佳境を迎えたEURO2020、4強の共通点は?
遂に寝不足の1ヶ月が終わりを迎えようとしていますね。
サッカーのナショナルチームのヨーロッパチャンピオンを決める、
ヨーロッパサッカー選手権、
通称EURO。
大会も準決勝を迎え、残すところあと3試合となっています。
激戦の末勝ち残ったのは、イタリア、スペイン、イングランド、デンマーク。
ここで、準決勝までたどり着いたこの4チームの共通点を見ていきたいと思います。
今大会は、第1回大会から数えて節目の60年を祝う記念大会であり、
通常では1カ国による集中開催であるのに対し、
欧州各国11都市での分散開催となっています。
某ウイルスによる延期を経て、名称はそのままにEURO2020として行われています。
ベスト4の4チームの共通点はズバリ「ホームアドバンテージ」。
しかし、今大会は先程言ったように分散開催。
ホームアドバンテージなんて無いのでは?と思うかもしれませんが、
分散開催とは言え、舞台はヨーロッパ。
ということは、普段は1国に集中するホームアドバンテージを、
分散して複数の国がその恩恵に預かる、ということです。
例えば、グループリーグを、他国でしかも3試合全てを違う国で移動を伴って戦った国もあれば、
3試合全てを自国で移動無しで戦った国もあるということです。
それでは、ベスト4の4チームのこれまでの勝ち上がりと、その試合の開催地を順に見ていきましょう。
イタリア
vsトルコ3-0 開催地:イタリア
vsスイス3-0 開催地:イタリア
vsウェールズ1-0 開催地:イタリア
vsオーストリア2-1 開催地:イギリス
vsベルギー2-1 開催地:ドイツ
スペイン
vsスウェーデン0-0 開催地:スペイン
vsポーランド1-1 開催地:スペイン
vsスロバキア5-0 開催地:スペイン
vsクロアチア5-3 開催地:デンマーク
vsスイス1-1(3-1) 開催地:ロシア
イングランド
vsクロアチア1-0 開催地:イギリス
vsスコットランド0-0 開催地:イギリス
vsチェコ1-0 開催地:イギリス
vsドイツ2-0 開催地:イギリス
vsウクライナ4-0 開催地:イタリア
デンマーク
vsフィンランド0-1 開催地:デンマーク
vsベルギー1-2 開催地:デンマーク
vsロシア4-0 開催地:デンマーク
vsウェールズ4-0 開催地:オランダ
vsチェコ2-1 開催地:アゼルバイジャン
なんと、ベスト4の4チーム全てが、これまでの5試合中3試合以上をホームで戦っているのです。
イングランドに至っては、5試合中4試合がイギリス・ロンドン開催で、
次の準決勝もロンドン開催です。
そして決勝もロンドン、ウェンブリー・スタジアム開催ですので、
仮にイングランドが優勝した場合、7試合中6試合をホームで戦うことになります。
ちなみに、この4チームと同じように、グループリーグの3試合全てをホームで戦ったのは、他の敗退した20チームの内、オランダとドイツのみです。
全24チーム中、6チームがグループリーグ3試合全てをホームで戦い、
そのうち4チームが準決勝まで残った、ということになります。
このことを論拠に、「アンフェアだ」などと言いたいわけではありません。
連日拮抗した好ゲームが見られ、スイスやウクライナ、デンマークなどの中堅国が健闘を見せるヨーロッパの戦いにおいて、
勝敗を分けるのはほんの小さなディテールの部分だ、ということを再認識できるデータだと思うのです。
今大会のような、実力差が少ないチーム同士の戦いでは、ほんの小さなファクターが勝敗を分けます。
その要素の1つが、この「ホームアドバンテージ」と言えるのではないでしょうか。
ワクチン接種率の上昇による入場制限の緩和により、「フットボールライフ」を取り戻したヨーロッパのフットボールフリークスたち。
それによって恩恵を受けたのは、ファン、サポーターの側だけではなかったのではないでしょうか。
コロナ禍において、長い期間ファン、サポーターの力を借りることのできなかった選手たち。
今回の大会が、「サポーターの力」を再認識する大会となった、と言えるのではないでしょうか。
「心地よい寝不足」のもと、興奮冷めやらぬまま通勤、通学する日々も、
来週火曜日、7/12、日本時間早朝に終わってしまいます。
果たして、「ホームアドバンテージ」によって力を得た4チームの中で、
フットボールの聖地、ウェンブリー・スタジアムで戴冠を果たすのはどのチームでしょうか。
このEURO2020が、
「ファンと選手の間に長く続いた夜」
に終わりを告げる「夜明けの大会」として
記憶に刻まれる大会になることを、心から祈り、残り3試合を楽しみましょう。
小野トロ
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