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可燃記

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可燃ごみの日(月・木)に書くことを目指す日記。
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#今日の振り返り

ぶたぶたくんの口角

ぶたぶたくんの口角

豚の散歩を見た。薄いピンク地に黒いぶち。大きさは中型犬くらい。黒いリードにつながれて、ファンシーな効果音が鳴りそうな細かくてかわいい足取りで、ご主人と思しき女性とふんわり歩いていた。

あのぶちは「ぶたぶたくん」だ。からすとこぐまとおつかいに行く、ファニーなこぶたの「ぶたぶたくん」。二足歩行こそしていなかったが、子どもの頃に好きだった絵本の、ミリも覚えていないだろうが子どもらにもさんざん読み聞かせ

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2024/10/14 Because everyone goes to Hakone.

2024/10/14 Because everyone goes to Hakone.

旅である。

箱根に行くのに新百合ヶ丘からロマンスカーに乗るやつなぞほとんどいない。急行に乗ったって大して所要時間が変わらないからだ。おまけに小学生は小田急線内ならどこへ行っても50円というこのご時世、誰が特急料金700円弱を払う?

われわれだ。払った。乗った。あとは出発するだけだ。一路、箱根へ。

おのおの好きなお弁当を買って、ちょっとお菓子も買って、お酒は我慢して、新しくて赤くてつやつやのG

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2024/10/10 油を恐れぬ者にのみ現れる聖痕

2024/10/10 油を恐れぬ者にのみ現れる聖痕

冷凍の餃子を焼こうとして、フライパンに油をひく。これが多過ぎたらしく、盛大にはねた。まあまあの量の油が右腕の内側に付着して、ぎゃー、と叫んだ。

保冷剤を、ぺっとりと貼り付けて冷やす。餃子は夫が代わって油よけの丸い網(何年も前にKEYUCAで買った。フライパンなどにかぶせる物)を盾に焼いてくれた。

私は油への感度が多分低い。多めに入れときゃフライパンの底に食材がひっつかない、くらいの雑な認識でい

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2024/10/7 真夜中の「やったー!」は断捨離でしか得られない種類の快感。

2024/10/7 真夜中の「やったー!」は断捨離でしか得られない種類の快感。

いろんな色のチョークの粉をかき集めては捨てるという夢を見た。不快である。

先週末、急に片付けに凝り出した次男のおかげで、子供部屋がいまだかつてないほど片付いている。小さなフィギュアたちは集められて地球儀の下にぐるりと並んでいるし、『呪術廻戦』も『怪獣8号』も『デキる猫は今日も憂鬱』も1巻からすぱーっと並んでいる。素晴らしい。子どもの「マイブーム」がこんなに家庭のニーズにマッチする日が来るとは。

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2024/10/3 ガムを踏んでガムを削った記憶を取り戻す。

2024/10/3 ガムを踏んでガムを削った記憶を取り戻す。

ガムを踏んだ。ガッデム。

今どき道端にガムを吐き捨てるような輩がまだこの世に存在しているのか。蛮族め、と心の中で毒づく。
どこで踏んだのかさっぱりわからない。坂を上る途中で気づいたのだ。右足の裏をアスファルトから剥がすときに少し抵抗があるということに。

一度気づくともうその前には戻れない。小さい小さい音で、ねち、ねち、と聞こえるのも煩わしい。左足だけでぐらぐらと立って右足のサンダルを脱ぐ。裏返

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2024/9/30 Rの正確性と妖精の肉

2024/9/30 Rの正確性と妖精の肉

先週に引き続き、夫、出張。今日はだいぶ涼しく、室温的には快適だが、もう末端が冷える。しぶしぶ靴下を出して履いた。気持ちだけはまだ裸足。

気持ちがだれていて、作業が思うように進まない。気温が下がると、若い猫は元気が出るのか、猫3が色んなものを追いかけて暴れている。多少うるさいが、かわいいので許す。暴れ狂って部屋に突入してきたところを捕獲して腹の毛を吸ってやった。

珈琲を淹れて、いざ、作業再開、と

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2024/9/26 無垢ないのちの行列

2024/9/26 無垢ないのちの行列

夫、出張で不在。次男をピアノ教室へ叩き出し、長男の勉強を見つつ夕食を作り、食後に丸つけしつつ解説。国語の読解問題が「不安をどう捉え付き合うか」という題材。明快で答えを拾いやすく気難しくない文章であるがこのシビアな題材を小6に…?

