【創作】アダージョ 高校生編 第4話
「それじゃあ、問1の①を片岡、②を川崎、③を......」
困ったな、頭が酷く痛む。昨日の合同演奏会で疲れたのかな。興奮して夜眠れなかったから。梅雨のこの気候もあるのかもしれない。平気なふりをして席を立ち、黒板に向かう。答えを書き終えて席に戻ろうとしたら、強い頭痛の波が来たはずみで教壇から落ちそうになって、心臓がキュッと縮まった。
「......危ねー!気をつけろよ、翠」
片足だけ派手に落ちたところで、教壇にいた片岡くんが腕を引っ張って助けてくれた。
「ありがとう片岡