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劇場屋根裏の鳩

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映画・演劇・歌舞伎など、見てきたものの感想など
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#映画感想文

そこらへんの鳩がうっかり歌舞伎見物にはまった話

もっちりデミタスさんのアドベントカレンダー(2023)寄稿です。 はじめに歌舞伎、見たことありますか。見かけたことがある方は、まあ日本人なら誰しもでしょう。白塗りの顔と赤い隈取り、あとなんか髪の毛ぶんぶん振るやつ。他には、男性が女性を演じる、というところくらいがおもな印象ですかね。不肖鳩はだいたいそんな感じのイメージでした。 もとより、いろんな事物について、ほんものを見たいと思っている鳩ではございまして、こと演劇や舞台芸術につきましては興味のあるものですから、歌舞伎もだいぶ

【映画鳩】関心領域【感想】

予告の時点から、絵作りはスタイリッシュなものの悪趣味だなあと思っており、その印象は覆ることはなかった。それ以上でも、それ以下でもない。悪趣味極まるけれども、それを突きつけられるように見る映画です。 (注:以下ネタバレあります) アウシュビッツ強制収容所の真隣に住んでいた、ドイツ人将校家族の視点で流れていく話です。ただずっと、その家族の生活が映し出されていくのみ。ほんとうに普段の生活、父は仕事に行き、母は家のことをやったり子どもたちを学校に送り出したり。父子連れ立って川に遊

【歌舞伎鳩:番外編】三人吉三(五月シネマ歌舞伎)【感想】

先にパロディのような演劇を見ていましたが、あれが結構忠実に話を進めていたことをようやく知った。確かにこの演目を見ると、どうにかこうにかハッピーエンドにしたいかもしれない。 以下引用はあらすじ。 三人の吉三にまつわるあらゆる巡り合わせを絡めて構成されている話で、もうこれがうまく作られているのがただただすごいなあと、そこばかりに目がいきますね。途中で和尚に全ての情報が集約されてしまうところ、ここで観客にも全ての因果を理解させるように作られているのが構成の妙。 三人の吉三が同等に

【歌舞伎鳩:番外編】刀剣乱舞 月刀剣縁桐(四月シネマ歌舞伎)

ついに……ついに……! BD / DVDがでます!!! 出ますよ!!! ダイレクトマーケティングをします。 ちょうどひとつきくらい後、2024年8月28日発売です。 発売は水曜日ですね、愛さなくなるまでは愛してる。 刀剣乱舞というコンテンツの一解釈として鳩は大変面白く見ましたし、この演目とても好きです。 千秋楽の配信以来久しぶりに見ましたが、やはり良いですね。映像のカットが配信とも違う気がする。まだまだ見えていなかった目配せなんかもあって、色々な発見がありました。 この演

【映画鳩】オッペンハイマー

日本公開されることがあれば(本国公開されてから日本公開されるまで協議か何かあったようでだいぶ間がありました)、見に行こうとは思っていたものの、ずっと「見たい」と「見なければ」の間にありました。 でも公開されましたからね、もちろん行ってきましたよ。配信だと腰が重くなって見るのに時間を要しそうというのもある。劇場というのは時間と集中、環境を買う場所であるため。 チケットをとるまでは何も考えていなかったけど、劇場に入って本編始まるまでにもうちょっと帰りたかった。余裕があるときでな

【映画鳩】哀れなるものたち

公開後そこかしこから良い評判が聞こえてきていましたね。へ〜……くらいにしか思っていなかったのですが、ちょっと前に作っていた映画公開見たいものリストの中に本作が入っており(すっかり忘れていた)、まあそれなら見てみるかあと映画館まで行ってきました。 (注:以下ネタバレあります) いつものことながら思えば情報を仕入れずに見に行ったため(大人の身体の中に子供の脳が入っている?程度)、屋敷の中にキメラのような動物が出てきたあたりで、どんな世界観???になっていました(すぐに慣れまし

【映画鳩】ボーはおそれている

好きな映画に「ミッドサマー」を挙げるタイプの鳩です。最初は「ヘレディタリー」を、トレーラーの映像美に釣られて観たのですが、あっちは普通にホラーなのでね……怖いネ……(ホラーはあまり好きではない)。でもミッドサマーは好き。まあともかくそんな感じですので、今作「ボー」は、情報が出た当初から待ち構えていました。万全の状態でアリアスター監督に嫌な気持ちにされに行く覚悟を決めていざ映画館。 (注:以下ネタバレあります) 内容は、今までの作品の中で一番マイルドでしたね。ボウの人生を振

【歌舞伎鳩:番外編】歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉(二月シネマ歌舞伎)

