2020年12月の記事一覧
【読書記録】「メンタリスト」を手掛けたジョーダン・ハーパーの小説デビュー作「拳銃使いの娘」
白人ギャング軍団の大ボスともめて、家族を皆殺しにすると予告された主人公ニック。
彼は、娘のポリーを守るために、盗難車の助手席に乗せて逃亡する。明るい展開が全く見えないアクション・バイオレンス小説だ。
敵の大ボスが最初から、もう投獄されているのが面白い。
彼の意志は、買収された刑務官や手紙の切れ端、暗号や耳打ちによって各地に広まる。
彼らの信者である全米の白人ギャング、一触即発の南米系グループ、ど
【漫画レビュー】表紙だけで人生!フレデリック・ペーターズ「青い薬」
バンドデシネ(フランス語圏のマンガ)初体験でこの本を選んだのは、あまりにも濃いオレンジの表紙が、ぱっ!と目に飛び込んできたから。
日本の浮世絵はフランスで人気があったときくが、そのときにフランス人が驚いた紺色のようなオレンジだ。荒れる海にソファーが浮かんでいる。その上でほほ笑むふたり。
この表紙だけでほぼ人生。この本の語っているすべてがこの表紙にある。人生はたいへんだけど、目の前の幸福をみていき