養魚秘録『海を拓く安戸池』(22)~ハマチの公定価~
野網 和三郎 著
(22)~ハマチの公定価~
戦局の進むにつれ、総動員法は益々強化され、価格統制令が巾かれ、生活必需物資にまで、それがのび、食糧の国家管理を実施する段階にまで追いこまれて、国民等しくただならぬものを感じ「贅沢は敵なり」というスローガンのもとに、米穀通帳による配給制度からはじまり、いよいよ、魚の公定価へと進んでゆくにつれ、インフレの度合いは、益々深刻になってくる。闇屋の横行するようになったのもこの頃からで、世にも恐ろしい米英に宣戦布告の大東亜戦争、十六年十