子らは21時にはすっと子供部屋に入って就寝体制を取るが、大体小1時間くらい謎の遊びで盛り上がっているのを知っている。こちらに害がなければ良し。できるだけ長く仲良くあれ。

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2024/9/22 インストールとアンインストールを繰り返す

2024/9/22 インストールとアンインストールを繰り返す

突然涼しくて嬉しくなって小躍りしながら掃除する。結果汗だくであった。

3連休が2週続いて、ある気付きを得た。人は3日連続で休まないと、休日を休日と正しく認識できない、というものだ。

休日の1日目、人は休みという状態に慣れていない。まだ休みに体がびっくりしている。大体昼食の時間あたりで「そうか、今日は休みか」とようやく気付く。そこからだんだん「休みである」という状況を受け入れていく。しかし1日は

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2024/9/19 野性の証明

2024/9/19 野性の証明

きっきっきっ、と鳴く虫がどこかにいる。夜中にぽかっと目が覚めて(でも時計は見ない。時間というものはいつだってショッキングなので)、もう一度目を閉じた時に聞こえた。

きっきっきっ。小さい蝶番が軋むみたいな音だ。

次に目が覚めたのは朝、次男に起こされた時(これは珍しい。彼はいつも私と同じかもっと遅くまで寝ている)。もう虫は鳴いていなくて、家族がおのおの朝ごはんを食らっていた。

蝶番みたいに鳴く虫

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2024/9/16 楽しく過ごして食べて寝るだけのお仕事

2024/9/16 楽しく過ごして食べて寝るだけのお仕事

3連休は、寝坊映画映画買い物片付け横浜秋祭り、であった。

子どもらがうんと小さい頃、とにかく毎日をなんとかしのがなくてはならなかった。食べさせて、きれいにして、楽しませて(泣き叫んだりつまらなくて機嫌がわるくならないようにして)、適度に疲れさせて(夜寝てくれるように。寝なかったけど)、次の朝をまた無事に迎えられるように。

そうやって毎日毎日をざばざばざばと泳いで泳いで生きてきて今、11歳と9歳

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2024/9/12 新しくてつやつやしている

2024/9/12 新しくてつやつやしている

エッグクッカーなるものを買った。ペンギンが6羽、背中合わせに円陣を組んでいて、それぞれの腹に一つずつ卵を収めて湯に沈めるというもの。私の感覚では、卵を装着した彼らはジェンツーペンギンに見える。

実用品なようなおもちゃなような、こういう無駄が多いものは好きだ。たまに買ってしまう(そして収納場所に困る)。今回は、収納場所というよりは、彼らを沈める鍋に困ってしまった。いつも使っている小鍋には入らない。

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2024/9/9 新米の恩恵(理不尽付き)

2024/9/9 新米の恩恵(理不尽付き)

朝晩大分涼しいからとたかをくくって昼間外出したら、普通に暑かった。汗だくで坂を上る。小さい秋でいい、見つけたい。

外の湿気をまとったまましんねりと仕事していると、実母から入電。年間契約している米があるから足りないなら譲ってくれると言う。傘寿を過ぎて一人暮らしの老婆に米のサブスクが必要なのだろうか、と一抹の不安がよぎったが、何はともかく恩恵を受けるわけなのだから、とありがたく頂くことにする。

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2024/9/5 名前を呼んではいけないあの種族

2024/9/5 名前を呼んではいけないあの種族

先日、ゴキブリが出てしまった。10年振り2度目の遭遇である。

さあ風呂に入らん、ついでに洗濯をせん、と洗面所でごそごそTシャツを脱いでふと目をやった壁にしっとり貼り付いていた。つやつやと赤茶色で健康そうなやつだった。

毎日風呂に入ろうとするとぎゃおぎゃお鳴きながらぬるぬる足にまとわりついてきて、出るまでドアの前で待っているはずの猫3がなぜかおらず、丸腰。

Tシャツ半脱ぎの変な格好でゴキジェッ

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2024/9/2 ボールと鍵盤

2024/9/2 ボールと鍵盤

先週の月曜に学校が始まったと思ったら、金曜日には台風で休校になり、「土砂災害警戒レベル4」になり、小学校の体育館が避難所になった。実際避難した人はいなかったみたいだが、避難所を開設したからには「避難所開設した日と翌課業日(授業日)は臨時休業」という決まりらしい。そんなわけで子どもら、連休である。

朝からのんべんだらりと過ごしていて(とはいえ2人ともドリルのノルマはこなしている。えらい)うらやまし

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