松本幸四郎さんっていい役者なんだなあ……(しみじみ)。役名も役者さんのお名前も顔も覚えられぬ宿命を持つ鳩、歌舞伎役者さんはようやくなんとなく何人か分かるようになってきました。 たまたまヤマトタケルとはしごして見たんですが、もしかしてそういうスケジュールなんですかね?(時代感は違うはずだけれども、大和朝廷と蝦夷の話のつながりがある)鳩さっき新橋で帝見たよ。 こういう敵同士であろうとも、互いの信念を尊重するような人物たちの群像劇、良いですよね〜〜〜〜〜。熱い。出会うべくして出

【映画鳩】ラストナイト・イン・ソーホー、ヒューマン・ボイス

夢と現実が混沌としていく系の映像、結構好きなので、そういうタイプの映画っぽい、というのを探し当てて「ラストナイト・イン・ソーホー」を見ました。ポスターもいい感じだよね。 「ヒューマン・ボイス」の方は、ティルダ・スウィントンの一人芝居、という情報が先にあり、映像で一人芝居か〜おもしろそ〜ということで鑑賞。 (注:以下ネタバレあります) ラストナイト・イン・ソーホー ざっくりとしたあらすじ:1960年代のイギリスに想いを馳せる、ファッション科学生のエロイーズ。ある夜、196

【歌舞伎鳩:番外編】唐茄子屋 不思議国之若旦那(一月シネマ歌舞伎)

たった一日働くだけであらゆることが巻き起こる、勘当された愛すべきばかだ……若旦那の初仕事! 予告編を見ているだけだったので、アリスっぽい要素があるやつ、という雑認識で見に行きました。 上映案内の段階で、「若旦那応援上映」回がある映画館がある、というのを聞きつけていて(時間合わず見られませんでしたが)、どういうこと……? と思っていたのですが、本編見て分かった。愛すべきばか若旦那すぎて、確かに応援したくなるかもしれない笑 あらすじの通り、花魁に入れ込んで勘当された若旦那が唐

はとの芝居見物お切符まとめ(2023)

2023年は唐突に歌舞伎を見に行き出して、こうして感想を世に放ち始めたわけでございますが、さっきなんとなく見ていたら現時点でこの以下のマガジンに33本の記事が上がっており(2024/02/05)、えっそんなにお切符とったってこと……?とうっすら恐ろしくなりましたので、ちょっとまとめてみることにしました。 お切符を買ったものを記載(配信などで見たものは割愛)。感想があるものはリンクを貼っておきます。ないものは一言つけます。 元々は週1で映画館に通っていた身ではありますので、そ

【映画鳩】ゴジラ −1.0(12月)

ゴジラ映画は割と好きなので、公開を楽しみに待っていたものであります。と言いつつ、観るタイミングを逃し、公開後結構時間が経ってから観ました。SNS上では概ね評判が良かったのは、情報として入ってきておりました。 ということで、観に行ったのですが、これは……単純に……鳩の好みに合わなかったかもしれない……。。。 今からすごく厄介なことを言うので、大変この映画を高評価しているという方は回れ右していただけますと助かります。 以下のつぶやきの一つが、この映画ですね……。 (注:以下

【歌舞伎鳩:番外編】日本橋・天守物語(十一月シネマ歌舞伎)

「坂東玉三郎×泉鏡花抄」と銘打ったシネマ歌舞伎4本のうち、残りの2本。 公開をとても楽しみにしていた作品群で、本命は「天守物語」でした。 前回の感想は以下↓ グランドシネマ 日本橋 稲葉家お孝:坂東 玉三郎 瀧の家清葉:高橋 惠子 葛木晋三:松田 悟志 笠原信八郎:藤堂 新二 雛妓 お千世:斎藤 菜月 植木屋 甚平:江原 真二郎 五十嵐伝吾:永島 敏行 あんなに可愛い女を振りやがって!!! の気持ちと、まあでも分かるよ……の気持ちがあります。でも言わずに別れると決め

【歌舞伎鳩:番外編】海神別荘・高野聖(十月シネマ歌舞伎)

「坂東玉三郎×泉鏡花抄」と銘打ったシネマ歌舞伎4本のうち、今回は2本。 公開をとても楽しみにしていました。 だって泉鏡花の世界観が現実のものになるのが見たかった。 そして泉鏡花の文章は、読んでいて本当に美しいため、どうしても人間が話すのを聞いてみたかったのです。 残り二本の感想は以下↓ 海神別荘 美女:坂東 玉三郎 博士:市川 門之助 女房:市川 笑三郎 沖の僧都:市川 猿弥 公子:市川 團十郎 人間が1日で受け取れる美の総量をやすやすと超えてくる。 舞台上の美しさ