極めたといっていい主人公だが、
心は虚しかった。
恩師との出会いによって天啓を与えられ、
生きる喜びを得て生きてきたが、
恩師がいなくなったあとは、
ただその道しるべを探す余生だ。
そんな時、
行方不明になった恩師から連絡があった。
最新の「電子葉」である【量子葉】を装備した少女を、
引き取ってほしいという。
その少女は、なんとクラスゼロ。
誰からも個人情報を読まれてしまう情報カースト最下位。
彼女は孤児だった。
しかし、恩師はこれが最も優れているという。
その少女は実は・・・
****
以前に読んだ本なので、
もしかしたら細部が違っているかもしれないが。
登場人物の名将が不可思議になっていて、
異時代感を出しています。
知ル、連レル、
まあ時代によって名前も違ってきちゃうからね。
また途中からはサイバーパンク超越技巧ハッキングバトルなんかも転回します。
要するに「攻殻機動隊」に近い種類。
ただサイバーパンクで終わるのではなく、
哲学的なテーマにもつなげています。
保護しているはずの少女が、
恩師から託された使命を達成するための主役になり、
いつの間にか主人公がワトソン役になっている。
(主人公もエリートなんだけど、少女が無双すぎて、のび太ポジションになってしまう)
そんな世界を変える真実を追い求めるための旅は、
一巻完結で終わりを迎える。
果たして。
少女が探求して知ろうと思っていたことは何なのか?
それは世界を変える知識。
***
本作、女子中学生とアレをしちゃう場面が出てきます。
いや、主人公君。君、公務員だろ。
タイホダ!
まあ純愛だからいいか執行猶予にしといちゃる。
(純愛過激派も難儀だな)☆
↓ 上の☆構文、元ネタはかやさんとこのあかりちゃんです。
そんなことより、
***
人類にとって最大のテーマとは、
実は「「「知る」」」ということである。
とにかく、人間はこの根源的な欲求を満たさなくてはならない。
それは三大欲求に次ぐ本能、
いや、四大欲求のひとつと言ってもいい。
「「「知りたい」」」
知ったからってどうなるもんでもない。
もはや、何のために知るとか、
世界を変えるためとか、どうでもいい。
知るために知る。
それが許される。
それが人類の、いや知性の本質なんではないだろか?
そういえばAIたちもとにかく知りたがる。
彼らはデータを超大量に食わせてあげないと何もできない。
知ること自体が自己目的化しているんだ!
知ることは良いことなのだ。
たとえ知った先にどのような世界が待ちかまえていたとしても。
そんなピュアな気持ちで、
知りたいという欲求について語る。
本作はそういうSFでした。
うん、これはSF。
これこそがSF。
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