![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82502753/rectangle_large_type_2_251f82f24ea6ce060be7589a9fcaad4d.png?width=1200)
ストレートネックを考える~胸鎖乳突筋との関係、頸椎ヘルニアとの類似点~
首のアライメントとして、大半のクライアントに当てはまるのがストレートネックです。一部の医師からは、「日本人の約8割がストレートネック」という驚きの話も聞きます。ストレートネックは文字通り、頸椎の弯曲がなくまっすぐになることで、頭部が前突している状態を指します。ストレートネックになることで、肺が圧迫され呼吸が浅くなってしまいます(正しいアライメントでの呼吸が100とすると、ストレートネックで80まで減ってしまうという説もあるとか)
今回は、そんなストレートネックに関連する2つのテーマをご紹介しましょう。
ストレートネックと胸鎖乳突筋との関係性
![](https://assets.st-note.com/img/1657600937272-sc6Ylq6Axb.jpg)
胸鎖乳突筋は頸部の筋肉の一つです。起始・停止や主な作用は次の通りとされています。
起始部:胸骨頭、鎖骨頭(中央部)
停止部:側頭骨の乳様突起、後頭骨の上項線
神経支配:副神経(第11脳神経)、頸神経叢機能
作用:頸椎の反対回旋、同側側屈、下部頸椎屈曲、上部頸椎伸展
身体を横(前額面)から見たとき、胸鎖乳突筋は頸椎の屈伸軸(中央より前面)と進展軸(中央より後面)の両方に走行しています。屈伸軸に存在する下部と進展軸に存在する上部では、作用が異なると言われています。とはいえ、実際の作用はかなり細かい話なので、教科書や実用書では「頸椎の屈曲」のみ記載されていることが多いですね。
上にも記載しましたが、胸鎖乳突筋の支配神経は第11脳神経である副神経です。副神経は、延髄と密接な関わりがあると考えられています。胸鎖乳突筋や同じく副神経支配の僧帽筋を活性化させると、伸展筋群の抑制が起こり、全身の屈筋を有意にすることができると言われているんです。前屈記録を伸ばしたい、腰椎伸展時に腰痛がある場合などは、こうした知識を生かしたアプローチが有効かもしれませんね。
胸鎖乳突筋が原因でストレートネックになるのか?
よくちまたでは「ストレートネックや首こりには、胸鎖乳突筋のアプローチが有効だ」という説を耳にします。胸鎖乳突筋が首回りのケアの「王道」とされがちですが、これは実際に正しいアプローチなのでしょうか?
私たちは、トレーニングフォーム、ランニングフォーム、普段の姿勢と各シチュエーションによって、姿勢を受ける要因が異なります。
ここから先は
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22896869/profile_5c535484e0980ec88fa1f1a444eb804f.jpg?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
Anatomy Special Magazine
解剖学に関する記事を月に最低3記事更新していきます。 トレーナー及び運動指導者、健康に関する従事者が楽しめる内容となっております。 レベル…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?