日常のほんの小さな出来事 雨の止んだ後の澄んだ空気と霧 黄色いレインブーツと雫に覆われた野花 風のそよぐ音 灰色の雲間から見える青空と流れていく雲 時々落ちてく…
久しぶりの再会はココナッツの匂いに包まれた。 困ることは、別れた後も当分その余香に包まれる。 こういう男は、何が自分を惹きつけるにおいなのかを知っている。 自分…
脚の無い鳥がいるそうだ。 飛び続けて疲れたら風の中で眠り、一生に一度だけ地上に降りる。 熱帯雨林の薫る木々の残像。 昔見たこの映画は今でも匂付の風を纏う。 1分…
氷の聖人と名前のついた曜日がある。春真っ盛りに突如としてあわられるまさしく中世より伝わる気候の聖人。毎日いろんな聖人がいてややこしいのだが、この氷の聖人達だけは…
真っ白だ。白い闇で覆われて、かろうじて進むべき道がうっすらと見える。 ぼんやり現れる木々に目をこらしながら、霧の中、1200標高のスイスアルプスの中を歩く。 自粛中…
Miyu
2021年5月19日 19:58
日常のほんの小さな出来事雨の止んだ後の澄んだ空気と霧黄色いレインブーツと雫に覆われた野花風のそよぐ音灰色の雲間から見える青空と流れていく雲時々落ちてくる方時雨出くわす子鹿やリスハンモックに揺れながらの雨宿り束の間の非日常が日常になりつつある今は5月薄いセーターにコートを纏ってまるで季節感のない梅雨芍薬が開花するのを待っている黄色いレインコートが届く頃
2020年8月19日 05:02
久しぶりの再会はココナッツの匂いに包まれた。困ることは、別れた後も当分その余香に包まれる。こういう男は、何が自分を惹きつけるにおいなのかを知っている。自分の体臭を知り、常に清潔にし、そのうえで香らせる少し癖のあるココナッツの香り。良く考えたら、こっちの男達は、オイルやクリームを身体に塗る。サーファー達の使っているモノイオイル。モロッコのアルガンオイル。私が日常で使ってい
2020年6月2日 21:54
脚の無い鳥がいるそうだ。飛び続けて疲れたら風の中で眠り、一生に一度だけ地上に降りる。熱帯雨林の薫る木々の残像。昔見たこの映画は今でも匂付の風を纏う。1分間の時間は、いつもどこかおかしい。そういう時ほど、エロさが漂い、あの気だるい雰囲気と距離感を思い出す。シーン1真っ赤なハット帽。夕日の一歩手前、誰もいない草原の二つに別れた小道を歩く。正面から自転車に乗った少年。
2020年5月17日 05:01
氷の聖人と名前のついた曜日がある。春真っ盛りに突如としてあわられるまさしく中世より伝わる気候の聖人。毎日いろんな聖人がいてややこしいのだが、この氷の聖人達だけは、あちこちで囁かれる。二、三日おかげでしっかりと寒い。下界では雨が続き、天上では雪が降る。それまで春通り越して夏になるんじゃないかっていう太陽の暑さも一気に何処かへ消え、窓を開ければ、霧のミストが静かに室内に入ってくる。テラスで霧に包ま
2020年5月16日 03:30
真っ白だ。白い闇で覆われて、かろうじて進むべき道がうっすらと見える。ぼんやり現れる木々に目をこらしながら、霧の中、1200標高のスイスアルプスの中を歩く。自粛中で、気が付いたら毎日、野生のウサギ、子鹿、ロバなどに会う事が多いのだが、この霧の中じゃ何も見えない。黙々と白い闇の中を歩きながら、エッサウイラーの夜の出来事を思い出す。モロッコのとある町、私は現地で買った真っ白い絹の肌触りの