トラブルのほとんどは、あなたのせいではない。
私は、少々哲学が好きだ。
「どうやって人は生きるべきか」と考える学問が、
最も直接的に人間の幸福に貢献しているようで面白い。
その中で、私の好きな概念がある。
「アテレー」だ。
アテレーを唱えたのは、かのソクラテス。
「無知の知」で有名なお方だ。
アテレーに関する例を挙げよう。
包丁にとってのアテレーは「よく切れること」
馬にとってのアテレーは「早く走ること」
というように、
そのものにとっての役割を最大限に果たすには、どうあるべきか?
というのがアテレーである。
では、人間にとってのアテレーとは何か?
ソクラテスは、「魂を磨くこと」と考えた。
なるほど確かに、魂を磨く生き方は「なんとなく哲学的にいい」っぽい。
だが、どうして魂を磨くことが善いのだろうか?
先週か先々週、夏祭りに行った。
大変な賑わいで、車道も大渋滞だったのだが、
あるバイクが停止中に、特大のマフラー音を響かせた。
おそらく違法改造だろうし、明らかに騒音だ。
私の周囲にいた人々は、その騒音を受けて舌打ちをしたり、イライラしているのが見て取れた。
だが、私の心は意外にも穏やかだった。
「ああ、若気の至りなんだろうなぁ」「周りの人が迷惑がってるから、やめてあげてほしいなぁ」程度にしか思わず、
怒りや憎しみの感情は湧いてこなかった。
以前の私であれば、怒っていただろう。
感情に任せて大声で罵声を浴びせたかもしれない。
だが、それをしても私にメリットは一つもない。
ストレスが余計に貯まるだけだ。
自らの感情を俯瞰して、落ち着くことができた。
このように、私たちが受けるストレス・トラブルのほとんどは、
私たちのせいではない。
だが、魂を磨いていなければそのストレスは、余計に大きなストレスを引き連れてくる。
一方で魂を磨いていれば、ストレスは消滅し、ストレスは萎んでいく。
自らの心の平穏を保つために、魂を磨く必要があるのだ。
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