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セーフプレイスを頭の中に作っておく

皆さんは、日常の中で心が乱れることはあるだろうか?

「何を当然なことを」と思われるかもしれない。


仏教や禅に少しでも触れたことがある方ならわかるだろう。
心が乱れないというのはすなわち「悟り」であり、

悟っていない私たちの心が乱れないはずがないのだ。
(悟っている方のクレームは受け付けません)


さてその心が乱れた時、
「イライラを抑えなくてはいけない」と考えれば考えるほど、
余計にイライラしてくることは無いだろうか?


これに似たことは、「シロクマのジレンマ」という心理学の実験でも検証されている。

Aグループには「シロクマのことを考えておいてください」と、
Bグループには「シロクマのことだけは考えないでください」と伝えた。

時間をおいて質問すると、シロクマのことをより頻繁に考えてしまうのは、「考えないでください」と伝えたBグループだった、というものだ。


人間は「~してはいけない」と考えれば考えるほど、
それに集中してしまうのだ。


ではどうすればいいだろうか?

数年前、「アンガーマネジメント」という言葉が流行った。
怒りや悲しみ、劣等感などの感情を整理し、客観的に見て、適切にコントロールして問題解決を図るスキルのことだ。


こういった著書に書かれている多くのアドバイスは、
「人の怒りは6秒我慢すれば収まる。
だから6秒我慢しよう」というものだ。


だが、人というのはそれほどまでに理論的なものだろうか?


私は以前、塾のアルバイト中に別の先生に難癖をつけられた。
私はカッとなる気持ちを抑え、深呼吸をして6秒我慢した。


だが、怒りは収まらない。
もちろん「殴りつけてやりたい」というような爆発的な怒りは消えたが、
沸々と湧くイライラは消し去ることはできなかった。


この持続するイライラを一瞬で消し去る方法は無いのだろうか?


そこで私が考えたのが、「セーフプレイス」である。

セーフプレイスとはSafe Place。
つまり、心が安心する場所のことである。


少し考えてみてほしい。
あなたにとって最も心が安心する、穏やかな場所はどこだろうか?


現実にある場所でも、小説・映画の中の場所でも、空想の中の場所でもいい。

曖昧にではなく、

1人なのか複数人なのか、
どんなものがあるのか、
素材はどんなか
気温・湿度はどんな感じか

など、詳細に考えれば考えるほど効果がある。


私のセーフプレイスは、禅寺。

午後三時くらい、禅寺の縁側でひとり。

柔らかい座布団の上に座り、膝の上にはペットの子犬が座る。

パラパラ降る小雨は、苔むす石庭に生命力を与え、

雨で下がった気温と、上がった湿度が肌に心地よい。


このような空間だ。

時間をかけて空想すればするほど、セーフプレイスは鮮明になる。


あとやるべきことは、このセーフプレイスを日常の中で何度も思い浮かべるだけ。

暇なとき、ふとした時にこの情景を思い浮かべることを習慣化しておく。

最も安心する情景なのだから、思い浮かべるだけでも心が穏やかになり、爽やかな気分になれるだろう。


これを習慣化しておくと、心が乱れた時にも、自然とこの情景が浮かび、心が穏やかになることができる。


私の場合は禅寺だったが、皆さんのセーフプレイスはどんなだろうか?
ぜひ実践してほしい。



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