みなと新聞
みなと新聞にて毎週火、金曜日に連載中のコラム「基礎から分かる水産用語」です。 漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明しています。
水産専門紙「みなと新聞」の記者がチリ産冷凍ギンザケ(チリギン)大手輸入業者の国内販売価格(内販価格)を毎月聞き取り調査しています。主力となる4/6ポンドサイズのドレスは10年以上のデータの蓄積があります。
ハマチ養殖のパイオニア、ワーサンこと故野網和三郎さんの自伝です。世界で初めてハマチの養殖に成功したワーサンの人生を懸けたノンフィクション物語をマガジンにまとめました。全42話(序文・あとがき・無料配信5話分含む)。 1話ずつの購入も可能です。
みなと新聞が独自取材した鹿児島産浜値データを収録
日本のホタテガイの水揚げ、輸出、消費などをまとめた「ひと目でわかる 世界のホタテデータ2023」(note版)のご案内です。玉冷(冷凍貝柱)、ボイルなど、製品別に2022年現在の需給動向を把握したい方にお薦めです。 ☆水産のプロにお薦めです☆ ・主要産地の生産量や処理配分を知りたい方 ・相手先国別の輸出量を知りたい方 ・日本の消費量や需給動向を知りたい方 ・世界の国別生産量を知りたい方 2023年8月の中国による日本産水産物禁輸措置によって、最大の輸出先を失った日本
ロシアナンバンとは ロシア極東で漁獲されるホッコクアカエビ(アマエビ)。他産地のアマエビと比べて大型で、日本国内の高級寿司店や高級飲食店などで用いられる。 2024年におけるロシア極東の同種の漁獲可能量(TAC)は前年比4%減の8919トン。ただし、同種を輸入する最大手のロシア専門商社は「満枠消化せず8000トン程度で終漁となるのでは」と見通す。 同商社によると、24年はロシア国内向け有頭ボイルが3000トン。かつてボイル生産量の4割程度が中国向けだったが、ロシ
カニ旅行とは 主に冬のズワイガニを食べる目的で11月~翌年3月ごろに企画されるフードツーリズム。ブランドガニ産地の北陸、山陰、兵庫の日本海側に近い関西発のツアーが多い。 1962年に開店した大阪・道頓堀「かに道楽」から、産地へ「かにすき」などが逆輸入されたことが発祥。同店が氷を使った生鮮の流通・保存法を確立するまでズワイは軽視され、肥料化を含む産地での消費か缶詰加工が多かった。70年代にツアー化が始まった。 特急切符と飲食のセット「かにカニ日帰りエクスプレス」を
インドとは チリ産ギンザケ(チリギン)の等級の一つである「インダストリアル」の略称。奇形や身色が悪い物、ドレスを製造する際に頭部のカットがうまくいかなかった物、傷が目立つ物などを指す。 商社によると、等級は1級品に相当する「プレミアム」、1・5級品に相当する「G1」(ジーワン)もあり、上記2つに続く品質の物がインダストリアルに当たる。なお、インダストリアルはさらに2つに分かれ、2級品に相当する物を「インドA」、より状態が悪い物を「インドB」としているという。 日
オキナワモズクとは 褐藻類モズク科の海藻。モズク酢(三杯酢や黒酢など)をはじめ、みそ汁の具材、酢の物といった日配品として量販店で広く流通している。藻付く(着く)や藻くずが語源として考えられており、「本モズク」や「太モズク」とも呼ばれる。 オキナワモズクは、ミネラルを多く含み低カロリーであるため、健康食品として知られている。多糖の一種で水溶性食物繊維である「フコイダン」が豊富。ぬるぬるとしたこのフコイダンがオキナワモズク特有の食感になる。美容や血行促進、コレステロール
はらこ飯とは 秋サケ(シロサケ)の煮汁でコメを炊き、サケの切り身とイクラを盛り合わせた炊き込みご飯。はらこ(腹子)はイクラを指す。宮城県南部に位置する亘理町発祥の郷土料理で、秋サケ漁が活況を迎える9~11月に飲食店や家庭の食卓でよくみられる。 同町の公式サイトでは江戸時代に、仙台藩初代藩主の伊達政宗が同町を訪れた際、地元の人々が歓待の意を込めて、はらこ飯を献上したというエピソードを紹介。そのおいしさに政宗は感嘆したとされ、以降、同町の郷土料理として定着したという。
食中毒とは 細菌やウイルス、寄生虫などが体内に侵入することで、腹痛や吐き気、嘔吐(おうと)といった体調不良が生じること。汚染された食物を食べるなど口腔(こうくう)経由で感染する。毒キノコなどの植物性自然毒、フグや貝といった動物性自然毒、化学物質(ヒスタミン)が原因の場合も食中毒に分類される。 水産物は、貝やフグが持つ毒、アニサキスなどの寄生虫、ヒスタミンが主な原因物質となる。 厚生労働省によると、2023年には全国で1021件の食中毒が発生し、患者は1万1803
