宮本松

【月・水・金に配信予定】身近に起こる出来事を、時には真面目に、時には面白く、エッセイに…

宮本松

【月・水・金に配信予定】身近に起こる出来事を、時には真面目に、時には面白く、エッセイにまとめています。読んでもらえるとうれしいです。娘のミドリー、再婚夫のテル坊、息子のドラちゃんなどの家族が登場します。童話は不定期で配信中。

マガジン

  • ながいお話。

    動物たちも登場する、ちょっと不思議な世界のお話です。長めのストーリーは分けて掲載しています。

  • かぞくの日常。

    再婚相手のテル坊、娘のミドリー、わたし、時々やってくる息子のドラちゃんとの小さな出来事。

  • みじかいお話。

    こどもの頃の体験や空想をもとに、5000字くらいのお話を作りました。短めのストーリーのものを掲載しています。

  • 親子のあれこれ。

    息子ドラちゃんと娘ミドリーとわたし、三人の思い出話。

  • 両親とのあれこれ。

    年をとってきた両親との思い出や介護にまつわる出来事。

最近の記事

  • 固定された記事

#1それゆけ、宮本松。

はじめまして。宮本松です。私たちはのんびりした日々をすごしている母と子のユニットです。文章を母、真希おかげが、イラストや編集を娘の梓凛斗(ミドリー)が担当します。今回は初投稿なので、宮本松結成までの経緯について書きたいと思います。 母と子でnoteに連載するなんて、 「仲のいい親子だね」 とか、 「くっつきすぎててやばいんじゃない」 とか、思われてしまうかもしれません。たしかに今の私たちは、ほどよく距離を保ちながら共同生活を送っています。でもそれはここ二年ほどのことです。

    • 河童の話。(3)

      目を覚ますと、シマ子は滝つぼのそばに横たわっていた。 「あれ、わたし、どうしたんだ?」  顔だけあげて辺りを見回すと、キュリー先生が滝つぼに足をつけてすわっていた。服は着ていない。頭の上は平坦で髪が生えていない。やっぱりお皿があるのだ。 シマ子のたてた小さな物音に気づいた先生はすっとふり返り、ペタリペタリとがにまたで近づいてきた。シマ子の肩をさすりながら、 「だいじょーぶか?へーきか?」 と、心配そうに顔をのぞきこんでくる。身体はキミドリ色で、人間に比べると平ぺったく見える

      • #134 単純でやさしい幸せ。

        この頃わたし、メンタルの方が落ちてきてるのよと、テル坊に話してみました。毎日のように、腕が痛くなってきただの、疲れたから横になりますだの弱音を吐いているにも関わらず、「メンタルが・・・」っていうのは、伝えているようで伝えていなかったのです。家族でも、身近にいる人であっても、何もかもを共有しているわけではありませんから。 家事を分担してもらって、テル坊にもミドリーにも助けられている毎日です。ありがたいなと思う一方で「申し訳ない」という気持ちも湧いてきますし、「一体いつまでこん

        • #133緩まるスキル。

          先月、左腕を怪我をしたことをきっかけに、日々身体についてあれこれと調べ物をしたり、軽いストレッチを試したりしているわたしですが、先週からようやく40分程度の散歩を楽しめるようになりました(パチ、パチ、パチ、拍手の音)。 それまで、必要に迫られてスーパーに買い物に行ったり、図書館に出かけたりすることはありましたが「ただ散歩するために家を出る」ということが出来ませんでした。家までフラつかずに戻ってこれるかどうか心配でしたし、道路を走っている車を見てもまだドキドキするし、横断歩道

        • 固定された記事

        #1それゆけ、宮本松。

        マガジン

        • ながいお話。
          28本
        • かぞくの日常。
          43本
        • みじかいお話。
          18本
        • 親子のあれこれ。
          5本
        • 両親とのあれこれ。
          12本

        記事

          #132二年目の畑作り。

          先日、一ヶ月半ぶりに車で20分ほどの市民農園に行ってきました。今年は七月から猛烈に暑くなったので、暑いのが苦手なわたしは草取りなどの畑仕事をテル坊に任せっきりにしていたのです(自分から市民農園を借りようと言い出したくせに、すぐに人任せにするとんでもない奴(=わたし)です)。 「わあ、里芋がとんでもないことになってる!」 梅雨に植えた里芋が、今やわたしより背丈が伸びて、隣の畑の区画に大きな影を落とすほどに大きくなっていました。ゴロリとした種芋を等間隔に植えて、しばらくの間はう

          #132二年目の畑作り。

          河童の話。(2)

          他の子どもたちがキュリー先生に心をゆるしても、シマ子だけは先生のことを信頼できずにいた。目の前で、傷の手当てをしたりお腹の痛みをやわらげるのを見ても、シマ子には納得できないことがあった。 (なぜ皆は、キュリー先生がカッパかどうか気にならないのだろう?) シマ子には不思議でならなかった。カッパが悪さをすると決めつけているわけじゃない。キュリー先生がきらいなわけでもない。だからといってカッパが人間と同じように暮らしているって変じゃないのか。 (どうしてカッパが、人間の学校ではた

          河童の話。(2)

          #131応募シールを集める。

          まだ30代の頃、ちょっとした楽しみに食品についているシールや応募マークを集めていたことがあります。子どもたちが小学校でベルマークを集めていたので影響されたのでしょう。残念ながら一度も当たったことはありませんでした。わたしの日頃の行いが良くないからでしょうか(笑)。 今回、久しぶりに丸美屋の応募券を集めています。ティファールの調理用具が毎週100名に当たるからです。全部で6枚の応募券が必要で、わたしはあと残り2枚を手に入れなければいけません。よく購入するのは麻婆豆腐の素なので

