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創作①小説・詩

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素人ながら小説を気が向いたときに書いています。今のところ恋愛小説ばかりです。良かったら読んでみてくださいね!
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#ヘリオス

アダージョ完結、ありがとうございました。

そうよ♪わたしは♪ さそり座の♪おとこ♪ 他の記事と順番が 前後しましたが、 創作「アダー…

【創作】アダージョ 高校生編 第12話(最終話)

弾き終わると思わず畳に倒れ込み、放心して板張りの天井を見上げた。父さんはいつの間にかいな…

【創作】アダージョ 高校生編 第11話

いろいろと調べること、やることがあって忙しかった。イギリスの大学は3年間だけれども、高卒…

【創作】アダージョ 高校生編 第9話

お爺ちゃんが家元を引退することになった。 「そんな急に。こんなキリの悪い時ではなく、せめ…

【創作】アダージョ 高校生編 第6話

「大晴、助けてくれ」 部活の後、家に帰る前に大晴の家に寄った。夕飯の時間になってもまだ日…

【創作】アダージョ 高校生編 第5話

休み時間に片岡くんと話していたら、奏真とバスケ部の仲間4人組が、購買の袋を持って騒ぎなが…

【創作】アダージョ 高校生編 第4話

「それじゃあ、問1の①を片岡、②を川崎、③を......」 困ったな、頭が酷く痛む。昨日の合同演奏会で疲れたのかな。興奮して夜眠れなかったから。梅雨のこの気候もあるのかもしれない。平気なふりをして席を立ち、黒板に向かう。答えを書き終えて席に戻ろうとしたら、強い頭痛の波が来たはずみで教壇から落ちそうになって、心臓がキュッと縮まった。 「......危ねー!気をつけろよ、翠」 片足だけ派手に落ちたところで、教壇にいた片岡くんが腕を引っ張って助けてくれた。 「ありがとう片岡

【創作】アダージョ 第12話(一応最終話)

「演奏会のトリを、奏真くんの『藍と月』でお願いします」 稽古が終わった後で、凪先生に言わ…

【創作】アダージョ 第11話

「翠、さっきの話は晃輝先生か凪先生に言ったほうがいい」 繋いだ手をキュッと握って、奏真が…

【創作】アダージョ 第10話

「酷く悩んでいる顔をしてるな」 家に帰り、2階にある自分の部屋にも入らずに階段に腰掛けて…

アダージョ 第9話

「演奏に、翳りがあるね」 「藍と月」を弾き終えた俺に、凪先生が穏やかに言った。大晴はサッ…

アダージョ 第8話

頭が痛くて一晩中眠れなかった。大きな掌を私の額に軽く当てて、お父さんが心配そうに顔を覗き…

アダージョ 第7話

小さい頃から何度も来ている川崎流の離れの2階。翠の部屋のドアをノックした。 「翠?俺、奏…

アダージョ 第6話

家に帰ってすぐ自分の部屋に篭り、ベッドに寝転んでボンヤリしていたら、ドアが2回、品のある感じでノックされた。 「奏真。話がある」 無言で開けると、父さんが怖い顔をしている。整った顔の父さんがこういう顔をすると迫力があるけれど、俺だって怒っている。 「奏真、翠の担当講師や稽古の時間帯を決めたのも、演奏会の曲目を決めたのも、俺と凪先生で翠じゃないんだ。翠は何もしていない。酷く泣いてたぞ。謝りに行け」 また翠かよ。そんなの知るか。父さんが慰めればいいだろう。泣いてた、と聞い