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錆た銀河(著:光瀬龍)【読書紹介を行うには一冊の本を解体しなければならない。解体した本は破棄される。「それでは、もう読めないというのか!」】

光瀬龍といえば、
「百億の昼と千億の夜」ですが。

巨匠の別作品。
テイストは同じ。
すなわち終末モノ。滅亡SFである。

(?なんか高いやつしかないな。復刊してないケースか?)

遠い未来の文明国で、
異変が起きた。
この異変により、ひとつの都市に安全にこもり続けることで生き残ってきた人類は、一転して滅亡の危機に瀕する。
人類にはもはやこの都市しか残されていない。
超技術によって守られた都市があれば、問題ないと思われたが。
もはや超技術をもってしても衰亡を防ぐことができない。

アクシデントは常に悪い結果につながる。
やることなすこと裏目に出る。
もはや種としての寿命が尽きた人類は、どうあっても滅亡を免れないのか?

いや。種の寿命なんて概念があるはずがない。
こうなったのは、危機に対する対応を間違え続けてきたからだ。

子が生まれなくなったから、肉体をコピーして意識を転写するようにした。
その時は完璧な対応策に見えた。
しかしコピー装置がロストテクノロジー化しており、
致命的な故障に対応することができない。

さらに決断が遅れ、事態はどんどんと悪化する。
最後の希望のために修復待ちのデータをもって、
宇宙船で太古の宇宙基地を探索しようとする。

しかしその過程で宇宙船が事故を起こす。

*****

滅びとは。黄昏とは。
かくも切ないものなのか。

滅び去るものを主題として描かれる物語は、
SFでしか書きえない。
光瀬テーマは、当時の私にふかく、ぶっ刺さったのであった。

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