          #131応募シールを集める。

          #130リハビリ通い。

          左肩にほど近い上腕骨を骨折してから約1カ月、今は週に一回、リハビリに通っています。まだ自分の力では肩を動かしてはいけない段階で、自宅で積極的に行うようにいわれているのが、振り子運動と肘・手指の運動です。 <振り子運動>立って行う。 ①怪我をしていない手を使ってテーブルなどで体を支え、腰を曲げながら怪我した腕を地面に向かって垂らします。この時、肩の力は完全に脱力します。 ②慣れてきたら体を前後左右に振り、腕を振り子のように動かします。 これはYouTubeでも検索すると出て

          #130リハビリ通い。

          #129ほっこりポニョ。

          この夏、暑くなり始める前から、わたしはジブリ映画をいくつも観ていました。もう何度も観たことがあるのに、何度みても「ううっ」と心が揺さぶられる、それはどういう理由からなんだろうと思って。 子ども向けのお話作りを自分の課題にしているわたしにとって、主人公がどんな風に描かれているのか、物語の展開がどう進んでいくから観客の気持ちが引き込まれるのか、知りたいことは山ほどあって。でもただ面白がって観ているだけでは、肝心要の部分はいつまで経っても見えてこないんですよね。 「魔女の宅急便

          #129ほっこりポニョ。

          河童の話。(1)

          <1> もう何十年も前のことだ。町から遠くはなれた山奥に小さな村があり、その集落ではほとんどの家が田畑を耕したり、木を切って売ったかせぎで暮らしていた。村の中には小さな小学校があった。子どもはぜんぶで12人しかおらず、先生も校長先生を含めて5人だけ、子どもたちは上級生と下級生の二つのクラスに分かれて勉強していた。 シマ子はおてんばな女の子だった。気が強いだけじゃなく、ガキ大将の男の子と相撲をとっても負けないくらい力も強かった。先生たちもシマ子には一目置いていた。シマ子はだ

          河童の話。(1)

          #128忘れられない日。

          本当は8月中に投稿しようと準備していた記事です。9月になりましたが、せっかくなのでアップしたいと思います(笑)。 カレンダーを見ると心がドキッとします。 「今日は8月3日だ」 その日を忘れずにいるわたしは、今年53歳になるのですが、小学校四年生の頃の出来事がよみがえってくるのです。 その日は当時担任だった女の先生(K先生)と、もう一人三年生の時に担任をしてくださった男の先生(E先生)の、お誕生日だったのです。今の時代は、個人情報を守ると言う大義名分もあり、学校の先生の住所

          #128忘れられない日。

          #127料理当番。

          いつもなら当たり前のようにご飯を作っているわたしが、今は左手を使えず、台所に立つことができません。わたしの入院中、テル坊とミドリーは、其々に一人分の食事を用意して食べていました。買ってくるもよし、ちょこっと料理するもよし。自由きままな夕ご飯です。 ところが三人になると、そうはいきません。まだ当分の間はお料理オバさん(わたし)の復帰は見込めないのです。さて、どうしたものか。一週間は7日あるので、テル坊とミドリーが3日ずつ担当し、残りの1日はお弁当などを買ってくることになりまし

          #127料理当番。

          #126無意識のざわつき。

          先週からお休みしていたnoteを再開しました。わたしが交通事故にあったことで#122と#123の記事の間に体験していたしていたことが書ききれていませんでした。今回はそこのお話を語ってみようと思います。 7月に入ってから実家の両親の体調が芳しくありませんでした。まず認知症の母が、右膝が突然痛くなり足が腫れて動けなくなりました。病院で変形性膝関節症と言われ、痛み止めの内服で徐々に症状はおさまっていきました。 次に父から電話があり「不吉な夢を見たから、お前に手紙を書く」といわれ

          #126無意識のざわつき。

          #125一番楽しみなこと。

          左腕を骨折して以来、一日の中で何よりも楽しみな時間は、ご飯を食べることでも本を読むことでも、おしゃべりすることでも眠ることでもなく、シャワーを浴びてさっぱりする時間に変わりました。 12日間の入院生活中にシャワーを浴びることができたのは、手術前日のたったの一回きりで、それ以外の日はあたたかなタオルで清拭し、病衣を着替えるだけでした。それでも身体の表面をぬれたタオルで拭きとり、微熱が続いてじっとり湿った皮膚がタオルのおかげでスーッとする感覚は、とても心地よいものでした。ミドリ

          #125一番楽しみなこと。

          #124歌声に癒されて。

          交通事故にあう前、わたしにとって音楽を楽しむ時間は散歩の時間に限られていました。家事をする際は軽くラジオを流している程度です。料理をしている時にイヤホンで耳をふさぐと、フライパンの中で焼けていく食材のジュージューいう音やお鍋のグツグツいう音が聞こえづらく、料理に集中できないからです。 入院中は、トイレ以外はベッドの周りからほぼ動けない生活が12日間続きました。骨折による炎症反応で微熱も持続しました。全国的にコロナの感染者数が増加しはじめ、病棟内にも感染した人もいたようで、ス

          #124歌声に癒されて。

          #123戻って参りました。

          noterの皆さん、こんにちは。宮本松です。今週からまた活動を再開します。お休みのつぶやきをアップしたのが8月8日でしたので、あれから二週間とちょっとなわけですが、わたしにとっては随分と長い時間だったような、よくまあこうして普通にパソコンを打てるまでになったなあという気持ちです。 (以下は読んでいて気持ちが沈んでしまう方もおられるかもしれません。無理に読まれなくても大丈夫です。個人的には、体験したことを自分の言葉でまとめることで、気持ちの整理も進んでいくと思っています。)

          #123戻って参りました。