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栄養士になろうと考えてもいなかった私が、フリーランス管理栄養士として生きていこうと決めた理由②

こんにちは。
管理栄養士/食コンディショニングアドバイザーの「辻井美郷」です。

前回の記事を読んで頂き、ありがとうございます!
もし読んでいないよ、という方がいらっしゃいましたら、こちらからどうぞ!


さて、さてさてさて!
突然ですが、質問です!
普段こんな事はありませんか?

皆さん外出する際に、戸締りをきちんとされていると思います。
部屋の窓を閉めて、ガスコンロの火が消えている事を確認し、
靴に履き替え、玄関に鍵をかけて車に乗り込みます。

車が少し走り出してから、あ、あれやり忘れてないかな?と、
ふと気になって一度家へと戻り、戸締りを再度確認します。
あぁ、ちゃんと出来てたじゃん、あぁ良かった!
と安心して再び出掛けていきます。

はい。
至って普通の事だと思います。



では次の場合はどうでしょう。


部屋の窓が閉まっているか、何回も何回も何回も鍵を確認して。

ガスコンロの火が消えている事を、確かにこの目で何度も見て確認しているのに、玄関に向かうまでの数メートルの間に勝手に火が付くんじゃないかと不安になり、何度も何度もガスコンロの前に立って、消えている事を確認して。

靴を履いて玄関に立ち、さぁドアを閉めて鍵をかけよう、といったところで。

窓は本当に閉まっているのか。
勝手に不審者が入ってきて、トイレに潜んでいて、帰宅した私は殺されるんじゃないだろうか。
暖房器具のコンセントから出火して火事になるんじゃないのか。
家に帰ってきた時には家が燃えて無くなっているんじゃないのか?

不安で不安で、なかなか出掛けられません。
土足で家の中に入り、もう一度最初から確認のやり直しです。


はい、これは強迫性障害が一番ピークだった頃の私です。


前置きがだいぶ長くなりましたが、
私は強迫性障害という病気と一緒に、生きています。

管理栄養士に合格後、働くフィールドが広がり、順調にキャリアを積み、理想とする管理栄養士の波に乗れている!と思っていましたが、
現実は、自分と他者を比べて自信を失ったり。
周囲の反応を気にしすぎて、上手く自分の思いを伝えられなかったり。
自分の行動は間違っていないだろうか、正しいのだろうか。
多くの出来事に真摯に向き合おうとする度、(これで本当に大丈夫なのか?)と、どんどん不安を覚えるようになりました。



そしてその内に私は、

教えてもらった事が出来ないなんて、ダメすぎる。
仕事が出来ない自分は、なんてダメなやつなんだ。
自分のせいで人に迷惑をかけてしまっている。
自分でなんとかしなければいけない。
甘えは許されない。誰かを頼ってはいけない。
自分がミスをしたら、多大な悪影響を及ぼしてしまう。
私は人を死なせてしまうかもしれない。
間違いは許されない。完璧でなければいけない。


知らない間に、底なし沼のような思考のループに落ちていました。



今から二年ほど前でしょうか。
こんな思考で働いていた私は、徐々に仕事にも支障が出始めて、心療内科へ。
自分の意思で薬は飲まない!と決め、認知行動療法を行なう事になりました。

仕事と治療、感情と体調に波のある日々を過ごしていましたが、
徐々に心と体は限界を迎え、ついにドクターストップ。
職場に行けず、涙も止まらなくなり、抑うつ状態になっていました。

休職中はとにかく、「何もしたくなかった」。
床にごろりと寝転んで、横になっているのが一番楽。
動画を夜中まで見て過ごしたり。
夫、主治医の先生、臨床心理士さん以外の人と話をする事も怖かったです。

通院とカウンセリングにはなんとか通えていたので、認知行動療法のワークや呼吸法、体幹を意識、生活リズムを整えるなど、
教えてもらった事を少しずつ実践していたある日…

朝ご飯、ちゃんと食べようかな…?

という気持ちが湧いてきました。


当時の私はとにかく朝が苦手で、体も重く、朝食を食べる時間があるなら
その分寝ていたいと考え、前日夜にいちごジャムをたっぷり塗った
ジャムサンド(または菓子パン)を用意して、通勤中に食べるという生活スタイルでした。

(………せっかく時間があるんだし、朝ごはんちゃんと用意して、ゆっくり食べようかな。)

そこからの私は、少しずつ自分自身が変わっていく事に気が付き始めました。

朝起きた後、カーテンを開けて一つ深呼吸。
ストレッチと呼吸法。
身体の中に巡っていく感覚をゆっくり感じながら、白湯を飲む。
お日様の光を浴びて、背筋をしゃんと伸ばして、
手を合わせて「いただきます」。

YouTubeで心安らぐ音楽を流しながら、本を読むのも習慣になっていきました。

ジャムサンドを急いで口に頬張って、味わう間もない、
食事が単なる行為・空腹を満たす為だけの「モノ」になっていた、
あの頃の私が見たらきっと驚く事でしょう!


次第に、料理を作ろう、という気持ちも湧いてきました。
自らの手で形作り上げた料理を目の前にした時に、
私だって、やればできるんだ!と自己肯定感が高まり、
すごいじゃん!と自分を褒めてあげる事が出来たのです。

当たり前の行為である「食事」が、意識をほんの少し変えるだけで
こんなに大事な要素を持っていたんだ、と
食を生業としている人間が改めて感じる事が出来たのです。

私はそんな自分の実体験から、
心と体のために食事の大切さを伝えていく管理栄養士として生きていきたい、と考えるようになりました。


自分に何が出来るのか?って、不安な気持ちが出てくる時もあるけれど。

私だから、私だからこそ、出来る事がある。

そんな想いを胸に抱いています。


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