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3-2.自分の感性をみつめるP②

U中での「体験学習効果測定研究支援プログラム」当日は、
1時間前にU中の図書館に集合。
事前MTGでは、私から改めて今回のプログラムの狙いと到達点を、確認の意味も込めて説明した。
残り時間は、各クラス担当の4グループに分かれ、役割分担、進行等の確認MTGを行う。

中学生は1週間前に書きこんだシートを持参している予定だったが、1クラスではシートを持っているクラス担任の先生が来られず、開始が遅れるというハプニングが。
よくある話だが、私たちに与えられた時間がだからといって増えるわけではなく、学生は焦る。
だが、こういうことも社会に出れば、ごくあり得るハプニングだ。
そういう状況の中でどうするかが学生に迫られる。いい機会だ。

できることから進めていきながら時間を稼ぐしかない。
学生は自己紹介~アイスブレイクを開始し、中学生の心を開くことから始めた。そのうちに先生が来られ、シートが配布され、本ワークに入れた。

想定通り、中学生は一度書いているためか「これ以上書けない。何も出てこない」という姿勢の子が多い。
なので大学生の、「自己紹介を兼ねたあいさつ」がカギだ。
大学生に興味と親しみを持ってもらう。
そして大学生がシートの内容に質問をしていくことに、中学生が警戒心を解き、面白みを感じて対話してくれる状況に持って行くことが、大学生の第一関門だ。
中学生は意外と素直で、大学生の誘導にすんなり乗ってくれた。
大学生は、1人2~3人を相手に対応し、あっという間に50分が終了。

学生は図書館に戻り、事後MTG。
難しかったことと、それに対してどんな工夫をしたか、対処したか、何をどこまで達成できたかをコメントしてもらう。
担当のM先生からも感想をいただいた。彼女にとっても学び場となったことが伝えられた。

このプロジェクトは支援プログラムであったため、自分たちで工夫をすることが限られていた。
そこで同じテーマでのリベンジとなったのが、4か月後の県立S高校でのプロジェクトだ。

2010年10月24日、県立S高校1・2年生17名対象、90分
<「自分の中にある感覚・思いに気づく・発見する、さらに”言葉”として得る」をテーマに、7名の大学生がリードした。レゴブロックを使ったワークも実施>

県立S高校は、「総合的な学習の時間」の取り組みのひとつである出前授業を毎年秋に実施されており、各分野から講師を招かれている。
T先生がS高校の卒業生であるご縁もあり、2008年以来、毎年、学生とともに入らせていただいている。

高校生プロジェクトは対象者の人数が少ないこともあり、大学生も少数精鋭で対応する。書くPのほとんどが人数制限をせず、基本的な要件を満たせば希望者は基本受け入れるスタイルなのに比べ、高校生プロジェクトは人数を制限し、場合によっては指名制であることもある。(近年は人数制限のみ機能している)

この時のプロジェクトは、6月の焼き直しであるため、大掛かりになることはないと予測し、リーダー格の学生に声をかけた。また日程が合わないがMTGには参加したいという学生からの申し出があったため、ML(およびMTG)参加者も募った。

後日学生に聞いた話によると、選抜メンバーのみのプロジェクトが実施されると、参加しない学生からみるとおいてけぼり感があるらしい。せっかく成長の機会があるのに、みすみす逃すのかという焦りもあるらしく、何をやっているのか知っておきたい思いが強くなるということだった。
書くPの場合、入ってしまえば当日参加するしないに関わらず、全員がワークをすることは当然であり、MTGへの参加、意見を出すことも必須となる。
結局、倍の人数14名の学生がML登録をした。

今回の狙いは、高校生が大学生の関与を通じて「自分の中にある感覚・思い」に気づく・発見する、さらにそれらを”言葉”として得る」ということを置いた。
さらに、書くPの主旨である「高校生と大学生がお互いに共鳴し、体験や言葉を交換し合うコラボレーションの場」の必要性・重要性をより深める事例とすること、高校生が当大学の大学生を身近な存在として感じ、認識してほしいという狙いもある。


企画・プランニング・プログラム開発


「こたえは自分の中にある」。
このメッセージをワークを通じて高校生の腑に落とす。
そのために今回のプログラムでは、一番印象に残った出来事を感覚(五感)として掘り起こすことをテーマとし、ワークに落とすためのシートを作成した。同シートは事前ワークとして、高校生に記してもらっておく。
本番では、大学生と協力しながら、高校生は事前シートに書きこんだ言葉よりも多くの、また思いもよらなかった未知の言葉を自分の中から掘り起こしていく。
書くPの基本スキームである。
このワークだけでも、90分では足りない。
にもかかわらず、今回はレゴブロックを使ったワークを入れることにした(レゴブロックを使たワーク=レゴ®シリアスプレイ®については後述する)。
自分の中にある言葉やイメージの自在さを体感するために、レゴブロックを使うワークは有効だからだ。レゴブロックを使ったワークは講義では導入していたが、書くPでは初めて導入するので、実験的な試行の意味合いもあった。

レゴブロックとシートを使うワークをシナリオに落とし、プログラムの構成と流れを時間配分に落とす。シナリオに落とすことでワークの中身も新たに見えてくる。そこで調整と修正を加える。この一連のプログラム開発作業が書くPのエッセンスであり、書くPの成否を左右する。



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