如月の 意外なところ 羊鳴く 見つめる親子 草を食べきり
「あれ?」首を傾げた。なぜか羊の鳴き声が聞こえる。「メェー」もう一度大きく聞こえた。これは空耳でも幻聴でもない、リアルに羊の声が聞こえたのだ。「ど、どこに?」思わず振り返った。ここは町の中心から少し離れてはいるが、それでも周りに家や商店、役所などが建っているようなところ。決して牧場なんかではない。
「いるとすればあそこしかないはずだ」視線に入るスポットの中に、山のようになっている斜面ががある。だがそこは高校の敷地内だ。
「高校の中に、羊がいるのか...…」斜めになっているところを見る。その場所に異変を感じた。雑草が生えていそうな山の斜面が見事に剥げている。まるで羊のような草食動物が食べきったかのようだ。
普通に考えて業者が草取りをしたとも考えられるが、それにしては少し雑でムラがある。業者ならもっときれいに草を刈り取るだろうし、それに加えて高い網の柵で囲まれた外の部分も、きれい草取りをするはずだ。
「メェー」もう一度聞こえた。今までには無いはっきりした声。瞬時に声のするほうに視線を送る。そこにはいた。確かに羊の親子が。
如月の 意外なところ 羊鳴く 見つめる親子 草を食べきり
(きさらぎの いがいなところ ひつじなく みつめるおやこ くさをたべきり)
今日の記事「河内長野の長野高校」を参考にしました。