ジャンボとは 主に北大西洋で漁獲される外国産生鮮クロマグロを指す。「かつては300キロを超えるような外国産の大型クロマグロを“ジャンボ”と呼んでいた」(東京・豊洲卸)。大型なことに加え、ジャンボジェット機で空輸していたことに由来するともされる。 現在は慣習として「ジャンボ」の呼び名が残っている。外国産の生鮮クロマグロ全般を意味するが、米国やカナダ産を指すことが多い。豊洲卸によると、同市場に上場する外国産生鮮クロマグロはほとんどの場合、米国もしくはカナダ産。現在は80
延期したオンラインセミナーの開催日決定のお知らせ BtoBで養殖魚などの水産物を卸売する中小企業の皆さま、消費者への直販に挑戦してみませんか-。 直販事業に不可欠な消費者への情報発信(広報活動)に興味のある方も、この機会にぜひご参加ください。視聴は無料です。セミナーの参加申し込みはこちらから受け付けています(先着200人限定)。 https://eventpay.jp/event_info/?shop_code=3371258028101454&EventCode=45
塩ブリとは ブリの内臓やえらを取り除き、塩をすり込んで熟成させるなどした保存食。北陸や東海、関西、九州などでは正月に塩ブリを食べる地域がある。 代表的な消費地として岐阜県飛騨地方が挙がる。同地方では煮イカとともに塩ブリが正月に欠かせない食材という。江戸時代には越中国(富山県)と飛騨国(岐阜県)の高山を結ぶ飛騨街道では、富山で獲れたブリを塩ブリとして大量に運んだことから「ぶり街道」とも呼ばれた。 岐阜県の高山市公設地方卸売市場では江戸時代からの伝統を引き継ぎ、毎年
カナダボタンエビとは タラバエビ属に属する大型の高級なエビで、スポットエビとも呼ばれる。カナダ西海岸のブリティッシュコロンビア州(BC州)で約200隻が漁獲する。2024年の漁期は5月15日~6月21日で、大手生産者5社とその他5社程度が生産・出荷する。 かつては日本向けが過半数を占めることがあったが、近年は中国向けが伸び、日本向けに輸出する会社は2~3社程度に限られる。中国ではロシアボタンエビよりも鮮度管理やサイズ選別が安定するカナダボタンを、日本ではより甘みのあ
水産エコラベルとは 主に、水産資源の持続的利用などに配慮した漁業や養殖業を認証する制度。認証品などに貼られたラベルそのものを指す場合もある。認証は国連食糧農業機関(FAO)の水産委員会が採択したガイドラインに沿って行う。認定基準を満たした商品はラベルの表示が可能で、消費者へ水産物の持続性を訴求できる。 認証では、漁業は適切な漁獲管理や生態系への影響評価、養殖業は養殖魚の健康管理などについて一定の水準をクリアすることが求められる。認証によっては有効期限があり、数年ごと
非日系市場とは 海外における日系小売店や日本食の飲食店以外の小売や飲食店の市場。日本貿易振興機構(ジェトロ)や日本政府が用いる言葉で、明確な定義はないという。 ジェトロの石黒憲彦理事長は、8月の記者会見で非日系市場を「新興市場」と並ぶ商流構築の重点化を図る市場として挙げた。新興市場は米国中西部をはじめ日本食の普及による市場開拓が期待できる国や地域を指す。 非日系市場をターゲットにすることにより、訴求の対象となる市場の規模が大幅に拡大できる。さらに「競合が激しい日
プーバランとは 日清食品のカップヌードルで「味付けえび」と表記されるクルマエビ科の小型のエビ。インド洋や南シナ海に生息するため日本ではなじみがなく、オキアミ説もあったことなどから「謎エビ」の愛称でも呼ばれる。 カップヌードルのプーバランはインド西海岸沖のトロール網で漁獲。現地でのフリーズドライ加工と日本への輸送、湯戻しを経ても色や形、味に変化が少ないことが決め手となり、同製品の開発時に60種類以上から選ばれた。 日清食品は1986年、現地のアマルガム・フーズグル
浮魚とは 海の上・中層に生息する魚。「うきうお」と呼ぶ。海面近くを大群で回遊する魚のことで、アジやサバ、イワシ、マグロ、カツオ、ブリ、トビウオなどが該当する。表層魚ともいう。海底に生息する魚は「底魚」と呼ばれ、ヒラメやカレイ、タラなどを指す。 浮魚はいわゆる多獲性魚種で、巻網や延縄、定置網、釣などによって漁獲される。産卵や索餌などで時期により分布域が大きく変化することも浮魚の特徴として挙げられる。 日本では浮魚の多くが、沖合で操業する大中型巻網船団によって漁獲
古くから魚食文化が盛んな日本。従来から輸入による供給が大きく、日本の魚介類輸入額は世界第3位となっています。一方、輸出金額は上位20カ国にも入っていません。近年は官民を挙げて農林水産物・食品の輸出拡大を目指し、輸出額が急増していますが、世界的に見れば日本のシェアはまだまだ少ないことが分かります。 みなと新聞は、国連食糧農業機関(FAO)の隔年レポート(2024年発行)を基に、世界の水産物貿易について記事をまとめました。2022年の貿易動向を示したほか、グラフなどを交えて過