本部と現場、経営と業務、改革と改善
「本部は経営の改革の主導となり、現場は業務の改善の担い手となる」
どこかで懐かしく聞いたことがあるような、どこかの企業さんのコミュニケーションルームに掲示してある茶枯れたポスターの文言のような・・・。
一方、昭和臭さは別にして、内容的には違和感を覚えることもなく、確かに両輪が噛み合うことで企業さんの成長も約束されるような・・・。
本部や経営レベルでも、現場や業務レベルでも、それぞれ日常的に使用され、ご自身の使命として認識されている「改革」や「改善」ですが、各社各層各人のお話(ご不満)をお伺いする中、現実には「業務改革」に近い取り組みもあれば「経営改善」に近い取り組みも多々あるようです。
また、あってはならないことですが、案外、こんな経験したことがある方も多いのではないでしょうか?
得意の目分量と肌感覚になりますが、〇〇以前は②の不満が多く、〇〇以後は①の不満が多くなっている気がします。
〇〇には、ニクソンショック、オイルショック、バブル崩壊、金融危機、リーマンショック、新型コロナなど、ご自身の年表感覚にフィットするものをと考えますが、レガシー系の企業さんでは①の不満が多いと感じています。
①の不満と②の不満、それぞれ負の影響はそれぞれに及びますが、先行き不安な側は既に明らかです。
最高に嬉しいものは②の発展形でしょうか。比較的、人件費が安いとされる現場(社員層)の方々が経営改革の担い手となり日常的にこれを成功させる、そして超過果実の部分を本部(経営層)の方々がのうのうと…。ダメダメ、果実の公平な配分がさらなる、継続的な経営改革につながる訳ですからね。
上手くいっている企業さんもあれば、そうでない企業さんもあるようですが、私たちのサービス範囲から僭越的に拝見させていただいているところ、原因として「経営と業務、特に改革と改善」を社内で共有化するツールがなく、各階層各職域の努力が非効率になってしまっていることが挙げられます。
また、抽象化や創造性が重視されない組織文化を持つ企業さんでも同じような事態に直面しているようです。エース級を集めた昇進昇格アセスメントの結果として、これに関係するコンピテンシーである「抽象化思考」や「コンセプト発想」、「概念化」、「創造性」のスコアの平均点が比較して低いってことですね。
〇〇以前の評価制度は「現場で改善が得意な人材が結果を出してきた、ゆえに本部で改革する立場になったとしても結果を出すであろう」という謎の文脈を底流に運営されてきた経緯があり、この謎の現象が①の現象につながっていることは明らかです。
「現場の中での優秀な人材」と「将来的に本部(経営層)として活躍できる人材」を不公平なくグループ化する。
当たり前のようですが、評価制度として取り組まれている企業さんは少数派です。
そもそも、コンピテンシーを昇進昇格アセスメントで評価するといった仕組みが評価制度として導入されていなければ、「現場の中での優秀な人材」と「将来的に経営層として活躍できる人材」を不公平なくグループ化することは不可能です。
何となく実施している評価制度について、このコロナ禍の今、一度、見直されてはいかがでしょうか?
話は別の方向へ…、簡単なアセスメントの方法です。
「そもそも改革と改善って何ですか? 違いが明確になるよう端的に説明してください」
このような質問を対象者に投げかけ、たとえ考え込んだとしても、せいぜい1分ほどで自分の答えに近いものが出てくるような対象者でなければ、現場でも本部でも何かの担い手になることは難しいのではないでしょうか。反対に、これが即座に出てくるようであれば自分の答えとは異なっていても、「日常的に当該を当事者として考えている証」として評価の対象になると考えます。
私たちの経験によるものですが、かなりの確率で対象者の方のレベルを言い当ててきた質問です。よろしければご活用ください。
で、「じゃ一度、あの人を試してみるか」と思った方、あなたの「自分の答え」は何ですか?
以上で今回の記事を終わります。結論が曖昧で長い記事に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また、上記の私たちのサイトでも、情報発信を進めております。合わせてこちらもよろしくお願い申し上げます。
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