半分ろうそくではなく半分の塔?
楠本は後輩の新田を河内長野にある観心寺に連れてきた。
「先輩の住んでいる河内長野って山が多いですね」「山か、いやそんなことより河内長野は南朝勢力の名残が多くてな」
楠本は歴史でも南北朝時代が好き。特に自分の名字と一時違いの楠木正成が大好き。
観心寺には楠木正成の首塚があり、毎年正成の命日のこの時期に楠公祭を行っている。
「あ、もったいない」新田は本堂前にあるろうそくを見て何かつぶやく。「ろうそくが半分残っているのに」楠本は普段あまり気にしないことを新田が言うのがおかしかった。
「半分ろうそくか、もっと面白いのがあるこっちだ」
楠本は観心寺境内にある建物を新田の前に見せた。「これなんかは三重の塔をつくる予定だったのに、一重で建築を止めた。半分以下の塔になったんだ」
「あ、はあ」新田は口を開けて眺めている。楠本はその理由が楠木正成が戦死したので塔の建設を中断したという話をしたかったが、その前に新田は別のころに行ってしまった。
今回は趣向を変えて、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。
そしてテーマは本日投稿した記事「楠公祭」をモチーフにしています。
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