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昇進昇格アセスメントにおけるコンピテンシーの秘密

昇進昇格アセスメントに取り組んでいるコンサルティングファームは大小合わせて数多くあります。

そして大小のコンサルティングファームは積極的にコンピテンシーについて提案しています。

自社の提案するコンピテンシーが多様性に富んでいること、唯一無二であること、緻密であること、最終的には価値があることを。

同様に、私たちも「仕事をする力」を最上位階層におき、次の階層を「考える力」と「仲間と働く力」とする体系を基本的な概念としています。

コンピテンシーの図

そして、続く階層には「理解する力」「創造する力」「説得する力」・・・などを設定していますが、この階層のコンピテンシーについては、案外、自由にとらえており、お客様のご意見によって再設定をさせていただくケースも頻繁にあります。

反対に、お客様から「他社の社員さんと比較をしたいので、比較可能なコンピテンシーを提案してください」といったご要望があった場合には、私たちが設定している「理解する力」「創造する力」「説得する力」・・で昇進昇格アセスメントを行います。

ただし、繰り返しになりますが、ここで設定している「理解する力」「創造する力」「説得する力」・・・のコンピテンシーに私たちはあまり強くこだわっていないことが現実です。

他社の社員さんと比較をする際の共通尺度としての価値はあります。一方、そのコンピテンシーの評価が高いと「仕事で成果を上げることができる」「リーダーとして優秀な社員」「次の次のトップに相応しい人物」と言える根拠はボンヤリしているからです。

「分析力が確か=仕事で成果を上げることができる」「イニシアティブが高い=リーダーとして優秀」「育成力が抜群=次の次のトップに相応しい人物」と何千人、何万人の検証が済んでいるのであれば問題ないのですが、本当に検証可能ですか?

そもそも「仕事で成果を上げることができる」「リーダーとして優秀」「次の次のトップに相応しい」という目的変数がボンヤリしていて、「分析力」「イニシアティブ」「育成力」という説明変数が緩やかな状態で検証は難しいのではないでしょうか。

したがって、見かけるアプローチとしては説明変数であるコンピテンシーの数を増加させることになります。

より多くの関係者の意見はこうです。

「確かに育成力が抜群だからといって次の次のトップに相応しい人物とは言えませんね」

「分析力・イニシアティブ・ストレス耐性・理解力・継続力・自立性・受容力・決断力・判断力・計画性・洞察力・戦略立案力・ビジョン構想力・リーダーシップ・次のトップを担う力・課題発見力・課題形成力・課題解決力・課題実行力…。これだけ多くのものを持っていれば、次の次のトップに相応しいですね」

「他にもダイバーシティ力、段取り力、先頭に立つ力、組織設計力、未来を見通す力、結果を残す力も次の次のトップに求められませんか?」

規模や質は様々ですが、トップ、あるいはリーダー対して、古今東西、私たちは「万能感」を求めることも背景にあると考えます。

さすがに「判断力・戦略立案力・ビジョン構想力・リーダーシップ・次のトップを担う力・課題発見力・課題形成力・課題解決力・課題実行力・ダイバーシティ力、段取り力、先頭に立つ力、組織設計力、未来を見通す力、結果を残す力」まで含めると笑い話にも程があるので、流れとして絞っていくことになります。

絞り方は何らかの検証によって?

いや、ここぞコンサルティングファームの思想によってでしょう。

10項目~20項目が基本的、そして3の倍数、12項目・15項目・18項目がデフォルトとなります。3の倍数の背景は、思考・対人・姿勢の中項目を設定するからです。

この3の中項目と仮に18の小項目で構成されたコンピテンシーの体系、そして算出された受講者の方のスコア、信じるか信じないかは御社次第です。

とりあえず信じていいものは各受講者の各コンピテンシーのスコア、一方、最も関心が強くなる各受講者の各合計スコア(18の小項目×何段階評価)によるリストはどうでしょうか?

そのコンサルティングファームの思想による「次の次のトップに相応しいとされた人物」のリスト、それを鵜呑みにしてしまっていいのでしょうか?

そんな御社のご担当者は、これまでいらっしゃらなかったので安心ですが、鵜呑みにしないためのツール、例えば〇〇〇〇、あるいは■■■■■■が目的変数に相応しいものかの社会的な検証はされていないので注意が必要ですね。

私たちの経験上、〇〇〇〇、あるいは■■■■■■について疑問を持たれている御社のご担当者の方は多くなかったような気がします。いや、疑問を持ちながらも、簡単に口にする御社のご担当者の方が少なかったと言うべきでしょうか。御社の人事チームの方々、やはり優秀ですね。

弊社、未来のアセスメントでは、全く新しいスタイルで昇進昇格アセスメントを行っています。

人材アセスメントやヒューマンアセスメント、この場合の目的変数の設定は永遠のテーマなので烏滸がましいですが、昇進昇格アセスメントでの「〇〇〇〇、あるいは■■■■■■が目的変数に相応しいか?」の設定、検証についてはパートナーとしてお役に立てると考えております。

「一緒に考えてみたい」「悩みを聞いてほしい」などがあれば、遠慮なくお申し付けください。

本日も長い記事をお読みくださいましてありがとうございました。次回も引き続きよろしくお願いいたします。

また、こちらのサイトでも情報を発信しております。ご興味がある方、ご覧になっていただけますと幸いです。


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