旅帰り 不思議体験 如月の 三角の間も レトルト早さ
あれはレトルトな三角関係だったのかもしれない。レトルトというより即席かも。旅が終わりまもなく駅前に到着しようとするバスの中で、そんなことを考えていた。今でも夢だったのではと思ってしまう。
複数の友達との旅の最中に、ひとりだけガイドブックにも載っていないローカルな場所に紛れ込んだ。なぜだろう、海外に旅をしていたはずなのにそこだけ日本の伝統的な雰囲気がする。そして祭りの最中だった。祭りらしくみんなが荒い雰囲気だ。現地の女性に大声で「手伝え!」と言われて手伝ったが、要領もわからず戸惑い、無意識に怒られてしまった。
あるタイミングからひとりの友達が途中で合流してくれる。友達は要領がよく対応が早い、おかげで怒鳴られることもなく少し気分が楽になった。こうして祭りは終わる。ようやく帰ることになり、他の仲間が待っている空港に向かう。すると空港を前に忘れ物をある持って現地の女性が追いかけてきた。あんなに怖いイメージだった女性はとても優しい笑顔を見せてくれる。
その時に友達とふたりが目を合わせたとき、わざわざ追いかけて来てくれたその女性のことをお互いが愛おしく思った気がした。だから湯煎のようなレトルト三角関係か、まあ空港で荷物を受け取ってその場で別れたからそれまでの関係だったが。
「あ、建物が!」バスを降りた時、思わず声を上げた。旅に向かうときにあったはずの駅前の建物が、取り壊されていたのだ。
旅帰り 不思議体験 如月の 三角の間も レトルト早さ
(たびかえり ふしぎたいけん きさらぎの さんかく れとるとはやさ)
今回は、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:レトルト三角関係)
今日の記事「河内長野駅前の建物の取り壊し」を参考にしました。
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