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両親とのあれこれ。

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年をとってきた両親との思い出や介護にまつわる出来事。
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#日記

#154母さん、来たの?

年末年始にかけて、九州に帰省していた時の母との会話です。 「ねえ、あんたが入院している時…

宮本松
6日前
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#141居心地の悪さ。

この記事を投稿している頃は、実家の手伝いを終えて、自宅に戻り、普段の生活を再開しているだ…

宮本松
3か月前
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#140コロッケの日。

今月の連休中、息子のドラちゃんが遊びにきてくれました。同じ関東に住んでいても、いざ会おう…

宮本松
4か月前
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#97母のかお。

荷物を整理していた時にみつけたUSBの中に、18年まえに書き留めていたエッセイを見つけました…

宮本松
8か月前
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#81麦わら帽子の思い出。

「あんたが掃除してくれた庭がすっきりと片付いて、気持ちがよくてね。庭を見るたびにあんたの…

宮本松
9か月前
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#75絵てがみの心。

「母さん、絵てがみを持ってきて」 実家に戻ると、何もすることがないとボーッとしがちな母に…

宮本松
10か月前
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#71つくしとコインランドリー。

実家の周りは一面に田んぼが広がっていて、天気がよい日にはお日様が昇るのも、沈んでいく姿もくっきりと見ることができます。今はまだ春の田植えが始まっておらず、田んぼのあぜ道に生えている雑草たちの緑色が、目に鮮やかにせまってきます。 朝ご飯を食べ終えて、ビニール袋を手にしたわたしは、童心にかえった気持ちでつくし採りに出発します。つくしとはスギナの胞子茎を指す言葉で、植物の名前ではないのだそうです。シダ植物のトクサ科トクサ属に分類され、漢字では「土筆」と書きます。土に刺さった筆のよ

#70今年の桜。

「わあ、もう満開だ〜!」 飛行機で空を飛び、あっという間に九州に帰省したわたしは、電車の…

宮本松
10か月前
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#42指輪物語。

「もしもし、○○さん(わたしの名前)の携帯ですか?」 去年の春のことです。わたしとテル坊…

宮本松
1年前
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#33沈黙よ こんにちは。

若いときに特別、苦手だったもののひとつに、沈黙があります。親しい友だち同士でも、単なるク…

宮本松
1年前
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#32現実を受け入れる。

今回の帰省は、ここ数年で一番穏やかで、楽にすごせる滞在となりました。毎日の食事の用意や、…

宮本松
1年前
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#29新年を実家で迎える。

飛行機にのって、はるばると九州の実家に戻ってきたわたしとミドリーは、実家の両親と東京から…

宮本松
1年前
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#9ジージの手作りスマホ。

休日にショッピングモールへ買い物に行くと、いろんな人を目にします。家族づれの人、友達同士…

宮本松
1年前
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#8台所は女の領域。

実家に帰ると、私が飯炊き女をします。認知症の進んだバーバ(私の母)は、ご飯を炊くことと、朝の味噌汁を作る以上のことはできなくなりました。ジージ(私の父)も多少の料理はできますが、二人だけの時には外食するか弁当を買ってきているようです。せめて自分の滞在中くらい、手作りの料理を食べさせたいというのがささやかな私の願いなのです。 ところが、私がエプロンをつけて台所に立った途端に、それまでゴロンとソファに寝転んでいたバーバが、急に昔の働き者だった頃のバーバに変身しようとするのです。