ドビュッシー「月の光」に彩られ、初舞台演劇で僕は人を感動させられる喜びに目覚めた。
映画の専門学校に入り、様々な経験を積んで、新しいチャレンジが面白いと感じ始めた頃。
次に待っていた試練は、舞台演劇でした。
1.舞台に立つ
「次は、みんなで舞台に立ちます」
先生からそう言われた時、今までとは違うプレッシャーを感じました。
舞台に立つということは、お客さんが入る。
お客さんが入るということは、お金を頂く。
お金を頂くということは、プロのレベルの芝居が求められる。
今までの授業は失敗しても許される内容でしたが、今回は失敗が許されない、責任の重さを感じていました。
2.配役決め
脚本は中島らも作「今夜すべてのバーで」という小説に決定。
舞台の配役のために、みんなで役を変えて、読み合わせを行いました。
僕は「不治の病を抱えた17歳の少年」という役柄に決まりました。
3.役になりきる
役になりきるためにまずやったことは、役柄の少年の背景設定。
家族構成、これまでの人生、病名、人柄など。
思いつく限りノートに書き起こしました。
ここまで細かく役の設定をするのは初めての経験だったので、何が正解か分かりません。
家族構成や人柄は自分の経験と照らし合わせてイメージすることができましたが、病気についてはかかったことがないので、どんな心境なのか考えても答えは出ませんでした。
自分なりの努力をしようと、日々役柄について突き詰めていました。
4.演じる
実際僕の出演シーンはわずかでしたが、物語の途中で死に至る、重要人物。
僕が病室で亡くなった瞬間、顔に白いハンカチが被されます。
そして、バックミュージックでドビュッシーの「月の光」が流れます。
その瞬間、生き返ったかのように自ら白いハンカチを取り外し、誰かに導かれ、天国に向かって歩いていくというシーンがありました。
自分なりに努力し、稽古中に演じてみると、僕の芝居を見ていた同級生のみんなが涙を流していました。
「これはうまくいくかもしれない」
何度も稽古しているうちに、自信が生まれてきました。
5.本番
そしていよいよ本番、初めての舞台演劇。
舞台袖から、お客さんが入っている様子を見ていました。
僕は岡山から家族を呼んでいたので、役者としての自分を初めて見せることに、嬉しさと恥ずかしさを感じながら、本番に向けて気持ちを高めていました。
いざ開幕し、舞台の上に立ってみると、それまで何度も稽古をしていたので、緊張は一切ありませんでした。
舞台の上に立って、スポットライトを浴びる感覚は、自分が自分ではない別人になった気分です。
閉幕した後、たくさんの拍手を頂きながら、「舞台って面白い!」と感じました。
まとめ
本気になれば人はどんどん成長していきます。
ピンチはチャンス。
逆境があればあるほど強くなる。
役者としての道のりは、自分が成長している喜びを感じる毎日でした。
続きはまた次回お話します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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