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甘野充のオススメnote

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#エッセイ

三年寝太郎空想日記 第一話

 吾輩は三年寝太郎である。生来の怠け者が祟り起きて活動することを放棄して三年になる。父親の退職金と母方の実家が跡継ぎがいないため、いずれ吾輩が財産を相続することを考えた結果働かなくても生きていけることに気づいた。大変な僥倖である。生きているのは辛いことだが、かといって死ぬのはもっと辛い。必然的に吾輩は布団で惰眠を貪る日々を送ることになった。  吾輩の住む小庵から日本庭園を挟んで三百メートル程離れたら処に猫石本家の屋敷がある。其処に住む親父から月々七万円の補助を貰って暮らしてい

海辺のニャフカ

もし、人生が1本の映画だったら、私はメガホンを握りたい。 演出家として、あらゆるシーンをコントロールしたいのだ。主演俳優としてキャスティングされた自分自身を、時には泣かせ、時には笑わせ、どう転んでも“私の物語”になるように仕立て上げる。そんな妙な妄想にふけっていたある日、不思議な夢を見た。 その夢では私は猫に転生していた。にゃーん、と一鳴きしてみると、そこに姉が現れた。姉と言っても、これも猫である。彼女はなぜか私を見つめ、「さあ、父のチュールを奪い取るんだ」と真剣な顔で言

ミッドナイト

君はいつもの場所で 僕にサインを送るんだ 二人だけの サインを 夜になれば 君と甘い時間 僕は 欲望をむき出しにして    愛するよ 夜が 待ち遠しい 二人だけの 熱い夜が 熱く 熱く 君を愛するよ

君とゆう名の花

街に埋もれ 社会のレールから脱線し 僕は街の中で ひとりたたずむ 途方もない 孤独感が僕を追い詰める 信じた人と 逸れてしまい 笑う事さえ 話す事さえできない 生きるとゆう 生き苦しさの中で 僕は もがき 苦しんだ   僕は見つけたんだ 一輪の花を 一輪の花を 守るためなら 僕は 傷だらけでも 這ってでも 生きて行く この花を守るために    君とゆう名の花へ

#1,501『狂ってしまった本能よ』

狂ってしまった本能よ 誤作動を起こした本能よ 死が怖いのであれば いっそ死んでしまえ あらゆる恐怖でこの身を滅ぼそうとしても その度に打ち克ってみせよう それで死ぬのならば それまでの人間だということだ 生きているのならば まだやることがあるということだ 狂ってしまった本能よ 私はそれ以上の狂気を持って お前を受け止めてみせよう 📕本日の一冊!📕 『忘れる読書』(落合陽一さん) 〈一言レビュー〉 読んだ本の内容を覚えていなければ、その本を読んだ意味がない。そう思

曖昧さについて考える。「「書く」(公開する)ために読ん」だ本は「書く」(公開する)に役に立たつのか。

 X(旧Twitter)で松田樹という方の以下のポストが目に止まった。  吉行淳之介のエッセイでよく出てくる話で、小説のネタになると思って行動したことは大した小説のネタにならないが最初に浮かんだ。  僕は「「書く」(公開する)ために読ん」だ本は「書く」(公開する)に対して役に立たないんじゃないか、と疑っている。  いや、違う。「僕の場合は」役に立たないと書く方が正しい。より正確には、読んだものはすぐには「書く」に役立てられない。  本を読んだ時、水が地面の表面を濡らすよう

生きるために (詩)

今日1日を生きるために あなたに会いに行くわ 生きるために 水と空気が必要なように あなたが必要なの 土砂降りの雨でも会いに行くわ あなたに見つめられるだけで 心は潤いを取り戻し  会いに行って良かったって しみじみ思う 今日を生きるために 今、会いに行くわ……

『星を詠む人 ~乙女な夏祭りの日~ (乙女座)8/23-9/22』

夏の夜は時に賑やかになる。 ベランダから見える街並みの向こうは、ぼんやりとオレンジ色の光が溢れる。 街行く人は色とりどりな浴衣姿、子供達は楽しそうに親の手を引いている。 私も浴衣姿でりんご飴なんかを買ってみたいな。 ふふ。私にも乙女心らしきものが残っていたなんて、 少し驚きだ。 夢見る乙女なんて言葉はあるけれど、 乙女はただ漠然と夢を見ている訳では無い。 そのどこまでも純粋な心で、 どこまでも繊細に完璧に描かれた夢を抱くのだ。 そして細やかで聡明な乙女は、

ネガッタリカナッタリ

願ったり叶ったりさ。 人生はきっと。 全て思い通りになるのさ。 願ったり、叶ったりさ。 人生はずっと。 それの繰り返しなのさ。 踊ったり唄ったりさ。 人生はきっと。 全て思い通りになるのさ。 踊ったり、唄ったりさ。 人生はずっと。 それの繰り返しなのさ。

目を凝らして

見えないからって目を背けないで 真っ暗だからって諦めないで 浮かぶ星月夜 目を凝らせば浮かぶ球体 光の滴が必ず見えるから 結べば語りかけてきてくれる 夢のような世界 望めば叶う さそり座のあの娘が 君の隣で微笑んでいてくれるから 嘘だと思うならその手を握ってごらん 握り返してきたら君の夢はもはや夢じゃない 幸せが訪れた瞬間なんだ 最高の夜の底 煌めく心が煌々と灯る素晴らしい夜は 君が望んだ夢の形

可愛くてごめん

随分と、昔の話である。 恋人だと思って付き合っていた男性に、実は本命の彼女がいると気付いたことがあった。 簡単に言えば、二股をかけられていることがわかって、私は超絶、激怒し、大いに責めたてた!(これって、普通の反応ですよね?) するとその男性は、さも、やれやれといった表情で、 「……ちえは案外、嫉妬深いんだなぁ……」 と、言い放ったのだ。 嫉妬、とな? その一言に私は、より一層、激怒した。 なぜなら、その言葉の裏に ——そりゃあ二股は褒められることじゃないけど、そんなに

ほんとうはね、私の庭には [詩~エッセイ]

ほんとうはね 今頃の季節には きれいなお花が 咲くはずだったの なんにも しなかったら 花が咲くはずないのに なんで咲かないのかなって 庭があっても 種を撒かなければ なにも咲かないのは 当たり前のことなのにね せっかく庭をお持ちなのに もったいないことをしましたね もっと前から種を撒いて おくべきでしたね 私はあなたの庭に咲く きれいな花を見るのを 楽しみにしていました もっと早く撒かなくては 今年私は 春に咲くはずの花を 見ることが出来ないんですね とても残念で

溶けない心【詩】/雪解け【近況】

色の一部が沈殿した 窓の外は ブルートーンのビル群 君を失った寒色の世界 部屋の中は ダークネイビーが作る グラデーションの薄闇 脳の奥に沈殿した色を 僕は頭を揺らし 撹拌する スノードームのように 暖色におおわれ つかのまの弛緩 ……沈殿 頭を大きく振る 暖色はつかのま ……暗涙 ダークネイビーの薄闇と窓外のブルー 君を表現するための色が足りない さよならできない僕の心の色だけが この世にあふれている ©️2023 ume15 【近況】雪解け 以

R60204喜び愛情感謝学び成長日記…本来の感情を受け止める…理想の自分を目指す際に、本来の感情を否定しない…感情抑圧は本質を生きることに反する…むしろ、受け止めることで爆発を防ぎ自分らしく生きられる…明るさ暗さも含め、感情をオール肯定し受け入れることから自分らしい人生が始まる!